昨年度に続き、自然地理研究会で野鳥観察の実習を行います。今回は鴨川河川敷・府立植物園において、水鳥や森林性の小鳥の観察を行います。双眼鏡の使い方や種の識別方法を学ぶことで、観察技術の向上を目指します。府立植物園の温室での植物の観察会も行います。
前畑 晃也(京都大学アフリカ地域研究資料センター 特任研究員)
2025年2月1日(日)9:00~
京都府京都市左京区 鴨川および京都府立植物園
学部生6名(文3 農1 同志社理工1 関大文1)、院生5名(文2 AA研1 人環2)、社会人3名、元教員2名、中学生1名、高校生1名
09:00 北大路駅において集合、自己紹介
09:15 鴨川河川敷において解説、観察
11:00 府立植物園に移動し、観察
12:00 昼食
13:00 府立植物園温室において植物観察
15:30 解散
(希望者は交流会に参加)
寒空の下、北大路駅に集合し、簡単な自己紹介の後鴨川に移動しました。鴨川ではまず案内人に双眼鏡の使い方をレクチャーしてもらい、見たい対象を瞬時にフレーム内に入れる練習などを行いました。
鴨川でアオサギを観察している様子です。アオサギは身体の色は灰色で青くはないですが、古くは「蒼」には「にぶい・暗い・ぼんやりとした」などの意味があり、それが由来となっているそうです。
案内人が持参してくださったスコープを使用すると遠くの木の上にとまっている鳥もくっきりと見えました。
カイツブリです。滋賀県の県鳥であり、琵琶湖の異称「鳰の海(におのうみ)」とはカイツブリが多くいる湖、という意味です。最近鴨川でも多く見られるようになりました。潜水が得意で頻繁に潜っており、顔を出すたびに別の場所に移動するのが面白かったです。
ユリカモメです。京都市内の鴨川で一年を通してよく見られますが、日中は鴨川にいて夜になると寝るために琵琶湖に向かうそうです。実家が滋賀県の京大生みたいだと思いました。
マガモです。マガモを家畜化したものがアヒルであり、鴨川ではアヒルとマガモが交雑したものも見られます。写真は純正なマガモですが、交雑したものはくちばしの色や体格などに違いがあるそうです。
コゲラです。都市部でみられるキツツキの仲間であり、木の幹を縦横無尽に走り、樹皮をつつきながら小さい虫などを食べていました。「ビー」という特徴的な鳴き声をします。
ヌートリアです。大型の外来種のネズミで、毛皮の採取のために日本に持ち込まれましたが野生化し、西日本を中心に分布を拡大しています。川の周辺などでは農業被害が出ており、特定外来生物に指定されています。
鴨川を北大路通りから北山通に北上し、京都府立植物園に入りました。
街中にはカラスが多くいますが、日本の黒いカラスにもハシボソガラスとハシブトガラスの2種類がおり、ハシブトガラスは澄んだ声で「カーカー」と鳴きますが、ハシボソガラスは汚い声で「ガラガラ」と鳴きます。カラスは賢いですが、ハシボソガラスの方がハシブトよりも少しだけより賢いそうです。
また、飛行中の鳥を見分けるポイントとして、代表的な飛び方として直線飛行と波状飛行の2種類が紹介されました。直線飛行は、羽を羽ばたかせ続ける飛び方(スズメ、カラスなど)であり、波状飛行は、羽ばたきと休憩を交互に行う飛び方(ヒヨドリ、セキレイなど)です。
イカルは御所でよく見られますが、植物園でも見ることができました。アトリ科の鳥は種子を砕くための頑丈な嘴を持っていますが、その中でもイカルの嘴は黄色くて大きいためよく目立ちます。
植物園内での観察の様子です。植物園の池ではコサギがいました。鴨川でもダイサギやコサギを観察しましたが、違いとしては脚の指の色が黄色ければコサギです。チュウサギは夏鳥で、鴨川ではあまり見られません。また、コサギは狩りの手法として「パドリング」と呼ばれる、脚を小刻みに震わせて足元の虫や魚を動かし、それを見つけて捕らえる、という方法をとっています。実際にパドリングを観察できました。鳥を知るためには名前だけではなく、このような具体的な生態を五感を使って知ることがとても大切だと感じました。
植物園で解散した後は、希望者で銭湯や居酒屋に行き、交流会を実施しました。今年度最後の自然地理研究会ということで、今回が最後の参加になる人もいるため、別れを惜しんで日本酒がはかどっていました。お疲れさまでした!
観察できた鳥一覧(括弧つきは鳴き声のみ)
オカヨシガモ ヒドリガモ マガモ コガモ キジバト カイツブリ イカルチドリ ユリカモメ カワウ アオサギ ダイサギ コサギ トビ コゲラ (アオゲラ) モズ ハシボソガラス ハシブトガラス ヤマガラ シジュウカラ ヒヨドリ イワツバメ ウグイス (エナガ) メジロ ツグミ スズメ ハクセキレイ セグロセキレイ イカル (アオジ) カワラバト
全32種