令和5年12月定例会 答弁要旨

【「いしかわ百万石文化祭2023」の能美市事業の実績について】  


質問>

 能美市における「いしかわ百万石文化祭2023」の実績について、期間中実施されたイベントに対する入り込み客数は、当初の見込み数と比較してどうだったのか。また、各イベントに対して参加者からどのような声が届いたか。


答弁>

 全ての事業の来場者数は、当初約2万7,000人を見込んでいたが、実績では約2万2,000人で、当初見込み数より約5,000人の減となった。主な要因としましては、九谷陶芸村まつりの来場者数が、悪天候により当初の見込み数より半減したことが影響したと捉えている、その一方で、古墳シンポジウム及びアート演出のように当初の見込み数が2倍以上となったイベントもある。

 イベント参加者からの感想としましては、期間中、会場内に設置したアンケートの結果によると、主なものとして、九谷体験ツアーにおいては「九谷作家に直接指導いただき、貴重な体験ができた」、古墳シンポジウムでは「古墳整備に力を入れている能美市に拍手を送りたい」、ディスカバリーアート展では「豊かな想像力や表現力に感心した」といった感想をいただいた。


中村発言>

 入り込み客数の中には物足りないと感じるものもあったかと思いますが、前向きに捉えれば、実施されたイベントの中には試行的な側面もあったのではないかと思っています。その成果と捉える意味でも、検証結果を今後のイベント企画に反映させていただくことを期待しています。



【能美市総合文化祭のさらなる充実について】


質問>

 拝見すると、年々、観客や出展者、出演者が、若者より高齢の方が多くなってきているように見受けますし、定型化されているような気もします。能美市総合文化祭のさらなる充実に向け、より多くの市民に共感してもらえるような新たな取組を検討してはいかがかと思いますが、この点についてどのように考えているか。


答弁>

 議員指摘のとおり、総合文化祭への出展者や出演者は定型化や高齢化が課題であり、市といたしましても危惧していますが、その一方で今回初めて参加した団体もあり、次回以降も新たな団体の参加を期待しているところです。今後は、外国人や障害のある人、若い世代の方々にも参加していただけるよう、従来からの参加の呼びかけに加え、北陸先端科学技術大学院大学や社会福祉協議会、小学生を対象としたジュニアサークル、市内の中学校や高校の部活動などへの呼びかけも検討し、新たな文化団体の発掘に努めます。


中村発言>

 今回の国民文化祭でも「次世代への継承・発展」との基本方針が掲げられていましたが、地域文化・芸術を取り巻く状況にも少子・高齢化の影響が出ていると言われています。今後、ぜひとも事業内容の充実を期待するものであります。


 

【能美市の文化行政の方向性について】


質問>

 文化行政は範囲が広く、全体を一くくりにはできないとは思いますが、一連のいしかわ百万石文化祭に関する事業についてどのような評価をし、また、それらを踏まえて、これからの能美市の文化行政はどのような点に重点を置き、取り組んでいくべきと考えているのか。


答弁>

 一連の評価としましては、今年は加賀国が誕生して1,200年の節目でもあり、この千載一遇のチャンスを最大限に生かし、九谷焼の魅力発信と次世代への継承、発展につなげたほか、古墳シンポジウム及びアート演出では、同時開催となったのみふる古墳まつりとの相乗効果により多くの来場者でにぎわった。

 また、いろんな国籍の人同士が互いに理解をし合い、多文化共生に関心を持てる機会となったほか、障害の有無にかかわらないパフォーマンスを通して、多様性の尊重、地域共生社会の実現の必要性を働きかけた。

 さらに、環境保全の大切さの呼びかけや、子供たちが新たな学びに出会う機会の提供、特産品を活用した能美の食文化もお楽しみいただいた。

本文化祭が一過性とならないよう、それぞれのイベントの意義や成果を継承、発展させ、引き続き、能美の魅力的な文化活動の推進をしていきます。

施設面においては、現在、根上学習センターの子ども宇宙科学室のリニューアル工事を進めており、能美の美しい星空を核として子供たちの豊かな心を育み、新しい文化の発掘につなげていきます。また、今後、九谷焼美術館体験館では、地元作家の手ほどきを受け、より質の高い絵つけ体験などができるようリニューアルも予定をしています。

 また、今後も能美の文化活動を推進していくため、その担い手となる市民や文化団体の活動支援を継続するほか、次世代を継承する子供たちにも、ジュニアサークル活動などを通して文化活動に親しむ機会の提供やその成果を発揮できる場の充実に努めていきます。

 加えて、生涯学習活動の拠点となる社会教育施設の維持管理と利便性の向上に努め、市民が文化活動に親しむ環境づくりにも取り組んでいきます。


中村発言>

 市長の、一過性とならない、そして今後の様々な取組の抱負をお聞きしまして、今後期待しています。私の思いとして、文化・芸術部門においては、子供たちにいろいろな分野を、そして本物を見せ、その中で自分に合ったものを見つけ、必ずしもプロを目指すということではなく、生涯にわたって楽しむことに出会える、見つけられる、そのような環境がこの能美市にあればいいなといつも思っています。



【能美根上駅東口駐車場の利用状況について】


質問>

 よく「日中は満車の状況が多くて駐車場を利用しにくい」との声を聞く。1日の利用台数や、1か月のうち満車日数はどのような状況になっているのか。また、駐車料金1日200円の設定について、むしろ安価過ぎて維持管理費等の収支に問題はないのか。


答弁>

 今年の4月から9月の半年間では、1日当たりの平均利用台数は101台、また1か月当たりの満車日数は17日であり、前年度の同期と比べると満車日数は約3倍と増加しています。 また、車が満車となる時間帯は、平日では午前8時から午後4時、休日では午前11時から午後4時に集中していること、満車となる時間は、多くの場合30分以内であることが分かってきました。

駐車場の令和4年度の収支は、利用料金収入が736万円余に対し、支出は精算機の管理委託費や維持管理費など433万円余を要している。当駐車場は間もなく整備後10年を迎える。引き続き多くの利用者に駐車場をお使いいただくために、設備機器の更新に加え、今後の駐車場整備・維持管理を想定した場合にはその財源も必要となるので、料金の改定を検討することも必要と考えている。


中村発言>

 利用度が高いということは分かりました。



【東口駐車場の混雑解消について】


質問>

 能美根上駅東口駐車場の混雑解消を希望する声に対して、市としては今後どのような対応を考えているのか。


答弁>

 時間帯を見ると、主に通勤通学に多く利用されているものと考えられる。夜になりますと、宿泊を伴う出張や旅行者と想定される長時間利用者も一定数存在し、入庫してから24時間以上駐車する利用者も全体の13%を占めている。

 また、周辺には時間貸し駐車場がないという環境を考えますと、駐車場が満車になった際には他の駐車場への案内が難しいという現状があります。

 このようなことから、利用時間によって駐車料金が変動する時間帯別料金制度を導入し、利用者が集中する時間帯の混雑緩和を図ることや、利用者数の増加に対応するため物理的に新たな駐車スペースを設けることが考えられる。

 駐車場の増設については用地の確保が必要であり、駅に隣接する町内会の皆様にご協力をいただきながら検討する。また、IRいしかわ鉄道のダイヤ改正に合わせてのみバス利用を優先する仕組みをつくることや、現在整備中の健康ロードの活用による自転車、歩行などといった移動手段の分散化を図りながら、公共交通との連携を強化し、総合的なアプローチによって駐車場の混雑解消に向けて取り組み、能美根上駅の利用促進にもつなげていきたいと考えている。


中村発言>

 いよいよ3月には、JRがIRいしかわ鉄道に切り替わる節目の時期を迎えます。最近の新聞には、金沢-大聖寺を増便するとか、津幡町までの便が新たに運行されるとか、利便性を高める情報があります。その際にも駐車場の慢性的な満車状況は電車の利用率に影響があるのではないかと懸念している。



【ワークスペースの進捗について】


質問>

 現在、駅利用促進協議会でワークスペースに必要な設備、機能について協議しているとは聞いているが、1年の4分の3が過ぎようとしているが、今年度中に設置可能なのか、現在の進捗状況はどうか。


答弁>

 能美根上駅前に新たに設置するワークスペースの整備は、11月22日に工事業者と工事請負契約を締結し、今年度中に設置が完了する予定である。

施設は、学習やテレワークができるよう冷暖房やWi-Fi設備、テーブル、椅子などを整備し、最大10名が利用可能です。また、利用者の安全面や防犯面での対策として、オートロックタイプの電子錠や防犯カメラを設置するとともに、利用に際しては会員登録制を導入するなど、安全・安心に利用していただけるよう運営する。


中村発言>

 利用が開始後、利用状況の実態把握もお願いしたい。というのは、能美根上駅利用促進協議会では、現在空きスペースとなっている駅事務室の活用策も協議されているとお聞きしている。このワークスペースや待合室「能ん美り」との使い分けがどのようになるのかと心配もしている。その意味でも、利用状況をしっかり把握し、それぞれの施設が有効に活用できるよう、利用者の声も聞きながら柔軟な取組がされることを希望します。