【目標】
・DX化による効率化をさらに実践することで,生徒だけでなく教員や保護者,有識者といった幅広い視点の自由記述データを蓄積し,テキストマイニングの精度を向上させるとともに,生徒の変容を経時的かつ多角的に分析する。この分析では即時的な分析と詳細な分析の2種類を行い,即時評価によるフィードバックを通して,生徒自身が取組を改善する機会を設定できるようにする。詳細な分析を通して,生徒の変容を評価するだけでなく,各取組の効果を検証し,取組の改善につなげる。
・確立した評価法によって,取組と生徒の変容を関連付けることで,伸長させたいコンピテンシーに合わせた取組の最適化が可能になる。さらに,全国へ発信する際にも一般化が可能になり,各校の実態に合わせて組み換えることができるパッケージングした教育モデルとなりうる。これは,体験的な学びや探究的な学びを必要としながらも,実践には踏み込めない地域及び全国の小,中学校や高等学校において一つの指針となることが期待される。中堅校である本校が,防災教育・地域教育を軸に,探究的な能力を向上させ,優れた科学技術人材を生み出す実績は,地域の科学技術人材の育成だけでなく,総合的な探究の時間・体験的な学びが求められる全国の高校へのマイルストーンとなることが期待される。
【仮説】
テキストマイニングを軸とした複合的な評価法は,体験的かつ探究的な学びにおける生徒の変容を量的・質的に評価することが可能であり,生徒の取組の改善や教育活動自体の改善に有効である。
【概要】
・第Ⅰ期で開発してきた,テキストマイニングとルーブリック評価に相互評価,パフォーマンス評価等を複合させることによって,体験的または探究的な学びを通して生じる点数化しにくい生徒の変容を客観的かつ複合的に評価することができる。
・体験的な学びの前後の自由記述におけるテキストマイニングによって,生徒の変容を評価し,その活動がどのような生徒を育成したいかといったねらいと合致しているか,それ以外の効果を生むものなのかを評価することができる。
・評価法の確立によって,生徒の変容が特に生じる要因を洗い出し,「実働型の科学的探究活動」を客観的なデータに基づいて一般化することができる。
【内容】
(1)評価法の開発
・本校で開発したテキストマイニングとルーブリック評価に他者評価や相互評価,自己評価を融合させることによって,複合的な評価法を確立するとともに,その確かさを実証する。加えて,効果的な生徒へのフィードバックの方法,相互改善の方法を開発する。(評価は六件法とする)
・DX化の推進によって,生徒以外の視点からのデータも回収し,テキストマイニングをはじめとした評価の方法の精度を向上させる。
・コンピテンシーの変容に影響を与えた要因の分析・抽出を行い,実働型の科学的探究活動の一般化を行う。
(2)先進的な探究型教育・防災教育の発信
・実働型の科学的探究活動を地域の小・中学校へ教員研修等を通して発信する。
・防災パイロットスクールとして,防災教育を全国へ発信する。