令和5年9月定例会 答弁要旨

【北陸先端科学技術大学院大学との産学官連携について】  


質問>企業誘致において、能美市の強みの一つである先端科学技術大学院大学との産学官連携について、これまでどのような産学官連携を進められてきたのか。また、北陸先端科学技術大学院大学修了生(留学生)の能美市における就職の現状はどうか。


答弁>産学官連携を推進するため、商工会主催の産学官金意見交換交流会における連携、JAIST主催の産学官金マッチングイベント「Matching HUB Hokuriku」における市内企業への出展支援のほか、事業承継の支援、IoT、AIの推進、SDGsの推進など様々な連携機会の創出により、産学の相互理解と連携強化に努めてきた。最近では、小松マテーレ株式会社が、環境負荷軽減効果のある糸加工技術をJAISTとの共同研究により開発しておりますし、機械設計を手がける有限会社ジータは、Matching HUBへの出展が契機となり、市内企業を含めた幅広い事業者との連携に取り組んでいるなど、新産業の創出や新分野での取引拡大に一定の成果を収めている。

 外国人留学生の進路状況では、ほとんどが県外の研究機関等が就職先となっており、市内企業への就職の実績は確認できない。


中村発言

 修了生の就職については、個々の希望や条件、事情などがあり、必ずしも能美市での就職につながらないこともあるかとは思いますが、できれば、ここ能美市で学んだことが生かせる場面が増えることを期待しています。


【能美市の企業誘致戦略について】


質問>急激に社会状況が変化する中、これからも地域間競争を勝ち抜いて企業誘致を進めるための戦略について、市としてはどのように考えているか。


答弁>企業の立地環境の特性を踏まえ、まずは企業誘致の対象とする業種を多様化する。多様な業種を誘致し働く場所の選択肢を増やすことで、文系学部出身者や女性、さきのご質問にもありましたJAIST修了生等の就業ニーズの改善効果が期待できる。また、業種を超えた連携を推し進めることで次世代産業の創出や振興にもつながり、地域の活性化や移住・定住へと結びつくような戦略的企業誘致を展開する。

 一方で、好調な企業誘致における課題は、やはり人材確保である。石川労働局との雇用対策協定を締結や、都市圏へのプロモーションを通してUIJターンを促進し、各種の支援制度と併せ、誘致企業、既存企業、双方の人材確保に努める。


中村発言

 企業誘致の対象が多岐にわたり、またグローバル化も考えるとき、今までの企業立地政策の中心を担ってきました商工労働部と各部署、例えば医療、介護、観光など、全庁が一丸となって高いアンテナを張り、情報や協力をする体制が必要だと思う。

 

【働く子育て親の環境について】


質問>男性も長期間の育休取得を希望しやすくするための職場環境づくりをどのように考えているか。


答弁>男性の育児休業の取得を促進するため、庁内掲示板には育児休業の制度や取得までの流れなどの各種資料を掲載し、職員への啓蒙と情報提供に努めている。今後も取得の呼びかけと情報提供に併せ、育児休業取得も含め様々な課題や、職員の希望に沿った対応ができるよう、風通しのよい職場づくりに努める。


中村発言

 育児休暇を取得するか否か、またどのような形で取得するかは、おのおのの家庭の環境により異なると思いますが、男性も長期間の育休取得を希望しやすい環境は整えておくべきと考えています。


【女性職員の育児休暇取得後の復帰サポートについて】


質問>女性職員が育児休暇後に、速やかな職場復帰がなされるよう、育児との両立や、キャリアアップに対する支援としてどのような配慮がなされているか。


答弁>育児休業から復帰後、育児部分休業を活用する職員も多くおり、柔軟な働き方を実現し、子供の成長や家庭の時間を大切にしながら、仕事と育児双方にバランスよく注力できていると感じている。また、育児休業復帰の際には、これまで培ったキャリアを生かせる業務に携わることができるよう配慮している。


中村発言

 育児休暇明けの時短勤務は、育児との両立に大変ありがたい制度と思っています。しかし、育児休業後、職場に戻れば、やはり責任ある仕事が待っています。時短であるがゆえに、反対に仕事をこなすため無理をせざるを得ない場合があるともお聞きします。いろいろな面で子育て中の職員への配慮を引き続きお願いしたい。


【放課後児童クラブについて】


質問>来月から次年度の放課後児童クラブ利用者の募集も始まるが、利用者数の見込みと、定員オーバーする場合の対応について、市の見解を聞く。


答弁>次年度からコロナ禍前の利用人数に戻し、受入れ体制を確保したいと考えているが、根上中央放課後児童クラブについては、次年度の定員を最大の252人に戻しても、大成町を含める区域内の利用数は約280人と見込んでおり、定員を超過する。

浜小学校下の児童数は、数年前に試算した人数を上回る推移が見込まれるため、保護者ニーズや長期的な対応を見据えた検討が必要と考えている。次年度は、根上中央放課後児童クラブの運用については、根上中央児童館周辺公共施設の空きスペースの活用を視野に入れ、受入れ体制の確保及び施設等の整備を行い、放課後児童健全育成事業のさらなる充実を目指したい。


中村発言

 行政の事情ではなく、子供にとって何がよいのかということを保護者と話し合って進めていただきたい。


【備蓄状況について】


質問>能美市備蓄計画に基づき、市内何か所の保管場所に食料品や日用品を、何人分、何日間を備蓄しているのか、また、令和5年度当初予算に計上されている災害備蓄品整備費による整備内容はどのようなものなのか。


答弁>計画数量については、石川県地震被害想定調査による加賀平野の地震のデータを基に被災者数を4,200人と想定し、災害による電気や水道などライフラインの停止や流通機能の麻痺により生活に必要な物資の調達が困難な状況になると想定される災害発生直後からの3日間分を目標に整備を進めており、それらの物資を市内の大小22の倉庫に保管している。

 なお、今年度のハザードマップ更新に併せた避難所見直し事業により、これ

までの計画の進捗状況とニーズの再確認及び目標数量の見直しを行うこととしている。当初予算における災害備蓄品整備費は、消費期限対応のための更新分が中心の予算計上である。

 

【防災用品購入補助金制度を創設について】


質問>災害発生時の自助力を強化するため、土のう袋や簡易トイレなど防災用品購入に際しての補助制度を設けてはどうか。


答弁>市では、自主防災組織による水防活動や避難行動の体制を円滑に進めるため、町会・町内会が整備する防災資機材に対して支援をしているが、現状では各家庭の災害備蓄品の購入を補助する制度はない。食料品を除く生活必需品や防災資機材の購入に対する補助金については、公費による補助がふさわしいかどうかを含め、先進事例を参考に検討してまいりたい。


中村発言

 年々、自然災害の発生する頻度が高まっていると感じますし、市民の皆さんも、非常用持ち出し袋のほか、簡易トイレやストーブ、ラジオなどの準備にも気を配るようになっています。ある自治体では、在宅避難への備えを促進する目的で、防災用品の購入に対し補助金制度を設けています。災害が発生したときは、公助が届くまで自分で自分の身の安全を守らなくてはなりません。ふだんの備え、自助力の強化のため、行政のサポートを期待しています。