SASANQUA:雪国でのサザンカ枝枯れ、落葉後の再生編
SASANQUA:雪国でのサザンカ枝枯れ、落葉後の再生編
雪国における早咲きのサザンカの地植えで、冬期間の寒風により枝が枯れたり、早春に落葉する件の話をしたいと思います。庭に地植えしている早咲きのサザンカが、極寒期の1月、2月を過ぎた頃、枝枯れと同時に葉っぱの大部分を落としてしまったものが、6月前後の頃に再生してくる件については驚きです。
枯れた枝が復活するという意味ではなく、落葉して枯れたと思っていたのに新葉が展開してきたり、一見枯れたと見える枝の実は枯れていない部分からや、枯れた枝の基部、または別の場所から新しい枝が伸びてくるということなのです。表現上、言葉が長いので再生という表現にしています。実際どこから枝が伸びてくるのかは、この時点では非常に難しいです。
私は30年以上も庭木の世話をしてきたのに、常緑樹の冬越しのことが分かっていませんでした。寒さに耐えられる限度を超えた時、生き残るために葉を落とすということなのでしょう。サザンカの場合、それがぎりぎりで戦っているため、枯れてしまう枝もでてくるということなのだと思います。
かなり以前に、ALEX L.SHIGO著の「現代の樹木医学(要約版)」という本を読んでから、樹木のことは少しわかった気になっていましたが、私も全然ダメです。
まず前段の話として、我が家のキンモクセイが早春に葉を落としていても、20年にわたり5月6月に毎年新葉が展開してくる件は、「サザンカの防寒対策」のページの中で「我が家のキンモクセイの耐寒性が増した話」として記載しましたが、キンモクセイの場合は、早春に葉が落ちていても、新葉が展開する薄緑の葉芽がいっぱい枝に付いているのが見えるので、何も心配していませんでした。
この木に20年くらい付いているマルカイガラムシを竹串で取るのに葉がなくて便利なくらいでした。ちなみに、憎きマルカイガラムシとはこいつです。 消毒なんて効きません。
ですが積雪地域でのサザンカの場合、極寒期に葉っぱは落ちて、春に芽吹くはずの葉芽も茶色くなっているのです。上から1m近く枝が枯れる場合もあって、葉っぱが残っている節まで枯れていると考える訳ですが、頂上に葉っぱが一枚ついているだけの枝もいっぱいあるし、どこまで本当に枯れているのかという境界がはっきりしないのです。
そのため、8割がた葉が落ちたものはあきらめて、この段階で株ごと処分していたのです。ところが、何年か前に8割がた葉が落ちたピンクの早咲きサザンカと、緋の袴を処分するのが面倒でそのままにしていたら、6月前後に主幹からや、枯れたと見えている枝の実は枯れていない部分のどこかから、新しい枝が芽吹いてきたのです。
常緑樹なので、木は葉っぱが落ちた枝は根元まで枯れているとずっと思っていたので、びっくりです。
岐阜県から購入したピンクの早咲きサザンカです。左から2枚目の写真では、葉っぱはほとんど落ちているし、枝や、かすかに残った葉も、そして花芽も葉芽もみんな茶色になってカラカラになっています。ほぼ枯れているとしか見えないし、これが再生してくるとは思いませんでした。常緑樹ですし。左から右に時系列的に写真を横に並べてみましたのでそのよう見て行ってください。
私の家のわりと近くでいつも通る道沿いに、根元の直径が20cmくらいある大きなサザンカが2本あって、この大木も同じ年の春に葉っぱが半分以上カラカラになっていて、ああやっぱり大木もだめなのかなあと思っていたのですが、今では元どおりになっています。
2018年の極寒期の1月2月は多分かなり寒かったのでしょう。地植えしたものだけではなく、鉢植え品もほとんど枯れてしまいました。接ぎ木したこの桃花一重のサザンカも前年には背丈付近まで伸びていたのですが、地上50cm付近まで枯れてしまいました。しょうがないので、そこでブツっと切断したのですが、そこからまあまあ順調に伸びていくことになります。枯れた鉢植え品の画像
桃花一重の接ぎ木サザンカ。2018.6.9日。
接ぎ木4年目の春に地上50cm付近まで枯れてしまったので、その個所でブツっと切断しました。
この時点で半ばあきらめかけたのですが、その後、まあまあ順調に伸びていきます。いずれ、いつかの時点で芯止めしなければ間延びした感じになるので、結果としてタイミング的に良かったと思います。
雪国でサザンカを育てるのであれば、枝枯れする年があっても、新しい枝が芽生えてくる6月、7月まで待った方がいいと思います。
新しい枝葉が全部出そろってから、枯れている所まで剪定しても遅くないです。剪定した切り口には塗布剤をぬった方がいいと思います。私は「樹木の味方」という塗布剤を20年くらい使っています。切り口のカルス形成に関して絶大に信頼している商品です。
それから、冬の間外に置きっぱなしの鉢植えをだいぶ枯らした経験があるので、小さい苗木は少し大きくなるまで、冬には建物の中に入れて鉢植えのまま数年育ててから地植えした方がいいと感じています。それでも枯れる時は枯れます。
私も車庫に入れているのがいっぱいあります。車庫は寒くて0度くらいになっていると思います。
サザンカを植えている庭には、とにかく色々なものが植えてあります。春は山野草や切り花になる花もいっぱい植えています。夏はバタフライガーデンを目指しているので、アゲハチョウが好きな花が中心になります。キアゲハがセロリの花に産卵しにやってきました。オニユリの花の蜜もおいしそうに吸っています。最近知ったのですが、垂れ下がっている花粉の所ではなく、花の黒い点々の所が蜜源みたいです。下段は夏の定番のピンクのサルスベリと、切り花用の小さい花のひまわりです。