SASANQUA:サザンカの接ぎ木page2
SASANQUA:サザンカの接ぎ木page2
このページは、「サザンカの挿し木・接ぎ木」のページの続きになります。前のページの最後で、2025年4月18日に接ぎ木を5本したことまで触れましたが、それがどうなったのかをこのページで書いていきたいと思います。
当初は全部成功したと思っていたのですが、そのうち1本は途中で誤って芽にぶつかって芽を折ってしまいだめにしました。残りの4本(三角接ぎ1本、海外の接ぎ木3本)は時間とともに結局活着しませんでした。前のページでは、穂木の直径があまりにも細いため、三角接ぎでは形成層の断面積を大きくできないと思い、Uチューブで海外の接ぎ方を真似してやってみたことまで書いています。
この海外の接ぎ方は、台木の樹皮にナイフで縦に1本切れ目を入れて、そこから少し樹皮を剥ぎ、その剥いだところに穂木を差し込むという方法です。日本でも剥ぎ接ぎと言って樹皮に縦に2本切れ目を入れてその間の樹皮を剥ぐという接ぎ方があるみたいです。
海外の接ぎ木は、三角接ぎとは比較にならないほど簡単です。この接ぎ方は色々な国でやっているみたいで、Uチューブを10種類以上見ました。ですが、話している外国語は理解できないし、字幕も読めません。樹皮を剥いだ場合、形成層は幹の中心側に残るのか樹皮の裏側に残るのかよく分かりません。形成層というのは調べると細かく複雑な構造をしています。想像ですが多分、幹の中心側・樹皮の裏側の両方に残るのではないかと思います。要するに、形成層のど真ん中を剥いでいるのだと考えました。違うかも知れません。
失敗した原因を考えた場合色々ありますが、穂木を削る時、いかに緑の形成層の断面積を多くとれる削り方をするかが一番重要な気がします。それには穂木の太さが関係してきます。それから海外の接ぎ木では、ヘラを使って樹皮を剥す時に形成層の断面をつぶさないよう、柔らかく丁寧に皮を剥ぎ、差し込み、接ぎ木テープを巻くかも重要な気がします。そして台木と穂木の接触部分がいかにぴったり合わさるかもまた重要です。この樹皮を剥ぐ時のヘラですがこんな感じです。→「樹皮を剥ぐヘラ画像」
それから、接ぎ木した後の管理として、穴あきビニール袋をかぶせて、直射日光があたらないテラスの明るい窓際で管理していたのですが、霧吹きで葉っぱを濡らしたり、温度が高まると袋をとったり、室内に取り込んだりしました。でも、いつの時点で日光にあてるのかが難しく、早まると葉っぱがすぐ落葉しました。たぶん、活着するまでは外にださない方が良かったと思っています。サザンカの接ぎ木はネットで出てこないので困ります。
結果として、4本全部活着しませんでした。でも台木がもったいないので、失敗した台木を再度2センチ程短く切り、海外の接ぎ木の仕方で、別の穂木を使い1本追加の接ぎ木をしましたが、それは唯一成功しました。失敗や成功の原因は、私なりの考えを画像を交えながらこれから書いていきたいと思います。画像をクリックして大きい画像を開いてもらうと、詳しく書いてあります。
これまでの経験上、活着するまでは1.5~3か月かかるので、その間は穂木の葉っぱと芽が求める養分や水分等は最低限の方がいいと感じました。具体的には葉っぱも半分でいいし、芽も小さくていいと思いました。穂木の芽が膨らんできたものを接ぎ木した場合、穂木にためてあった養分やエネルギーだけで新葉をすぐ展開してくるのですが、そうすると、穂木がさらに展開するための養分や水分を必要としても、十分活着していないために追い付かなくて枯れてしまう、という結果だったと考えています。接ぎ木の時期が遅かったかも知れません。
失敗も成功の元というので、以下にこの過程を書いていきます。比較しやすいように、それぞれに仮に番号と名前をつけました。三角接ぎと海外の接ぎ木のどちらがいいかと聞かれれば何とも言えません。微妙です。今まで難しい三角継ぎも1/3くらいは失敗していましたし、海外の接ぎ木は簡単ですが、不慣れなため1/4しか成功しませんでした。今回かなり失敗したので勉強になりました。このページを書きまとめていて、少しやり方が自分なりに見えてきたような気がしていて、ページの最後に書きたいと思います。
失敗した原因を考えると、穂木の太さが細すて、形成層の面積を多くとれないこと。既に芽が膨らんできているので、接ぎ木の時期が遅すぎたと思います。
穂木の養分だけで葉が展開してきましたが、そのスピードが速く、活着する時間が追い付かなかった気がします。5月10日頃に一枚付けてあった葉っぱが落ち、そのあと展開してきた葉っぱも5月下旬頃に全部落ちてしまいました。新葉が展開したからと言って活着したとは限らないということです。
それから、台木の削り込みが甘く、穂木がほんの少し出っ張っていたのを、指とテープで押し込んで止めたのも気になります。穂木と台木がぴったり合ってなかったかも知れません。
経過の画像になります。クリックすると画像が開きます。
失敗した原因を自分なりに考えると、①と同じで穂木が細すぎることだと思います。初めて海外の接ぎ木を真似したのですが、三角接ぎとは比較にならないほど簡単です。これで成功するのであれば最高です。
1ケ月半がたった頃、6月に入ったので直射日光が直接あたらないテラスの床下に出したら、横からの紫外線が強すぎたのか、1枚付けておいた葉っぱが落ちてしまい、再度室内管理にしました。でも結局8月に入って展開した葉っぱがしおれてきて失敗です。活着しませんでした。
このページを書いていて思ったのですが、活着してから外に出すべきだったと思います。6月下旬になると外も夏模様になります。
1ケ月がたった頃に新葉が展開してきたので、6月に入ってテラスの縁の下においていましたが、落葉もなくていい調子かなと思っていたら、7月に入って展開していた葉っぱが少ししおれてきた感じがしていました。8月に入って完全にしおれてきたので失敗です。活着しませんでした。
この穂木の太さがあれば、実績がある三角接ぎもできるのですが、海外の接ぎ木が簡単すぎるのでやめられなくなりました。6月に入ってからテラスの床下に置いておいて6月末くらいまで順調に新葉も展開しましたが、7月に入ったら新葉が全部落葉してしまいました。失敗です。
原因はよく分かりません。新葉が必要とする養分・水分に見合う活着面積が足りなかったということでしょう。6月下旬になるとと気温も上昇し、どういう場所で管理したらいいのか難しいです。
我が家の明るいテラスも高温になってきて、温度が20度台で明るい日陰という条件はなかなか難しいです。
うす桃花サザンカは、1回目で誤って芽にぶつかって芽を折ってしまったので追加で接ぎ木したものです。唯一ちゃんと成功している例なので少し詳しく書きますと、穂木の太さは私が考えるぎりぎりの太さだと思います。つまようじの太さは2.2ミリなので難しいです。
海外の接ぎ木では、穂木の腹側の削り方はほぼ同じなのですが、穂木の背中側(樹皮を剥した時、樹皮の内側に接触する部分)の削り方はそれぞれ少しずつ違います。Uチューブを見ても言葉も文字もわからないため、樹皮の内側に形成層が残っているのかが分かりません。私は残っていると考えて、今回腹側と同じに削ってみました。こうやっているUチューバーもいたからです。
それから、穂木を差し込む時、剥した樹皮の左右両方を使い、切れ目の真ん中に差し込む人と、樹皮の切れ目の片側だけに差し込み、もう一方の樹皮を剥さないUチューバーの人もいました。
穂木を差し込んだ時、縦に入れた切れ目からはみ出る部分は削る必要はないと思います。
今回の穂木は葉っぱ3枚と芽を3個つけて差し込んだのですが、2週間くらいで上2枚の葉っぱが落葉したので、ダメ元で一番下の葉っぱ1枚と小さな芽を1個残して、上部を切断しておきました。室内で穴あきビニール袋をかぶせて、時々霧吹きをして2か月たった7月下旬頃、ほんとに小さな芽が少し膨らんできた時、これはいけると直感で確信しました。なぜ直感で活着したと感じたのか、ページの最後に書きたいと思います。
日陰に出しても大丈夫だと考えて、テラスの床下で管理していたら8月に入ってぐんぐん芽が伸びてきました。活着するまでは、葉っぱ1枚の半分とまだ小さな1芽が付いていればいいということだと思います。
経過の画像になります。クリックすると画像が開きます。
今回、初めて海外の接ぎ木の仕方を真似してみた結果、⑤のうす桃花サザンカだけが活着し成功しました。5月22日に接ぎ木をして、7月末に芽がわずかに膨らんできた時、なぜ、これはいける、と思ったのか。
2025年9月現在、このページを書きまとめていて思いだしたのです。接ぎ木後1.5ケ月~3ケ月くらいすると、新葉が展開してくるわけですが、その新葉は、濃い緑色で、先が少し丸い姿をしているのです。全部がそうとは限らないと思いますが、今までは濃い緑の葉っぱが展開してきた気がします。そしてそれは、10日くらいであっという間にぐんぐん伸びてきます。下↓に成功例の新葉展開の様子4件と、失敗例の新葉展開の様子4件の、2枚の画像をリンクしましたので、クリックして大きい画像を開いて見て下さい。なんとなく雰囲気が伝わるかと思います。失敗した例の4件の新葉は、うす緑色で先が尖って展開しています。
1.活着に成功した時の新葉展開の様子、縦に4件、横に展開の様子画像4枚。
2.活着に失敗した時の新葉展開の様子、縦に4件、横に展開の様子画像4枚。
今回いっぱい失敗したおかげで、少しわ分かってきたことがあります。上のほうでも触れましたが、活着するまで時間がかかるので、それまでは穂木が求める養分・水分は最低限になるよう、葉っぱも半分でいいし、充実していない小さな芽でいいと思いました。
それから、海外の接ぎ木では、樹皮に1本切れ目を入れる分けですが、そこに穂木を挿す場合、真ん中に挿すように穂木を削ると、穂木が厚くなるので、穂木の両側に台木との間に隙間ができることが分かりました。その隙間は、接ぎ木テープを巻いても用意に埋まりません。画像を見てもらうと、どういうことか分かるかも知れません。この画像です。
そのため、⑤のうす桃花のように、穂木を腹側と背側の両方を削り少し薄くして、台木の切れ目の左側だけに差し込むと、隙間がだいぶ抑えられました。そして、考えてみると切れ目は、1本の形成層のむき出しの断面になるので、右側の樹皮の断面に接触する穂木の部分も削ればなお良かったと思いました。この画像のところです。
あと、思い出したのですが、今までは活着するまでは外に出さなかった気がします。
私の趣味の「サザンカの接ぎ木」はこれからも続きます。失敗しても趣味なのでめげません。
作成中です。しばらくお待ち下さい。