SASANQUA・サザンカの耐寒性について
SASANQUA・サザンカの耐寒性について
サザンカの耐寒温度がマイナス5度くらいと言われる中、私が住んでいる山形県の小さな街の極寒期1月2月の最低気温は、平年でマイナス8度~マイナス10度くらいなので、何もしなければ落葉して枯れてしまいます。
30年くらい前からサザンカの苗木を地植えしてきて、過去に冬の寒さで10本くらい枯らした経験があります。そのため、マイナス5度~マイナス10度間の温度差5度を埋めるには、ほんの少しでも耐寒性があるサザンカの品種や個体を探す必要があるし、日当たりが良く、かつ冬の寒風が避けられる場所に植えることも重要で、今後、根がおかれる状況も考えて植える必要があります。
そして、降雪地域でサザンカを育てるには若木のうちは防寒も必要になります。そんな中で私は長年サザンカの耐寒性について考えてきました。
15年くらい前のことですが、私が住んでいる小さな街で、10月11月頃に車で辺り一帯をぐるぐる回って、大きく育ち生き残ったサザンカを、大体ですが20本くらい見つけることができました。その時に感じたことは、葉っぱの緑色が濃かった印象があるのです。触れるものは触ってみましたが、厚くて硬い葉っぱが多かった印象です。ツバキはサザンカより耐寒性があって、葉っぱは厚くて大きくて硬いですが、私はサザンカを見る時、実際触ってみてツバキみたいに厚くて硬いと嬉しくなります。
よく生垣に使われるという、勘次郎、立寒椿、サザンカ立寒、紅サザンカ等と呼ばれる紅色の花が咲くサザンカは、こちらでも大きく育っているのがいっぱいありますが、12月以降でないと咲かないので、咲いているのを見つけるのは困難です。12月中旬くらいになると雪が降ってくるので、サザンカどころではなくなるのです。
これらのサザンカは春サザンカでもないのに、雪が解けた3月頃に咲いているのが実態です。サザンカは木枯らしが吹く季節に咲くのがいいので、私は早咲きのサザンカの耐寒性にこだわってきました。
このページは画像が多くなり、全部貼り付けるとページが重たくなるので、下線がある文字列にgoogleドライブに保存してある大きい画像をリンクしましたので、クリックして開いてみて下さい。
話は少しそれますが、私の庭のサザンカの新梢が伸びて若葉が展開してきました。こちらでは早春に葉っぱを落として枝が枯れたりするので、若葉が展開してくると嬉しくてたまりません。周りにあるサザンカの様子も写真に撮ってきたので、少し紹介いたします。葉っぱの色の濃さを見てもらいたいと思ったのですが、若葉なので写真で比較するのは難しそうです。
こうして写真を撮って周っていると、私の家のピンクの早咲きサザンカのように寒椿系の立木性と思われるものと、寒椿系でも横張りが強いのもあります。また、山形市の霞城公園にある立木性のサザンカ系があるのも分かります。
山形市の霞城公園北門手前にあるサザンカ系の立木姓のサザンカ2025.5.29日
3月に見に行った時には葉っぱがいっぱい落葉していましたが、問題なかったようです。私が知る限りサザンカ系で一番大きな木です、高さは4mくらいあります。広大な公園の周りが住宅街とはいえ、風当りも強そうなこの場所で、なぜここまで大きく育つことができたのかを考えてしまいます。私は、公園と名の付く場所に早咲きサザンカの大木があるのを、この霞城公園しか知りません。こういう点から考えて、私からすると早咲きのサザンカ系で疑問符が付く珍しさNO.1の木です。
家からわりと近い街道沿いにある、サザンカ系と思われる立木姓のサザンカ2025.5.31日
10月頃にピンクの花が咲き一番の早咲きです。高さは4m近くあると思います。西側と北側の風がほとんど遮られ、東側道路向きに植えられています。
家からわりと近い所にある、寒椿系と思われる横張り性が強いサザンカ2025.6.2日
こちらも10月頃に白地に縁に淡紅ぼかしが入った花が咲きます。怪童丸みたいな花です。このサザンカも一番の早咲きです。高さ横幅とも3mくらいあります。西側と北側の風がほとんど遮られ、東側道路向きに植えられています。
去年ホームセンターで売れ残って安売りしていた、サザンカクレオパトラ2025.6.4日
今年の春に地植えしましたが、まだ固まっていない1年生か2年生と思われる枝が、ゆらゆらと4本くらい立っていて、その長さが1m近くあるので、伸び方が異常なサザンカだと観察しています。高さは1.7mです。去年秋に1500円で安売りしていたのを買ってきました。
少し前置きが長くなりましたが、ここからは私個人の考えや思いになります。根拠などもありません。実は去年の冬から実験みたいなことをしていました。このサザンカは耐寒性があるのではないかと考えた二つの鉢植え品を、冬季間屋外に置いておきました。こちらでは、早咲きサザンカの小さな鉢植え品を屋外に置いておくと、ほとんど落葉して枯れてしまいます。マイナス10度の寒風には耐えられないのです。
一つは2023年秋に買ってきた「初日の出」という鉢植え品です。葉っぱがツバキのように厚くて硬くて、私からすると理想の葉っぱをしているのです。次の項目の中で出てくる緋の袴の葉っぱの厚さの約2倍で、0.67ミリもありツバキの厚さ0.7ミリに近いです。でも初日の出は11月には咲かなくて12月になってやっと一輪咲き始める遅咲きなので、今後育てるつもりがなく、屋外に置いておきました。
参考までに、家にあるピンクの早咲きサザンカも、硬くてつやつやしている所が椿の葉っぱに少し似ています。
もう1鉢は、2023年春に挿し木をした赤花一重のサザンカ2鉢の内の小さい1鉢です。この親株は少し遠い所にあって、こちらで大きく育っているのですが、写真を撮っていないのです。しかし、この親株と同じ品種と思われる小さなサザンカが、私の家のわりと近くにあります。これです。
このサザンカを私は10年くらい観察していました。ですが、このサザンカも今年の春に見に行ったら理由は分かりませんが根元から切られていました。近年まで咲いていたので残念です。たぶん枯れたのではないと思っています。
↑上の、根元から切られていたこのサザンカと2023年春に挿し木した赤花一重のサザンカは、葉っぱの色や、花の色・形も同じで、立ち姿もそっくりなので、私は同じ品種だと思っています。両方とも緋の袴とそっくりな花をしていますが、この二つのサザンカは葉っぱの色が緋の袴より少し濃いです。立ち姿も違います。そしてなにより緋の袴と違い、この画像のとおり、冬に防寒もされていないのに早春に葉っぱがほとんど落ちません。
晩秋に日陰になるのに、花もちゃんと咲きます。2024年春に接ぎ木した方の同じ赤花一重の1鉢は、画像のように根元から枝がいっぱい出ている所など、立ち姿がもう既に似てきました。
冬季間屋外に放置したこの2鉢は、やっぱり私が思ったとおり、2鉢とも今年の早春に落葉がほとんどありませんでした。それなりに耐寒性があるのではないかと思います。「挿し木した赤花一重の拡大画像」
もう一鉢実験したいサザンカがあります。去年2024年秋に園芸店から購入した紅牡丹というサザンカがあるのですが、11月に桃花の花を咲かせていたし、この画像のように葉っぱの緑が濃くて、厚くて硬めの葉っぱをしていて、すごく気に入っています。先端の芽を穂木にして、現在接ぎ木をしている途中なのですが、冬になったら今年はこの鉢を屋外に放置して、落葉するかどうか実験してみたいと思っています。
もう一つのことは、サザンカ緋の袴のことです。今年2025年早春に緋の袴の葉っぱが半分くらい落葉して、またしてもカラカラになっていました。この画像のように極寒期のうちから株元に落葉が見られたので心配していましたが、春に不織布を解いてみると落葉がひどいです。
葉っぱの厚さは耐寒性に関係があるのかどうか、実は画像のとおり、3月くらいから周りにあるサザンカの葉っぱの厚さを測っていました。そうしたら、緋の袴だけ極端に薄いのです。このことは耐寒性がないことに関係しているのでは?と疑っています。耐寒性が厚さに比例しているとは思っていなくて、あくまで可能性です。
緋の袴は今年の春に株ごと処分しました。処分した理由は色々あるのですが、一番は耐寒性がないサザンカをいつまでも面倒みても報われないし、次に控えているサザンカもいっぱいあるのでそうしました。
耐寒性の深掘りと言っても、学者でもないのでこの程度しか思いつきません。自由研究レベルにもならないようです。「この二つのサザンカの内、どちらかあげるから、どっちを選ぶ?」と私が聞かれたら、葉っぱの緑が濃くて、厚くて硬い方を私なら選ぶ、というくらいです。
あと、余談ですがサザンカの葉っぱと椿の葉っぱを日に透かしてみたら、違いが分かりました。この画像のようにツバキの方は、白い葉脈が浮かびあがりますが、サザンカは葉脈が浮かびあがりません。
サザンカを植えている庭には色々なものが植えてあり、夏はバタフライガーデンを目指しているので、アゲハチョウが好きな花が中心になります。この家にくるアゲハ蝶はほとんどナミアゲハとキアゲハです。一番好きな花はバーベナ・ボリナエンシスとアガスターシェ・ブラックアダーの薄い青紫の花です。同じく薄い青紫のブッドレアにも止まります。同じブッドレアでも低木の園芸品種にはほとんど止まりません。
オレンジのオニユリも大好きです。あとはピンクの百日草や青紫のペチュニアも止まります。黄色とか白の花には止まりません。アゲハ蝶は紫外線を利用して蜜のありかを見ているらしいです。同じ花でも改良した園芸品種などは蜜が少なくなるようです。アゲハ蝶は一瞬でわかるみたいで、きれいな濃いピンクのコスモスでも背の低い園芸品種は素通りします。