担当者 渡辺淑恵(西沼田遺跡公園・白石哲也(山形大学)

協力者:山田昌久(東京都立大学)・菊地有希子(株式会社パレオ・ラボ)

所在地山形県天童市大字矢野目32957番地 

水田情報実験は、西沼田遺跡公園内の復元水田で行っています。西沼田遺跡からは井堰や水路とともに畦畔状遺構が確認されており、井堰の復元展示も行っています。水田への給水は、遺跡に隣接する旧前田川から随時ポンプアップし、公園内の河川に流し、その水を井堰で堰き止め水路に流しています。

実験概要実験は2021年から始めました。2021年は赤米(種子島)を栽培しましたが、登熟不良が多かったため、2022年は赤米(国分寺、北上)を栽培しています。実験水田は8区画で、弥生時代と古墳時代の稲作を想定しています。具体的には、不耕起、耕起(木製刃/鉄製刃)の条件下で、直播と移植の栽培を行っています。各条件、品種での収量比較の他、水田土壌の形成についても長期的に検討していきます。

実験水田遠景

中央が井堰、右隣の奥側2列が実験水田です。

2021年度の実験に向けて、井堰の修復を行いました。

田起こし 2021427

古墳時代想定の実験田では、復元した木製農具(鉄刃)を使って耕起しました。

田植え 2022524

写真は不耕起/移植/国分寺の様子です。土を起こしていないため、稲株や藁がそのままの状態です。

除草 202163

竹ぼうきを使って除草しました。耕起をした水田には非常に効果的です。

国分寺の分けつの様子 2022717

分けつ数は北上より少ないものの、丈は北上より1520㎝高く生育しています。

北上の分けつの様子 2022年7月17日

 国分寺に比べると、分けつ数が多く、同じ条件では倍以上分けつしています。

出穂 202282

国分寺は729日、北上は816日に出穂を確認しています。

実験区全体の様子 2022年9月13日

畦に植えた豆も立派に成長し、8区画が見やすくなりました。もうすぐ収穫です。