Research topics
(Last update: 2025/06/02)
(Last update: 2025/06/02)
"食"という字は、"人に良い"または"人を良くする"と書きます。
非感染性疾患の発症時には、臓器から放出される代謝物や生理活性物質が血流を介して他の臓器に働きかけることで、より病態が悪化していくことが分かってきています。栄養化学研究室では、非感染性疾患発症時の不健全な臓器間コミュニケーション(臓器連環)に対して、"食"環境がどのように疾患の発症予防・改善に寄与するかを研究しています。
(より具体的に・・・)「脂質」は食べると肥満になるといった負のイメージを持たれている方が多いと思います。食事脂質にも「質」があり、健康維持に貢献する脂質分子群を総称して機能性脂質と呼びます。当研究室ではメタボの発症予防に資する機能性脂質の基礎研究に加え、食品の3次機能「生体調節機能:摂取した食品成分が体内で機能し、健康の維持や向上に関与する機能」にも着目し、食品成分や未利用食資源が有する、まだ見ぬ機能の探索と作用機序について研究をしています。作用機序を明らかにする上で、吸収(Absorption)・分布(Distribution)・代謝(Metabolism)・排泄(Excretion)の把握を目指しています。
機能性食品や医薬品の開発研究では最終的にヒトでの評価が必要となりますが、ヒトでは作用機序の解明ができません。そのため、試験管内での実験、動物実験で確かなデータを収集し、そのデータを更にヒトでの研究に還元していくことになります。試験管内実験とヒトでの評価の中間に位置する動物実験は、機能性食品や医薬品の有効性や安全性を検討する重要な実験系です。当研究室は、動物実験における3Rの原則、ARRIVEガイドラインに基づき、対象成分の有効性や安全性に関する確かなデータ収集、得られたデータの報告を意識して日々研究を行っています(動物実験にも限界、超えられない種差もあります。それらを認識した上で最善は何か?を意識しています。当たり前のことですが・・・)。
【現在取り組んでいる研究テーマ(青字をクリックすると、Research highlights等へリンク)】
薬用植物の摂取が潰瘍性大腸炎の発症に及ぼす影響
NAD+中間代謝産物によるメタボリックシンドローム発症抑制に関する研究
長期的な食事履歴を反映する血清リン脂質およびコレステロールエステル画分中の脂肪酸組成と種々の病態との関係解析