令和53月定例会 答弁要旨

根上総合文化会館の利用促進について 】  


 ※利用状況について

質問>ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響があったかと思うが、近年の利用状況と、これまでの一番利用が多かったときにはどのくらいの利用があったのか。


答弁>近年の利用状況は、令和3年度で会館全体の利用者数は3万9,209人、うち音楽ホールは66回利用し、利用者数は7,207人。感染症対策を施し、社会活動が再開された今年度2月末までの状況は、会館全体の利用者数は6万3,508人、うち音楽ホールは72回利用し、利用者数は1万2,214人。また、能美市制誕生後、最も利用されたのは平成24年度であり、会館全体の利用者数が13万5,520人で、うち音楽ホールは196回利用し、5万294人である。


 ※根上総合文化会館利用者の駐車場について

質問>利用者から「大きなイベントがあると駐車場がいっぱいになり困る」という声を聞くことがあるが、根上総合文化会館の駐車場が満車になることは年に何回ぐらい発生し、また、そのようなときはどのように駐車場を確保しているのか、または今後確保していくつもりなのか。


答弁>根上総合文化会館の駐車場台数は348台であり、加えて隣接する根上学習センターは110台、合わせた駐車台数は458台となっている。

 これらの駐車場が満車になる回数は、コロナ禍前の平成30年度では25回程度、令和4年度は、15回程度満車に近い利用状況となっている。

 満車が予想される場合には、あらかじめ近隣の大成保育園駐車場を活用するとともに、JA根上にご協力をいただき臨時駐車場として利用させていただいている。

 今後についても、これまで同様に近隣施設の協力をいただき駐車台数を確保するとともに、イベント開催の案内に、のみバスの利用を促す記載を行うなど来場しやすい環境を整える。


 ※根上総合文化会館の利用促進について

質問>根上総合文化会館は今年29年目となり、来年は30周年を迎える。本格的な音楽ホールを有する、このすばらしい施設の、今後の運営や施設整備の方針は。


答弁>根上総合文化会館は、音楽ホールを核に円形ホール、会議室、ギャラリーなどの機能を持った芸術・文化活動の拠点施設として平成6年10月に開館をした。タントの愛称で親しまれております音楽ホールは、可動式音響反響板を操作することで豊かな響きが要求されるクラシック音楽のコンサートの際には、704席全ての客席で迫力ある澄んだ音色を響かせることができる構造になっている。

 竣工から28年が経過した根上総合文化会館のさらなる利活用を促進するには、ハード、ソフト両面で対応に当たる必要がある。

 ハード対策として、施設の機能性、快適な利用環境の維持管理に年間1億円程度の経費で、各種設備の適切な維持管理に努める。

 ソフト対策として、人材確保や魅力的なイベント企画も必要である。人材確保では、専門知識のある職員を配置し、イベント企画では、利用者ニーズを取り込む。

 また、令和6年春の北陸新幹線県内全線開業を見据え、能美根上駅から近距離である立地条件を生かし、北陸3県の北陸新幹線停車駅周辺の文化施設で公演情報をPRする。

 さらに、能美根上駅から徒歩で安全にご来場いただくため、新年度予算に大成町地内の市道大成五間堂線に歩行空間確保のための事業費を計上した。


中村発言

 能美市民の文化や芸術に対する関心の高さや文化度は、地域の中にあるタントというすばらしい文化施設があるからではないでしょうか。そして、そんな中で地元から多くのすばらしい音楽家や芸術家が輩出されています。また、ホールの音響については高い評価を得ており、プロの音楽家のCD録音も何度かされていると聞いています。

 能美市には、特別で特色ある、また駅からも近いというすばらしい施設があります。これからの根上総合文化会館は、市民が気軽に利用できる身近な施設であるとともに、魅力ある企画や注目される番組にも力を入れ、市内の方はもとより県内、県外からも多くの人が訪れるような仕掛けづくりも大切ではないかと思います。費用面の課題もあるかと思いますが、優先順位をつけ、施設の維持管理を図っていただき、さらなる利用の促進につながることを期待しています。


【根上総合文化会館の利用促進について 】  


 地元から要望があった土地区画整理事業について

質問>平成19年に大成町内会、浜開発町内会と両生産組合長から根上総合文化会館西側用地について、地域発展のため計画的に地域を整備しようとの考えで、土地区画整理事業施行の要望書が地権者の大方の同意書を添えて市へ提出され、市からは、市街化区域への編入に対して取り組む旨の回答を得ていると聞いている。地元が要望している市街化区域への編入による土地区画整理事業を実施できる可能性があるのか、また経緯はどうなのか。


答弁>要望があった当時、市では両地区の市街化区域への編入の必要性を十分認識する一方で、都市計画制度においては市街化区域と市街化調整区域に分ける制度、いわゆる線引き制度のある都市計画区域と未線引きの都市計画区域があり、1市2制度であった都市計画を早急に一元化することが求められていた。

 このため、平成21年から都市計画の検討専門委員会や都市計画審議会などで十分な議論等を交わし、その結果、線引き制度を廃止し、まとまりを生かしたコンパクトな市街地と集落の活力を維持する土地利用制度とすることとし、平成25年から運用を始めた。

 一方、現在、この両地区へ用水を供給する手取川水系において白山頭首工が整備され、さらに上流の大日川ダムにおいては改修事業が行われており、両地区はこれらの事業による受益を受ける地区となっていることに加え、線引き制度の廃止により市街化の区域編入制度がないことなどから、現段階では農地転用による土地区画整理事業等の宅地造成についてはハードルが高い状況となっている。


中村発言

 土地区画整理事業についての地元要望の案件については、市職員の人事異動や町内会役員の交代などが行われてきた中で、当初からの経緯も含めこれまでの経緯などの状況が十分に整理されていないため質問しました。


 ※根上総合文化会館西側の都市機能の誘導について

質問>この根上総合文化会館西側は、市の都市計画マスタープランの地域別将来像で、幹線道路沿線における都市機能の誘導とあるが、都市機能とは、市ではどのような将来像を持っているのか。


答弁>当該地を含めた周辺区域は、現在、農振農用地ではありますが、先般、川北町橘から能美市福島町までの区間が供用開始された加賀海浜産業道路に接しており、今後ますます交通の利便性等が高くなることが想定されることから、将来性を鑑みて、先般、都市計画マスタープランにおいて田園地区から一般住宅地区に土地利用方針を変更し、移住・定住の受皿として利活用の促進を図る地区に位置づけたところである。

 また、幹線道路の沿線であることから、住宅に加え、店舗や事務所等の事業所、病院などの都市機能の立地に対する交通の利便性や、視認性がよく、各種サービスの効率的な提供を図ることができる地区であることから、都市機能を誘導することが望ましい地区とも考えている。

 現時点では、土地利用を進めるには高いハードルである農振農用地の除外を伴うが、将来的にはJR能美根上駅や根上総合文化会館などの都市機能と相まって、地域拠点が形成されるよう取り組む必要性があると考えており、その可能性を含め土地利用を進めることができないか今後とも検討してゆく。


中村発言

 住宅地としての利用はできなくなったが、今後の土地利用や都市計画については、市の策定している能美市都市計画マスタープランを核とし、駅にも近い魅力ある立地環境を有するこの用地を有効利用するため、改めて地権者の意見を聞くとともに、地域住民も一緒になり、有効で機能的なまちづくりになるよう考えたい。