愛媛大学教育学部

家族と地域で楽しむMinecraft

参加者募集のご案内


保護者のみなさま

愛媛大学教育学部は,この度マツダ財団の支援を受けまして,松山市青少年センター(松山市青少年育成市民会議)のご協力の元,マインクラフト(Minecraft)というゲームを用いた遠隔の青少年交流環境の提供を始めることとなりました。以下の通り,お子様がインターネット上で安全に交流できる環境の提供を開始致します。取り組みのねらいにご賛同頂けます皆様に,ご参加のご検討をお願い致します。

ねらい

  • 親子でインターネットを通じたソーシャルゲームに親しむ

  • どんな時も子どもに必要な社会的交流の場を住む場所やライフスタイルに関係なく確保する

  • 多様な学びのあり方を肯定し、創造する

募集内容


活動イメージ

  • ご参加は無料です。Minecraftのアカウントはご家族につき1つご用意致します。

  • 平日午後4時頃から午後6時頃までの範囲で,いつでもMinecraftにアクセスいただけます。

      • 土曜日・休日のご利用については現在検討中です。

  • 上記の時間帯は常にボランティア学生がMinecraftのワールドに常駐しています。

  • Minecraftのワールド内でおこなうことは自由です。ボランティア学生は子どもたちが自ら参加し,遊びへ参加するよう促すように準備しています。

  • マインクラフトのワールド内で勉強や宿題についてご相談頂いても大丈夫です。

  • もし親御さんにお時間のあるときにはぜひお子様とご一緒にご参加ください。


ご参加の方法

  • オンラインのお申込みフォーム(2020年12月下旬頃公開)にてお申込みをお願い致します。

  • お申込みでは以下のことをお伺い致します。

      • 保護者様のご住所・電話番号・Eメールアドレス・主に取り組まれるお子様のお名前

      • ご自宅のインターネット環境やパソコン等のご利用状況

      • 保護者様やお子様のパソコンご利用経験

      • ご質問等


ご参加の条件

  • 2021年4月現在において,お子様が小学校3年生から中学校2年生であること

  • ご連絡手段としてEメール(携帯電話を含む)をご利用になれること

  • Minecraft利用時にお子様が音声会話が可能なこと

  • Minecraft及びDiscordでのやり取りや音声を研究目的に利用させて頂けること


安心安全なオンラインゲーム利用のための工夫

  • ペアレンタルコントロールの設定をお手伝いします

  • 親子で安全なオンラインゲームのあそび方を学ぶ機会を設定します

  • 音声でコミュニケーションしますが,カメラは使いません

  • 参加者はみなさん全員がハンドルネームで呼び合い,本名や住所,連絡先,学校名などをお互いに明かさないというルールで進めます

  • 常にボランティアの方や学生が参加してお子様を見守ります

理論的背景

 当研究室では、このオンライン上でのコミュケーション空間として、マインクラフトを選びました。マインクラフト は世界で最も販売数が多いアプリケーションで、コロナが拡大する以前から、教育での活用も広がっています。このアプリでは、子どもが自由に遊び方を考え出すことができます。複数の大人たちや他の子どもたちと協力する事によってさらに遊びの可能性は拡がります。このような自由な遊びかたをサポートし、他者との協力が可能な環境は、子どもの学びの力を最大限に伸ばす上で必要不可欠であることが最近、さまざまな研究者によって報告されています。

 子ども用のプログラミング言語スクラッチを開発したミッチェル・レズニック教授は、4つのPが創造的な学びに欠かせないと言います。Projects(プロジェクト),Passion(情熱),Peers(仲間),Play(遊び)です。ごく簡単にまとめさせていただくと,仲間と共に情熱をもって遊ぶプロジェクトを通して,子どもの能力は育まれるということです。この遊びの質が大事です。ただ決められたルールに従って,時間をつぶすだけの非創造的な遊びに長い時間を注ぐのは困ります。自分たちの目標に向かって,今ある環境を生かして,あれやこれや試しながら物事を達成していく,そのような遊びが大事です。ピーター・グレイ教授も遊びが大事だと主張する研究者の一人です。グレイ教授は,学びの環境として大事な6つの条件を挙げています:教育は子ども自身が責任を持つ,無制限の遊びの機会,文化的道具を使うこと,大人は支援者であって評価者ではない,異年齢混合,安定した善良な大人の集団。これら6つが揃うとき,子どもは自ら学んでいきます。

理想的には自然の中で信頼できる友達や大人と一緒に過ごすのが一番だと思われますが,今回のコロナ禍では対面の交流が妨げられることがあり得るということがわかりました。そのため,当研究室は,対面での交流ができない場合でも,子どもたちにとって必要な交流の場を確保する必要を感じて,今回のMinecraftを使った取り組みを進めることに致しました。

参考文献