SASANQUA・早春の雪国で、サザンカの落葉の様子
SASANQUA・早春の雪国で、サザンカの落葉の様子
私は雪国の山形県の小さな街に住んでいます。サザンカが大好きで、約30年前から根巻き苗や鉢植え品を買ってきては庭に植えるのですが、冬の寒さでサザンカを過去に10本くらい枯らした経験があります。
サザンカの耐寒温度がマイナス5度くらいと言われているようですが、私の住んでいる所は、極寒期の1月2月の夜の最低気温は平年でマイナス8度~マイナス10度くらいです。年によってはこれから2~3度前後します。かなり遡ればマイナス13度という天気予報を見た気がします。
マイナス5度~マイナス10度までの、このわずかな5度の違いで、サザンカはほとんど枯れてしまうということです。それでも、サザンカが好きなので、何回も買ってきては植えてしまいまた枯らしてしまいます。過去に枯らしたサザンカを写真に撮っていたのがありましたので、このページでどういう状況かというのを紹介したいと思います。枯らしたサザンカまで写真に残しているのは私ぐらいかも知れません。
枯れる状況としては、まず葉っぱが寒さで落葉してきます。時期は2月~4月までです。春先5月頃にはほとんど葉っぱがなくなり枯れてしまいます。最初の15年くらいは防寒対策はしていませんでした。こちらでは雪による枝折れ対策の雪囲い(ゆきがこい)はしますが、南国の木を防寒してまで育てるという考えはまずありません。枯れてしまうのはしょうがないので、植えないというのが一般的かと思います。
ですが、中にはこちらでもヤシの木を植えている人もいますし、ミカンやレモンをなんとかして育てる人もいるように、私もサザンカ大好き人間なので、15年くらい前から防寒対策をしてまでサザンカを育てています。サザンカの防寒対策などは、他の庭木の雪囲いと比べれば楽な方です。
春先に葉っぱを落としたサザンカは、つい最近まで枯れてしまったと思っていました。そしてこの段階で株ごと処分していたのですが、今から考えると、この段階で株を処分すべきではなかったと思っています。最近分かったのですが、枝枯れや落葉があってもダメージがあまりひどくないものは、2、3年で木が再生してきたのです。
枯れた枝が再生するということではなく、どこかの枝の枯れていない部分から新しい枝が芽生えてきたり、新葉が展開してきて、結果として2、3年で元通りに近い樹形に戻ることがあるということなのです。詳しくは「サザンカの枝枯れ、落葉後の再生編」のページを見てもらうと分かります。
いくら再生することがあるといっても、やはり落葉はいやです。枝先から枯れるので大きくならないし、むしろ小さくなったりします。私は長年、耐寒性がある早咲きのサザンカはないのか、また、どういう場所に植えると生き残って大きく育つのかを考えてきました。
ここからは、私個人の考えになりますが、「ホーム」のページでも書いたとおり、葉っぱの緑色が濃くて、ツバキのように厚くて硬いのが、こちらでも生き残っているサザンカが多いという感じをしています。ですがこれも全部という訳ではなく、あくまで私が感じている傾向です。
マイナス10度まで耐える早咲きサザンカの品種を探すか、または個体を探す。それにはやはり傾向というのも無視できません。または、雪国で生き残っているサザンカの枝をいただいて、接ぎ木や挿し木をするのもいい方法です。ですが、これも幼木のうちは耐寒性があまりないです。
それから、二つ目に大事なのは植える場所です。いかに寒風が避けられる場所で、日当たりの良い所に植えられるかです。三つ目は「サザンカの好きな環境」のページにも詳しく書きましたが、根っこの状況を考えることです。
根っこの部分だけ日の当たらない所に植える、または根っこの半分くらいが、アスファルトとか石とかの下に、成長とともに、もぐり込んでいける場所に植えるのもいいと思います。この「成長とともに」という所が大事です。そしてこれらのこともあくまで傾向です。でも、サザンカはアルカリ性の土壌を嫌うので、アルカリ性のアスファルトやコンクリートで根の全部を最初から覆ってしまうのはダメだと思います。
雪国でサザンカを育てるのは非常に厳しいですが、サザンカのことを知れば希望はあります。事実、こちらでも生き残っているサザンカがあるので、それらを参考にするのが一番です。
下の写真3件は、枯れる前の姿と、春先に枝枯れ落葉してしまった時の写真です。比較できる画像が残っているのは3件だけでした。春先に、写真のように葉っぱがなくなったサザンカを見るのはかなりがっかりします。葉が落ちる時は、2月頃から木の根元に葉っぱがたくさん落ちていますので、それを見ると、あーあ、となります。
雪国に住んでいる人で、サザンカの苗を植えて枯らしてしまった人というのは多分いっぱいいると思うのですが、温暖な地域の木なので寒さに耐えられなかったんだなあ、と思って終わりだと思うんです。
それを何回も繰り返す私みたいな人はほとんどいないと思うので、こんなマニアックなサイトを作っている分けです。
逆に暖かい地方の人は、冬の寒風で葉っぱが落葉して枯れてしまうということはないと思います。地植えしたらそのまま大きくなるのが当たり前で、病気などにやられなければそのまま育つ。これは私からするとうらやましい限りです。
でも私はサザンカ大好き人間なので、この早咲き品種の耐寒性が少しだけ勝るとか、どういう場所に植えて、どういう環境だと寒さから守られるだとかを熱心に考えています。
サザンカを植えている庭には、とにかく色々な草花が植えられていて、夏になると主にアゲハ蝶の蜜源の花になります。アゲハ蝶は1~2mくらいの高い所を飛ぶので、背の高い蜜源の花を植えています。背の低い蜜源の花は台の上にのせて高くしてあります。夏はアゲハ蝶を見ているのが一番癒されます。下段は切り花用のシャスターデージーと、食草のカラスザンショウに産卵に来たナミアゲハです。