仮説
防災・減災及び自然科学の視点で教科・科目における知識・技能をつなぎ,「つながり」を意識した主体的・対話的な学びを展開することで,知識・技能を再構成する資質・能力や,深い学びのもとで問題解決や判断を支える体系的・批判的思考力等が養われ,未知の場面でも自在に対応できる汎用性の高い資質・能力を育成できる。
令和2年度までの成果
自然災害,防災・減災・復興を軸として,既存の教科・科目の学び(学習課題や学習内容)をつなぎ,専門教科「災害科学」として「知識・技能の再編」を行い,合科的科目を学校設定科目として創出・実施した。履修前後の調査から,合科的科目を通して「学びをつなぐ」ことで汎用性の高い資質・能力の育成を図り,一定の効果が得られた。
本校で身に付けさせたい能力を軸としたカリキュラム・マネジメント
【背景・目的】
科学的人材の育成を目的としたとき,生徒に身に付けさせるべき力は多岐に渡り,学校生活全般(教科,探究活動,行事,生徒指導等)がそれぞれの特性を活かして,特に伸ばすことができる力を存分に伸長させることに加え,すべての取組が体系的に結びつくことがより必要である。そこで,伸ばしたい力を軸として各教科の取組を体系的につなぐ,カリキュラム・マネジメントを実施することを目指した。
令和3年度の成果
教科をつなげるための軸を“どのような生徒を育てたいか”という原点に置くことによって,カリキュラム・マネジメントを行ううえで一つの障壁となる教科間の差を,伸ばしたい力という一つの基準でつなげることができるとともに,教科間のつながりの理解や教科特性に応じて特にどの能力を伸ばせるかといった自身の教科理解にも有用であると確信できた。また,リーダーシップなど各教科の中で伸ばしにくい(出現回数が少ない)ものについては,特別活動や生徒指導,部活動などを通して学校生活全般を通して,目指すべき生徒の成長を促すしくみづくりが必要であると考える。次年度から,より詳細に科目ごと・単元ごとの伸ばしたい力を整理し,カリキュカムマネジメントを進める方法として確立を目指す。また,本校課題研究や総合的な探究の時間における計画作成においても非常に有効であると感じるため,新学習指導要領に準拠した新しいカリキュラムにおいて,SSH指定Ⅱ期目に向けて課題研究との連携を意識して進めていくこととする。