いぬふぐり星のまたたく如くなり 高浜虚子
北上川南部より流るる大河也
「義臣すぐつてこの城にこもり 功名一時の叢となる 国破れて山河あり 城春にして草青みたりと 笠打ちしきて 時のうつるまで泪を落とし侍りぬ」
道芝や蒲公英の花低く咲く 正岡子規
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 在原業平
ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ 紀友則 『古今集』
親子らしならぶつくしの長短 正岡子規
山神のくさめ響くや冬の山 日野草城
冬滝のきけば相つぐこだまかな 飯田蛇笏
百歳の気色を庭の落葉哉 芭蕉
榛名山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
オリジナルは,貞信公(藤原忠平)の
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
『拾遺集』雑集・1128です。
ふいてあふれて湯烟の青さ澄む 種田山頭火
こういうのもあります。
もめやうたへや、湯けむり、湯けむり 種田山頭火
朝顔や一輪深き淵のいろ 与謝蕪村
紫陽花や そらに覚ぬ はなの雨 志太野坡
「ほっ いぬのふぐりがさいている」 草野心平「はるのうた」より