仮説
課題研究に主軸をおいた科学的な探究のプロセスを繰り返し経験させることで,課題解決に向けた主体的な態度,体系的・多面的な思考力,論理的・批判的思考力,データ・情報分析力,コミュニケーション力が養われ,未知の諸問題を,自ら発見・解決するための資質・能力を育成することができる。
指針
探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。(学習指導要領「総合的な探究の時間」)を達成するため,本校独自の課題研究における最終目標を下図の通りとする。
各学年での到達目標
未来をひらく課題発見力の獲得という最終目標達成のために,各学年における到達目標を以下の通りとする。
3年
2年間で培った研究活動の成果を社会の課題解決に向けて応用する力,研究そのものを振り返り発展させるための考察力を養う。また進路目標達成に向けて,これまでの研究活動を論文・要旨にまとめることを通して,表現力・発信力の深化を図る。
2年
1年で身に付けた力をもとに,グループ研究の実践を通して知識を活用する力・必要性を見出す力を身に付ける。また研究途中での議論や中間発表・最終発表における質疑応答経験を通して批判的思考を伸長させ,議論する力・質問する力の深化を図る。
1年
ミニ課題研究の実施を通して分析力・計画力・プレゼン力を醸成する。また研究だけでなく自らの模擬試験結果を用いて分析力の強化を図り,自らの課題解決の計画を組むことで計画力の深化を図る。
課題発見力に必要な「三本柱」
3年間の課題研究遂行を支える「好奇心」「協働力・コミュニケーション力」「ICT」の3つを「課題発見力に必要な三本柱」と位置づける。「好奇心」は全ての活動の原点である。研究への没頭はそもそも好奇心があってこそのものであり,好奇心が原動力となって研究の楽しさがもたらされモチベーションの維持向上が図られる。この観点からも好奇心は根本的に重要な視点である。「協働力・コミュニケーション力」はグループ研究という協働作業,そして指導教官や外部機関に指導を仰ぐ上でも欠かせない。「ICT(情報活用能力)」は成果物を社会に発信していくために必要不可欠なもので,深化すればするほど表現に幅を持たせることができ,自らの主張を相手に確実に理解してもらうことができるようになる。
この三本柱を強化するために,とりわけ課題研究の時間内に限定するのではなく学校設定科目「情報と災害」との連携でICTに触れる機会をもつほか,各教科・科目における主体的・対話的な学びの中で醸成するとともに,課題研究の指導においても生徒の好奇心を十分に引き出すよう配慮していく。