SASANQUA:サザンカの挿し木、サザンカの接ぎ木
SASANQUA:サザンカの挿し木、サザンカの接ぎ木
サザンカ(山茶花)の挿し木はうまく管理すれば、9割がた根がでますし接ぎ木もできます。椿の台木はサザンカを使うのですが、サザンカにサザンカも接げるのです。ですがあまりネットに書いているのはありません。
椿を接ぎ木する時は、勘次郎や立寒椿、紅サザンカと呼ばれるものを台木として使いますが、私は気に入ったサザンカを穂木として接ぎ木する場合は、この立寒や紅サザンカを台木に使います。
花は11月には咲きませんが、こちらの雪国でも生き残っているのがたくさんあるので、たぶん耐寒性が少しあるのではないかと思っているのです。そして、その系統を少しでも引き継いでもらいたいと考えて使っています。花の色や咲く時期は穂木から引継ぎます。
なぜ、簡単でいっぱい作れる挿し木ではなく面倒な接ぎ木かというと、生長のスピードが全く違うからです。感じとしては3~5年分くらい先に大きくなります。
サンカ:スターNスプライト。2014.11.23日。
サザンカ立寒を台木に2012年春に接ぎ木したもの。三角接ぎ。この鉢はこの冬に外に置いていたら寒さで枯れてしまいました。
サザンカ:桃花一重。2015.4.16日。
わりと近くにあるお宅の、おじいさんから分けてもらった枝を、葉芽と葉を一枚つけて三角接ぎしてみました。サザンカ立寒を台木にしています。約2か月で芽吹いてきました。
三角接ぎは穂木と台木の三角部分の大きさをぴったり合わせるのが難しいです。穂木の削った三角部分の寸法をノギスで測って、台木に印をつけてから削らないと合いません。
サザンカ:桃花一重。接ぎ木1年目の秋2015.9.3日と2年目の秋2016.11.2日。
2年たつと背丈近くになります。
サザンカ:桃花一重。接ぎ木4年目の春の2018.6.9日と5年目の秋2019.10.6日。
前年は背丈まで伸びていたのですが、冬に外に置いていたらほとんど枯れてしまい、根元まで短くなりました。半ばあきらめていましたが、翌年にはかなり再生してきました。
下の写真3枚は、桃花一重の枝を、わりと近くにあるお宅のおじいさんから分けてもらって、挿し木したものです。挿し木は比較的簡単で、半日くらい水を吸い上げさせたあと、発根促進剤のルートンを軽くつけて挿すだけです。
後は直射日光が当たらない明るい日陰で、じょうろとか霧吹きなどを使い水を切らさないように2、3週間管理したあと、様子を見ながら徐々に日に当てていきました。その後も水やりは続けました。
接ぎ木の場合は前年伸びた枝の充実した葉芽が付いている所を穂木にしますので、4月頃にやるのですが、挿し木の場合は、当年伸びた枝を使うので、6月、7月頃の梅雨の時期になります。
余談の話ですが、おじいさんから枝を分けてもらったこの桃花一重の親木ですが、3年後くらいに家の前を通った時、道路拡張かなんかで、なくなっていたので、おじいさんがさびしいかと思い、挿し木して成長した1鉢を自転車のかごに付けて持っていった記憶があります。
サザンカ:桃花一重。2015.6.6日。
わりと近くのおじいさんから枝を分けてもらって、いっぱい挿し木しました。
サザンカ:桃花一重。2015.7.29日。
一本抜いてみたら根っこが出ています。
サザンカ:桃花一重。2015.10.21日。
ほぼ全て生きていました。花も一つ咲いています。
赤花一重のサザンカを2023.8.2日に当年伸びた枝の芽を試しに8月に接ぎ木したもの。2024.5.12日、2024.6.13日。
三角接ぎしたものです。翌年の6月に葉が展開してくるまで、葉っぱ1枚のまま全く伸びることもなく、冬を室内で越しました。
赤花一重のサザンカを2024.4.23日に接ぎ木したもの。2024.4.26日、2024.7.25日。
三角接ぎしたものです。葉が展開するのがちょっと遅くて3か月かかりました。
全部赤花一重。2024.9.25日。
左の2鉢が左の写真2枚の接ぎ木したものの、その後です。右の2鉢は2023.6.14日に挿し木したものです。
見た通り、接ぎ木は成長のスピードが全く違います。
趣味で、今年2025年4月頃に接ぎ木をするのに、去年の秋に立寒と紅サザンカの台木を5鉢買っておいて車庫に保管しています。穂木もメルカリで5ポット買っています。ですが穂木があまりにも細く小さいので三角接ぎができる自信がないのです。
この写真のように、つまようじよりも細いのです。つまようじの1.3倍くらいあるとできるのですが、この細さの形成層は本当に薄いのです。穂木の形成層の面積を大きくできないと思い、今海外のUチューブで別の接ぎ方を研究中です。
成功したらアップします。失敗したら恥ずかしいので載せないと思います。三角接ぎの仕方はネットで検索するとでてきます。
左がサザンカ立寒、右が紅サザンカ。2025.3.12日。
車庫で冬の間眠っていましたが、今頃花が咲いてきました。どちらもこちらのホームセンターで、この名前のタグがついていました。
2025.3.21日。
この両サザンカは、4月に接ぎ木の台木にしようと、車庫で保管していたものです。
花の形は98%同じだと思います。色は紅サザンカの方がピンクが入っているように見えます。葉っぱはサザンカ立寒の方が緑が薄いです。
この紅サザンカ類は私は生産者ではないので、区別のしようがありません。
いつの間にか保管していた穂木側の芽が少し膨らんできたので急いで5本接ぎ木したのですが、その内の1本は接ぎ木したあと穂木の芽をぶつかって折ってしまったのでダメにしました。そのため、4本中1本が三角接ぎで3本が海外接ぎ木Uチューバーたちがやっているのを参考にして接ぎ木してみました。成功するかどうかはよく分かりません。詳しくは穂木が伸びてきたら、別に1ページ作る予定です。今回は3枚だけ写真アップしました。
サザンカを植えてある庭には、山野草や切り花になる草花、そしてアゲハ蝶が好きな花などを植えていますが、とにかくいっぱい種類があって自分もよくわからなくなります。下の画像はアゲハ蝶の蜜源に鹿子百合、切り花用にスターチス・ダズルロック、下段は今年初めて黒いアゲハがやってきました。去年も2回ほど見かけたのですが、写真には撮ることができませんでした。今年は写真をいっぱい撮れました。調べると、多分ミヤマカラスアゲハのメスだと思います。