エスペラント運動に関するプラハ宣言

(要約)「国際語エスペラントに関するプラハ宣言」

私たち、エスペラントの発展のための世界的な運動に加わる者たちは、この宣言をすべての政府、国際組織および良心ある人々に対して送り、ここに表明された目標に向けて私たちが不退転の決意をもって活動し続けることを宣言するとともに、それぞれの組織と個人とが私たちのこの努力に加わるよう呼びかける。

1.民主性

言語の不平等は、国際レベルを含めたあらゆるレベルにおいて、コミュニケーションの不平等を生み出すものであると、私たちは主張する。私たちの運動は民主的なコミュニケーションを目指すものである。

2.民族性を超えた教育

民族語はそれぞれ特定の文化・国家と結びついている、エスペラントを学習する生徒は、国境のない世界について学ぶのであって、、そこではどの国も故国とみなされる。特定の世界観に結びついていない、民族性を超えた教育を目指すものである。

3.教育上の効果

外国語を学習する人の中で、それを習得するできる人の割合はごく低い。それに対してエスペラントの習得は独習によっても可能である。あらかじめ、このような「第2言語」を習得しておけば外国語学習においても助けになろう。私たちの運動は効果的な言語教育を目指すものである。

4.多言語性

エスペラント共同体の構成員は少なくとも一つの非母語(エスペラント)を会話のできる程度まで学ぶ事を自己に課している。このことは複数の言語に対する知識と愛着をもたらし、ひいてはその人の視野をより広くすることにつながっている。私たちの運動はその機会を提供するものである。

5.言語上の権利

言語間の力の格差は言語の平等な取り扱いの保証を危うくするものである。私たちの運動は言語上の権利の保障を目指すものである。

6.言語の多様性

言語の多様性は豊かさの源泉である。したがって、それぞれの言語はあらゆる生物種と同様にそれ自身すでに価値があり、保護し維持するに値するものである。私たちの運動は言語の多様性を目指すものである。

7.人間の解放

全世界的なコミュニケーションの道具として立案されたエスペラントは、すべてのひとが各自の地域文化や言語的独自性に根ざしながら制約されず、人類の共同体にその一員として参加することを可能にする事業なのである。数カ国の民族語のみを使うことは障害となることが避けられないと、私たちは主張する。私たちの運動は人間の解放を目指すものである。