変わる!
「大さじ1杯!!」
「覚えるの苦手なんです」
Aくんのご家族の言葉です。
今日はみんなで料理をする日。Aくんの好きなみたらし団子を作りました。
まず作り方を確認するために、職員が「大さじ」と言いながら実物を見せます。
すると、子どもたちは「大さじ」と言って大さじを取ります。
先生が「小さじ」と言いながら実物を見せると、子どもたちも「小さじ」と言って小さじを取ります。
次はAくんに「醤油を大さじ1杯」と言葉だけで伝えてみました。
なんと自分で大さじのスプーンを手にとるAくん。大正解です!
Aくんも満足気な顔。
短い料理の時間に大さじと小さじを覚えたのです。
私たちはとてもうれしく思い、未来がパァーッと明るくなりました。
Aくんは帰るときにも「大さじ1杯!!」と鼻歌まじりで帰っていきました。
一つの好きなことが、たくさんの成長に繋がった
入社一年目の頃、
「このお子さんは何が好きなんだろう」「何が得意なんだろう」「何に困っているのかな」と探りさぐり、仕事をしていました。
宿題を終わらせたお子さんが「先生、印刷したーい」と言ってきます。
彼は、自分の好きなキャラクターを印刷して、それをハサミで切る遊びが大好きです。
私は「こんなに喜んでくれるなら・・・」と、彼の好きなキャラクターのコピーを用意しました。
そんな日々が続き、気がついたら、
「印刷してください」「はさみ貸してください」
とスムーズに言えるようになってきました。しかも丁寧なことばづかいです。
ハサミを人に渡すときは、自分が刃先を持って、安全に手渡すことができます。
切るのが難しいところも、今では自分の力だけで、切り終えることができます。とても器用になりました。
「ありがとうございました」
お礼の言葉も忘れずに言えるようになった姿、とてもすてきです。
一つの好きなことがこんなに多くの成長につながって、職員冥利に尽きます。
入社して数年たった今は、職員として「楽しんでもらえることを提供すること」に徹しています。