コンセプト

「人間とは何か?」研究会設立趣旨と方針についてご紹介します。

「人間とは何か?」研究会について

設立背景


「人間とは何か?」という問いには、多くの人を惹きつける魅惑的な響きがあると思います。これまでに主に人文社会系において多く議論されてきたと考えますが、では実際に、「人間とは何ですか?」と問われた際に、どんな分野からも「そうだ!」と納得するような答えはあるのでしょうか?ある哲学的な視点では、ある文化人類的な視点では、ある発達心理学的な視点では、個別の答えがあるかもしれません。しかし、あらゆる学問領域やあらゆる人が納得するような必要十分で根源的な答えには、まだ誰も辿り着いてはいないのではないでしょうか。

特に、「人間とは何か?」について真剣に考えようとしたとき、既存の学問領域の中ではなかなかジャストフィットするような分野がなく、それゆえに、自分たちでコミュニティをつくる必要がありました。

本研究会ではこのような現状に問題意識を持ち、また、様々な学問領域と多様な知見を俯瞰的に眺めることを通した究極的な答えを探究するシステムとして、これを叶えることを志して研究会を設立しました。

目標


本研究会の目標として、「人間による人間のソウゾウ」を一つのみちしるべとして掲げて活動したいと思っています。

「人間とは何か?」を探究して答えを見つける際に、何がどうなれば見つけたこととなるのか、その指標がないと道に迷うことになります。このような場合の一つの方略として、〇〇がわかったということを客観的に把握するためには、その「〇〇を実際に創れるのか?」という点が明確な指標となることが多くあります。そこで仮の目標として、「人間がどんなものであるのかたくさん想像しながら、実際に人間を創造する(ことができるくらいに十分な理論構築を図る)」ことを掲げて挑戦してみたいと思います。

このことを前提とすると、現代でも既に計算機や外部記憶システムにおいては人間を圧倒する機械が存在していることから、将来人間が人間を創造できる際には、その人工知能体は人間を凌駕する知能を持つものと考えられます。これは人間よりも賢い知能を生み出せるようになる時点=シンギュラリティ(技術的特異点)を迎えるとも換言でき、レイ・カーツワイル氏的には2045年がその時点であろうという予測に則り、以下のようなビジョンを描きました。

図に表したように、研究会の方向性として、神経メカニズムや機械への実装を想定できるような次元で議論をしていきたいと考えています。しかしながらまずは幾多の多様な学問領域からの膨大な知見の整理と、仮説としての統一理論を構築する必要があり、特に現状この次元での異分野融合的議論がうまくいっていないことがすべてのボトルネックとなっている可能性を懸念しています。そこで、セミナーでの議論では人文社会系のエッセンスも重視した内容からスタートさせる見込みです。

基本方針

できる限り、議論を前に進める

・「人間の理解とその応用」に向け建設的な議論を目指す

・ただし同時に、好奇心ドリブン的な、発散的な発見の場としても機能させ、遊び心を忘れない


異分野間の交流を促進する

・みんなで共調的に、「共創のあり方」や「共創的な議論とコミュニケーション」について模索する意識を持つ

・通常の学会のような堅い雰囲気ではなく、研究仲間を探すような和やかな雰囲気で実施する

間違いがあっても互いに許容する

・分野の異なる者同士であるため、発表する際には可能な限り、他者にわかりやすく説明するとに努める

群盲像をなでる

研究者はそれぞれに自分の興味に沿った視点からものごとを観察しますが、「人間とは何か?」というラスボスへの本質的な理解のためには、すべての研究者の英知を結集させて、しかも円滑なコミュニケーションができる共同体を形成しながら立ち向かう必要があります。

それぞれの興味を狭く深く切り込む発散の次元と、切り込んでわかったことの皆での共有および建設的な議論の次元と、これら2つの次元をうまくコラボレーションさせたいと考えています。

(画像はこちらhttps://kao-space.com/support/part5/からお借りしました)

活動内容

・運営費捻出のためのクラウドファンディング活動

・定期的なオンラインセミナーの開催

・「人間とは何か?」に関わる幅広い知見の統合

・「人間らしい行動や現象などの各論」「人間らしさの定式化としての総論」に関する、コンペ形式での募集(予定)

・総説や書籍などの執筆活動(予定)

・読書会などのテーマ別交流(予定)

・オフライン会場での研究会(予定)

・その他