機械検査技能士

工(たくみ)』の『業(わざ)

身につける第一歩

1.技能士とは?

技能士は、技能検定に合格した人に与えられる国家資格です。等級として、特級、1級、2級、3級の区分がある職種、単一等級のみで区分がない職種があります。技能伝承に積極的に取り組む企業において、受験を奨励し、中には合格奨励金を支給するところもあります。また、青年技能者に努力目標を与え、若年者に優れた技能に触れる機会を与えるため、技能五輪に積極的に取り組んでいる企業も多いです。職種は多岐にわたり、約130職種あります。愛知県は、自動車産業が盛んで、機械加工の職種だけでなく、ハム・ソーセージなどの食品関係のものや、和裁、洋裁などの職種もあります。さらに、菓子の製造やフラワー装飾など、お客さんに提供する「もの」を提供するすべての職種が対象となります。つまり、技能検定は、お客様に提供する「もの」の水準を高める目的で、それを生み出す人の技術を奨励するものです。

2.機械検査技能士とは?

機械検査とは、機械の部品・作動機構の検査のことを示します。生産現場の各工程における精密測定・検査、作動機構の運転制度測定・検査、恒温室(温度が一定の部屋)における精密測定・検査まで幅広い知識が必要である。特に、精密測定は、ものづくりの根幹であり、機械加工においては、精密測定の可否により、商品の付加価値は大きく変わるといわれるほどです。

<技能の区分>

  • 特級:管理者または監督者が通常有すべき技能の程度

  • 1級:上級技能者が通常有すべき技能の程度

  • 2級:中級技能者が通常有すべき技能の程度

  • 3級:初級技能者が通常有すべき技能の程度

3.技能五輪

技能五輪全国大会は、青年技能者の技能レベルの日本一を競う技能競技大会であって、その目的は、次代を担う青年技能者に努力目標を与えるとともに、大会開催地域の若年者に優れた技能を身近にふれる機会を提供するなど、技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成を図ることにおかれています。

全国大会の出場選手は、各都道府県職業能力開発協会等を通じて選抜された者(原則23才以下)としています。なお、国際大会が開催される前の年の大会は、国際大会への派遣選手選考会をかねています。(企業から選抜→県大会→全国大会→国際大会【2年に一度】)

全国大会は2019年・2020年に愛知県で開催されます。

4.今回の体験の目的

精密測定において欠かせない、計測器の取り扱いについて体験します。その中でも、「ノギス」とマイクロメータの使いかたについて学習します。

5.ノギスによる測定

(1)ノギスの種類

現在JIS B7507-1993 では、M 形ノギスとCM 形ノギスの2種類について規定しています。M 形ノギスは、内測測定用ジョウがあり、測定長300mm以下のものには深さ測定用のでデプスバーを備えたものがあります。

(2)目盛の読み方

本尺目盛とバーニヤ(副尺)目盛とによって測定面間の距離を読み取ります。

バーニヤ目盛は、本尺目盛を更に細分して読むための目盛で、一般には本尺目盛の(n-1)目盛又は(2n-1)目盛をn等分した目盛です。

19mmを20等分

副尺1目盛は、19/20=0.95mm(本尺1目盛より、「0.05mm」少ない)

本尺と副尺では、1目盛ごとに「0.05mm」の差が生れることになります。

この差により、今までは目分量で測っていた1mm以下の大きさをノギスを使うことにより、誰でも正確に測ることができます。

例題 ノギスの目盛を読みましょう。

<考え方>

副尺の3目盛目→0.05mm×3=0.15mm

測定値=本尺4mm+副尺0.15mm=4.15mm

以下のノギスが示している測定値を求めましょう。

答え       mm

答え       mm

写真の目盛を読んでみよう。

答え      mm

対象物を測ってみよう。

別紙「記録用紙」のとおり、対象物の各部の寸法を「はやく」かつ「正確」に測定しましょう。

まとめ

ものづくりに限らず、何事においても「はかる」ことはとても重要です。自分の能力や付加価値を高めるため、努力してください。