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Super Gridrunner Additional Information

Super Griddrunner(Atari ST,1989)のゲーム内ドキュメントの翻訳。

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最初に、このGridrunnerを買ってくれてありがとう。買ってくれたとしての話だが…

もし君がこのゲームを不正に入手したのだとしたら、メッセージがある:

(訳注:以下、罵倒の言葉。)

千のラクダのノミがお前の毛深いところすべてに潜り込み、お前の×××が痛いくらい肥大し、お前の体に特別に悪性のウイルスが侵入し、歯と髪の毛が抜け落ち、すべてのお付き合いが破滅しますように。この呪いはお前がその忌々しく有害な存在を続ける限り続くことだろう。このスライム野郎、腐りきった屑、無能なオタクめ。

まあそれはさておき、君がこのゲームを手にしていることをうれしく思うよ。もしこのゲームを気に入ったのなら(えげつないありがちな売り込みだが)Andes Attackといった他のST向けのリリースも遊んでみてほしい。「Defender」タイプのゲームに熱中しているなら、Andes Attackはまさに好みだとおもう。グラフィックも十分良いが、このゲームの一番の売りはゲームプレイ部分だ。このゲームを楽しんだのなら、Andes Attackも気に入るはずだ。

Yakによるレビュワー・レビュー

「Andes Attack」へのレビューを見ることを楽しみにしていた。レビューが出たのはごく最近だ。私が期待していたのは好評、不評が入り混じったレビューで、実際のところそのとおりだった。私はレビューが2種類に分かれることを見込んでいた。ゲームプレイを評価するレビュワーによるものと、グラフィックだけに心動かされるレビュワーによるものだ。結果は思ったとおりだった…

私が最も重みがあると思ったレビューはC&VGのJulian Rignallによるものだ。これはお世辞といったものではまったくない。事実、数年前にコモドールを持っていてZZAPを読んだ皆なら誰でも、我々二人の間にわだかまりもあったことを知っているだろう。それでも、彼がWilliamsのアーケードゲームのファンで、STARGATEマシンを個人保有していたこともあることを私は知っている。だから彼は、STARGATEを元にしたこのAndes AttackがうまくWilliamsの名作ゲームのエッセンスを捕まえることができたのか判断できるのだ。彼がAndes Attackを好きだといってくれたことに安心した…

Atari Userもこのゲームを気に入ってくれて、面白いことにゲームプレイだけでなくグラフィックも絶賛していた。今の私は自分のゲーム全てにすばらしいゲームプレイを作り出すことに集中している。私はグラフィッカーではなく、そうしたアーティストを雇うのは値段的に無理だ。とはいえ、「グラフィック」という言葉はゲーム要素を作り出す個々のピクセルだけではなく、それらがどのように動くかも含んでいると私は信じている。Andes Attackのグラフィックのダイナミックさ(特に爆発)はWilliamsの作品のように、特に目にうれしいものだと思う。

もちろん、全てがよいレビューだったというわけではない…ゲームをグラフィックの強さだけで判断し、ゲームプレイを無視するレビュワーも多いと(正しく)予想した。例えばACEは、ゲームを小さい場所に押し込め(おそらくスクリーンショットだけで見ると、ゲーム画面が壮観には見えなかったのだろう)、ゲームプレイについてはほとんど触れていない。別のAtari専門誌は、ゲームプレイが時代遅れで、この「過去の遺物」に10ポンドも払う価値もないと騒ぎ立てている。ゲームレビューの幻想世界に特有な一貫性の目覚しい例として、この同一のレビュワーは数ページ後で、最近のアーケード移植のすばらしさを賞賛している。ディフェンダーより昔のゲームだ。ここでは、このレビュワーはこの移植に20ポンドを払うことを良心の咎めなく行っている。「過去の遺物に10ポンドも払うのは高すぎる」だって、と君は尋ねるかもしれない…そうだ、もし真実を語るとすれば、ディフェンダーは難しいゲームで、アステロイドはそうではない、という事実が底にあるのかもしれない。このレビュワーは明らかにディフェンダーを理解したことがないから、ディフェンダーの仲間はすべて苦い遭遇になるのかもしれない。ああ、同じ雑誌の中で、このレビュワーは、Virusの操作が難しすぎて、Virus自身に長続きする魅力がないとも主張している。

私の人生の中で、これほどまでのたわごとを聞いたことはない。VirusはSTで遊べる一番のシューティングで、比類なき存在であり、悪い熱病みたいに繰り返し遊びたくなるようなゲームだ。Virus(そしてディフェンダーといったWilliamsのゲーム)を特別なものにしているのは、敵が自律的な知性を持っているということにある。最近のゲーム、例えばR-Typeなどには、自由度はない。常に画面はスクロールし、敵は毎回同じ場所から現れる。自機の向きを反転させて好きな方向に飛ぶことはできない。こんなゲームでの学習は、ただ特定の場所に、特定のタイミングに移動して、発射ボタンを押すだけになってしまう。プレイヤーには選択権は何もない。ディフェンダーやVirusでは、プレイヤーには世界を飛び回る完全な自由があり、そして世界には自律的な知能を持つ敵がいて、達成するタスクは分散化している。遭遇するたびに敵の反応は異なり、プレイヤーにはただの位置学習ではなく、機転が求められる。

率直に言って、よいゲームデザインの技術の大部分は今のグラフィック偏重、パターン志向のゲームの時代において失われてきている。R-Type、Nemesisといった最近のグラフィック志向のゲームは、皆すべてパターン制のスクロールゲームで自由度は存在せず、敵は毎回同じ軌跡を描いて飛んでくるような馬鹿だ。全てのグラフィックを除けば、こうしたゲームはゲームデザインにおいてはスペースインベーダーより進歩したとは言えない。ディフェンダーのデザインは、ゲームプレイにおける大進歩をもたらした。最初の水平スクロールの世界、最初のスキャナー、最初の賢い敵キャラ、そして最初のスマートボム…最近のゲームデザインでは武器パワーアップはプレイヤーに与えるがそれだけだ。ゲームは端から端までスクロールしていく。自由度は、ない…

ディフェンダーで100,000点以上取れるレビュワーを見てみたい。それならば彼らの批判も受け入れよう。今のレビューシステムにいる奴らは、ゲームをグラフィックで売ることができなかった時代にはいなかった。当時は、よいグラフィックを可能にするにはメモリが足りていなかった。だから、よいゲームデザインに頼るしかなかった。ああ、今の時代の20ポンドのゲームプレイ無しのグラフィックデモ、そしてその背後の50000ポンドの誇大広告から、いいゲームデザインを学ぶことはできないのだろう…

さておき、こう言えば十分だろう、ディフェンダーが好き、Virusが好きなら、Andes Attackも気に入るはずで、是非買うべきだ!

結局Andes Attackもたったの10ポンドだ…(おかしいことに、Andesを10ポンドで売り出して数ヶ月して、ある誇大企業がアーケードの移植を20ポンドから15ポンドに値下げしたと大々的にファンファーレ付で宣伝をはじめた…それでも適正な値段よりまだ50パーセントも高いと思う…)

とにかく、私の話は十分だろう。私はうるさいロック音楽を聴かなきゃいけないし、後で重要なパブにも行かなきゃならない。だから、君はシューティングを楽しんでくれ!

YAKは君の戦闘での成功を祈っている!