オーデイズム

形而上学から見る抑圧の探究

日本語訳要旨

本論文では、1970年代半ばに提唱された「オーディズム」という概念の展開について、個人、組織、形而上という三つの異なる抑圧次元から探究する。個人、組織という二つの側面についてはすでに明らかにされつつある一方で、言語とアイデンティティに深く根差した信念体系については、オーディズムとの関連においてまだ十分な考察がなされていない。そこで、本論文では、フランスの哲学者ジャック・デリダ(Jacque Derrida)の言う「音声中心主義」が、言語と人間の存在に関する歴史的・哲学的思想を通じてどのように構築されてきたかに迫る。デリダはオーディズムについては論じていないが、西洋における「言語」の概念の脱構築は、個人的・組織的オーディズムがはびこる土壌となっている志向(信条や態度)をよりよく理解するための視点を提供している。

オーディズム論文_日本語版最終版.pdf
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プロジェクトチーム

監訳・翻訳

山下 恵理 皆川 愛 高山 亨太

手話翻訳

根本 和徳 久保沢 寛 皆川 愛

訳文・日本語チェック協力

森 亜美 杉山 安代

※本翻訳プロジェクトは、文部科学省研究費補助金「ろう者学の知見を反映したソーシャルワーク教育に関する実証研究(研究代表者:日本社会事業大学付置研究所 高山亨太)」により実施されました。