ディナーテーブル症候群

家族団らんに参加できないろう者の経験をもとにした現象学的研究

寄せられたコメント

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那須 英彰 氏

 このような研究はこれまでに見た事がなく、画期的で素晴らしいと思いました。ろう学校、デフコミュニティなど広く展開して効果を発揮できればもっとデフコミュニティの発展にも繋がると思います。確かに私も13歳までは同じ境遇でした。当時は山形に在住しており、山形県立山形ろう学校に通学していました。疎外感を意識し始めたのは小学1年の時だと記憶しております。夜の家族団欒にはついていくことができず、常に疎外感がありました。疎外感を感じていることを忘れるために、テレビでアニメ、プロ野球の試合、洋画、プロレス等を見たりして、退屈さを紛らわせたり、やり過ごしたりしていました。尚、近所の子供たちとの野球や缶けりなど遊びのあとのコミュニケーションはみんな筆談に協力してくださったので、差別を受けた感覚や不快感はありませんでした。ろう学校内やバス、電車内での先輩や後輩との手話語らいを沢山した経験から、情報量は手話での語らいの方が口話での語らいよりも情報量が多く、大きな収穫があったのは言うまでもありません。 また、研究を見て、幼少のときのこうしたディナーテーブル症候群による心理的影響が成人になって、聴者の輪に馴染めない、聴者たちとの談話に恐怖を感じることなどもあるのではないかと思いました。14歳の時、国立のろう学校に編入学して、6年間ずっと寄宿舎生活をして先輩や後輩たちと手話での団欒をして楽しかったです。手話での団欒が思考力を養うので、大事だと思いました。