沖縄空手道 昭林流 松武会
(沖縄伝来の首里手・泊手系空手)
武道において最も大切なのは「心」です。
心とは一文字で表されますが、それは人間にとって最も奥の深い一文字でもあります。また、心は自分の生涯の万事に作用するものであることから、正に心は自分の生涯そのものであると言えるでしょう。しかしながら、心はそのまま放置しておきますと、自由、勝手、気儘にその作用が広がり、場合によっては負の方へ向かうことも有り得るのです。しかし、その心掛け次第では限りなく磨かれ、成長していくものでもあるのです。
術技に基本があるように、心には、正しい心、優しい心、強い心、謙虚な心、孝行の心という基本があります。武道の修練は、その心の基本を正し、磨く為の手段でもあるのです。
剣術、直心影流の先人の言葉に、
「剣は心なり 心正しからざれば剣又正しからず 剣を学ばんと欲すれば 先ず心より学ぶべし」という伝えがあります。
また、貝原益軒の言葉に、
「武芸の直接の目的は、戦場の使、日常の使にあるが、究極の目的は、武徳の涵養(かんよう)にある。すなわち武芸により、心身を統治することである」とも残されています。
心を学ぶことで心が正され、正された心で空手を学ぶことにより、正しく活かせる空手が身につくというものです。己の拳足を鍛え、技を修錬した徒手空拳の護身術である空手術が、相手に勝つ為のものではなく、相手を倒す為のものでもなく、また心の修養を考えない目先の利害得失的なものでもない、自身の一つの手段として、心を通し正しく活かされる様に繋げていけるものでなければならないと思います。
私達は幸いにもその武道に巡り会うことができました。折角得た日本の伝統文化を元とした人間造りのこの機会を容易く失う事なく、「心の持ち方、置き方」を違えることなく、先達からの格言を座右の銘に、永きに渡り、武道、空手道の修錬を継続していければと思う次第です。
-自得-
武道においては技(術技・心術)も心(諸徳目)も自得のものです。技も心も教わったことを只理解するのではなく、理解で終わらずに、その理解を自らどこまで深め、そして修練の中で、如何に気付き、悟り、自身の身に付けられるかというところであります。
武道、空手道を知る機会を得たことに感謝し、これからも心ある後輩達の指導に尽力できればと思っております。
長嶺将真先生
↑ 左上:神道自然流開祖 小西康裕先生
左下:宮城長順先生 右下:船越義珍先生
沖縄空手の源流ともなる「首里手」中興の祖と言われる松村宗棍先生の直弟子である喜屋武朝徳先生と、「泊手」中興の祖と云われる松茂良興作先生の直弟子にあたる本部朝基先生より指導を受けられた、松林流空手道連盟宗家(当時沖縄県無形文化財保持者)長嶺将真先生の松林流の流れを汲む。
吾が師、仲林洋吾先生は、諸流派を経験後、空手発祥の地である沖縄にて長嶺将真先生の下、松林流空手道を内弟子として修練され、1969年鎌倉に松林流「励武館」として道場を設立されました。その後、流派名を「昭林流」と改め、仲林先生独自の流派とし現在に至っております。
私自身は、1977年(高校1年)の秋、 地元鎌倉市大船の実家から徒歩5分程の所にあった空手道場、沖縄松林流空手道 励武館に入門。松武会は、仲林洋吾先生からのお薦めを有り難く拝受し、流派の発展に貢献できればとの思いで、2005年7月に発足し現在に至ります。
私は、空手道に出会えたこと、恩師、仲林洋吾先生に出会えたこと、そして自身の道場を持ち、心ある後輩達に空手道を伝えられる機会を得たことに深く感謝しております。
また、私は空手道を修錬する上で二人の大切な先輩にも恵まれました。
尚武館空手道場の三井館長と、松武会で共に門下生への指導にご協力頂いている小林師範の御二方は、仲林門下の兄弟子であり、40年来の尊敬する先輩です。道場発足以来、松武会を支えて下さっていることに感謝の念が絶えません。
これからも、与えられた環境に深く感謝し、自身の向上は勿論、心ある後輩達への指導を続けていくことができれば幸甚です。
松武会発足から約1年が経過、門人もまだいない中、私1人で稽古する道場にふと来られ、「一緒に体を動かしても良いかしら?」の一言から現在に至る御縁が始まりました。 以降、門下生が少しずつ増えていく中、いつも傍らで力添えを頂き、既に14年目になります。私の先輩としてのその実力は勿論のこと、長きに渡り修練を重ねられるその姿勢は、こよなく空手道を愛されており、只々見習うべきお姿であります。 そのご厚意に甘え、更なる文武の向上を目指し、僭越乍らも共に空手道を修錬、研鑽させて頂いております。
<男性指導員>
<女性指導員>