【目標】
・災害科学科におけるグローカルに実働する科学的探究活動の発展・深化を行うとともに,普通科においても体験的な学びを課題研究の中核に位置付け,探究活動を歯車に一般教科との接続を行うことで,柱となるコンピテンシーの醸成を目指す。
・東北大学災害科学国際研究所と本校,多賀城市が連携していることを活用し,科学的な視点の防災教育を多賀城高校生,小学生,中学生,大学生,研究者,多賀城市民等を巻き込んだ包括的な防災・減災・伝災のコンソーシアムを実現し,より効果的かつ連続的な教育実践によってコンピテンシーの醸成を行う。
【仮説】
体験的な活動を軸とした“実働型の科学的探究活動”は,柱となる3つのコンピテンシーの醸成に有用であるとともに,実社会における課題解決型人材を育成することにつながる。
【概要】
災害科学科 東日本大震災をはじめとした自然災害の被災地や最先端の研究施設等における課題発見・解決型の体験的な学びを通して,自ら気候変動・自然災害に関する課題を見出し,解決に向けた発展研究を行うことによって,「人とくらしを守り,持続可能な未来を創造する」ための「科学革新を切り開く科学技術人材(Pioneer)」を育成する。
普通科 地域でのフィールドワークによる課題発見型の体験的な学びを通して,自ら地域社会の課題を見出し,解決に向けた探究活動を行うことによって,「人とくらしを守り,持続可能な未来を創造する」ために,科学技術を地域課題の解決に適用できる「汎用力の高い科学技術人材(Communicator)」を育成する。
※ 各学科は個別に地域社会の課題解決を目指すのではなく,災害科学科の学びを普通科に転化し,普通科からはそれに対する社会課題や定義の再提案を行う等,各研究が有機的に結び付けられるような交流の機会を設ける。
【内容】
「体験的な学び」,「地域貢献」等の実体験における課題発見,地域課題の解決を駆動させ,課題研究を中心に据え,教科指導と有機的な接続を行う。実体験や実社会の課題を科学的に見出すためのコンピテンシーは,全教科・全学校活動を通して体系的に身に付けさせ(目標2),それを具体に扱うスキルを課題研究において醸成する。また,体験的な学びにおいて見出した課題や仮説は,課題研究を通して研究するとともに,研究成果を地域に還元し,地域課題の解決を行う。また,高大接続によって,コンピテンシーの醸成のみならず,研究の深化・専門的な解決を行い,研究開発1の事業を加速させる。
・地域フィールドを活用したリアルな体験においては,専門家や現地の方による説明だけでなく,生徒が自由に現場を調査できる時間を設定し,生徒主導で五感を働かせた潜在的な課題発見を行えるようにする。
・DXを推進し,生徒の視点をビデオクリップ化して,実体験を他者と共有する方法を開発する。また,注視した視点をデータ分析することで,災害時の判断等の分析に応用し,科学的な視点からの防災・減災・伝災に発展させる。
・体験的な学びの事前・事後指導を各教科特性や単元内容を踏まえて連続的に行い,実体験と各教科の学びのスムーズな接続が可能になるように位置付ける。
【具体的な取り組み】
(1)体験的な学び(詳しくは、メニューの「各種巡検・研修会」より選択。)
県内を中心に様々な教育資源(場所・人)を活用して実施。また、(2)~(4)に派生できるような取り組みになるよう工夫して実施している。
1学年普通科・・・・・「SS地域フィールドワーク」
1学年災害科学科・・・・・「SS野外実習Ⅰ(浦戸・大郷巡検)」、「SS野外実習Ⅱ(栗駒・気仙沼巡検)」
1学年両学科・・・・・「SS先端研究講話」
2学年災害科学科・・・・・「SS先端研究研修Ⅰ(つくば研修 )」
2学年希望者・・・・・「SS先端研究研修Ⅱ 関東研修」
その他、「自然災害共同研究」 、「SS異文化理解・交流」を実施。
(2)地域貢献
SS地域防災まち歩き 、SS地域防災活動 を実施。東日本大震災における被災地である多賀城市を中心に実施。SS地域防災まち歩きは本校の津波波高標識を辿りながら、震災の記憶を伝承するとともに、次に起こるであろう自然災害時に「いのち」を守るための行動についてもお話させていただく。
(3)課題研究
普通科はSS課題研究基礎→SS課題研究、災害科学科はSS災害科学研究基礎→SS災害科学研究。
(4)高大連携
理数探究セミナー 、SS特別課題研究 を実施。