実験地の概要
担当者:宮崎県立西都原考古博物館 松本 茂
協力者:岡山理科大学・西都市建設課・西都市社会教育課・妻北地域づくり協議会・宮崎大学地域資源情報活用センター、他多数の個人
所在地:宮崎県西都市三宅
水田情報:実験水田は西都原古墳群が展開する台地から1段降りたところに設定。灌漑用水の上流側には水源を同じくする「児湯の池」、下流には「稚児ヶ池」が所在し、かつては池干しによる漁労も行われていました。
実験概要:赤米2種類(温帯ジャポニカ・熱帯ジャポニカ)および比較対象としてあきたこまちの3種を水田で栽培。9つの小区画に分け、3種の稲を3種の方法(穂首刈り・高刈り・根刈り)で収穫し、ひこばえ(シッテ米)の収穫量などに関するデータ収集を計画しています。収穫は石庖丁。なお、水田実験と併行して、県内の水田漁労や鳥猟についても、民俗学を専門とするメンバーに調査をお願いしています。
西都原古墳群の実験水田
左手前から右に向かって、あきたこまち・赤米2種を作付けしています。
(2022年6月27日)
実験水田の位置
お車でお越しの際は「児湯の池」横の駐車場をご利用ください。
今年度の実験状況(2023年3月25日~)
2023年3月25日(当年度区画)
今年新たに田植えをする区画を造成しました。昨年の区画より畦を高く作りました。
2023年4月1日(当年度区画)
水を入れました。右手前は水を温めるための溜井です。今年はここで水温を記録します。
2023年4月27日(当年度区画)
昨年より1箇月ほど早く田植えをしました。
植えたのは、昨年同様赤米2種とあきたこまち。
2023年6月13日(湿地エリア)
移植区画の脇にできた湿地環境。試みに真水で選別して沈んだ赤米2種の種籾(未発芽・未発根)を直播してみました。
2023年6月16日(湿地エリア)
直播3日目にして、すでに発根した籾が見えます。どれぐらい生長するのか、引き続き観察してみます。
2023年6月16日(体験区画)
体験用区画の一角でも、種子島の赤米を直播してみました。鳥や蹄のある動物が夜間にやってきているようです。
2023年6月16日(当年度区画)
今年度田植えをした区画。順調に育っています、稲も畦の上の雑草も…。
2023年6月16日(昨年度区画)
こちらは通年湛水環境で越年株再生した昨年区画。あきたこまちも含め、どの品種も力強く生長しています。
2023年6月17日(昨年度区画)
越年再生した株から、はやくも穂が出てきました。いまのところ、あきたこまちの高刈り区画で1株、根刈り区画で数株出穂。赤米2種はまだ出穂していません。
昨年度の実験状況(2022年4月17日~)
2022年9月3日
温帯ジャポニカの赤米を収穫しました。大形石庖丁で「高刈り」をしているところ。
2022年9月3日
今回刈り取りに用いた石庖丁の復元品です。上段の大形石庖丁は宮崎市内の表面採集品をモデルとした2号機です。
2022年9月3日
雨天のため、とりあえず風通しのよい軒下に干しました。
2022年4月17日
田起こしをして、水を入れました。「田んぼ」の誕生です。
2022年5月22日
多くの皆さんの協力のもと田植えをしました。
2022年8月17日
大形石庖丁初号機(日髙広人作)を使ってあきたこまちを根刈り。結構、大変な作業です。奥に見える赤米(温帯ジャポニカ)の刈り取りはもう少し先です。