期(R5〜R9)

研究開発課題名
様々な災害から派生する諸課題解決による
          コンピテンシー伸長プログラムの開発
〜持続可能な社会をつくる実働型の科学技術人材の育成〜

研究開発の目的・目標
激動する社会情勢の中にあって、地球規模の課題を解決するための科学技術人材医の育成を目指す。災害科学科では次世代の科学技術革新を切り開く人材(Pioneer)、普通科ではその技術を社会の課題解決に適用できる汎用性の高い人材(Communicator)を育成するため、3つの柱となるコンピテンシー(下記を参照)を設定し、伸長させる取組のパッケージ開発を目指す。

柱となる3つのコンピテンシー
①実社会から課題を見出し、解決することで新しい価値を創造する力
(課題発見力・分析力・考察力)
②幅広い分野や考え方を俯瞰し、多角的に考え、表現する力
(応用する力・協働する力・発信する力)
③自然災害や気候変動といった社会の諸課題を自分事として捉え、解決のために果敢に挑戦する力
(見通しを持つ力・自走する力・レジリエンス)

研究開発1
災害に関する地域資源を活用した探究的なフィールドワークからつながる汎用性のある教科等横断的な学びの開発 

(内容)
 「体験的な学び」,「地域貢献」等の実体験における課題発見,地域課題の解決を駆動させ,課題研究を中心に据え,教科指導と有機的な接続を行う。実体験や実社会の課題を科学的に見出すためのコンピテンシーは,全教科・全学校活動を通して体系的に身に付けさせ,それを具体に扱うスキルを課題研究において醸成する。また,体験的な学びにおいて見出した課題や仮説は,課題研究を通して研究するとともに,研究成果を地域に還元し,地域課題の解決を行う。また,高大接続によって,コンピテンシーの醸成のみならず,研究の深化・専門的な解決を行い,研究開発1の事業を加速させる。

・地域フィールドを活用したリアルな体験においては,専門家や現地の方による説明だけでなく,生徒が自由に現場を調査できる時間を設定し,生徒主導で五感を働かせた潜在的な課題発見を行えるようにする。

DXを推進し,生徒の視点をビデオクリップ化して,実体験を他者と共有する方法を開発する。また,注視した視点をデータ分析することで,災害時の判断等の分析に応用し,科学的な視点からの防災・減災・伝災に発展させる。

・体験的な学びの事前・事後指導を各教科特性や単元内容を踏まえて連続的に行い,実体験と各教科の学びのスムーズな接続が可能になるように位置付ける。

研究開発2
課題解決時のジレンマの解消,多角的な視点による課題解決を可能とする能力を育成するための,
「柱となるコンピテンシーを軸にした授業改善,カリキュラム・マネジメント」の確立 

(内容)
  第Ⅰ期の研究開発から,探究や課題を解決するために必要な資質・能力を「柱となるコンピテンシー」として再編し,各構成要素を定義した。また,相互関係を結び付けるコンピテンシーベースのカリキュラム・マネジメントを実施する。

 ② 重点的に育成する各コンピテンシーを年間指導計画に位置付け,各教科や課題研究,実働型の科学的探究活動をはじめとした学校活動を結び付ける。

 ③ 各コンピテンシーを重点的に育成するための授業実践と授業改善を行い,校内・校外で実践事例を共有する。

 ④ コンピテンシーの育成は全ての教育活動を通して行うことから,特に挑戦する力の育成において,特別活動,行事,課外活動の位置付けを明確にする。


研究開発3
体験的・探究的な学びによる生徒の変容・取組の効果を評価するための,
テキストマイニングを活用した複合的な評価法の確立

(内容)
 (1)評価法の開発

・本校で開発したテキストマイニングとルーブリック評価に他者評価や相互評価,自己評価を融合させることによって,複合的な評価法を確立するとともに,その確かさを実証する。加えて,効果的な生徒へのフィードバックの方法,相互改善の方法を開発する。

・DX化の推進によって,生徒以外の視点からのデータも回収し,テキストマイニングをはじめとした評価の方法の精度を向上させる。

・コンピテンシーの変容に影響を与えた要因の分析・抽出を行い,実働型の科学的探究活動の一般化を行う。

 (2)先進的な探究型教育・防災教育の発信

  ・実働型の科学的探究活動を地域の小・中学校へ教員研修等を通して発信する。

・防災パイロットスクールとして,防災教育を全国へ発信する。