オーディズム

形而上学から見る抑圧の探究

ダークセンLバウマン氏 H-Dirksen L. Bauman, Ph.D.

H-ダークセン・バウマン(2004)オーディズム:形而上学から見る抑圧の探究『ろう者学・ろう教育誌』9 (2), pp.239-246.

前文

近年のろう社会界隈において、「オーディズム」が知られるようになってきました。この「オーディズム」の概念は1975年に、ろう者であり研究者であるトム・ハンフリーズによって提唱されました。しかし、1990年代に心理学者のハーラン・レインの「善意の仮面」にて脚光を浴びるまで、長らく注目されてきませんでした。その後、オーディズムにはいくつかの次元があるとされ、代表的なのが個人的オーディズム、組織的オーディズム、2004年に発表された本論文で取り上げている形而上的オーディズムです。個人的オーディズムは、個々人による差別発言や行動、組織的オーディズムは組織や法制度などによる差別行動や体制を指します。これらの根源にあるのが形而上(イデオロギー的)オーディズムと言われており、本論文ではオーディズムのルーツについて、哲学的、歴史学的思想を用いて洞察しています。社会に深く根付くオーディズムの正体の理解の一助となるよう、取り上げました。本プロジェクトが、皆様の新たな視点の醸成に貢献できたら幸いです。

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※本翻訳プロジェクトは、文部科学省研究費補助金「ろう者学の知見を反映したソーシャルワーク教育に関する実証研究(研究代表者:日本社会事業大学付置研究所 高山亨太)」により実施されました。