アリストロキオイデスの窓はどこ?
アリストロキオイデスの窓はどこ?
Nepenthes aristolochioidesの袋です。
まず、この写真をご覧下さい。
ダーリングトニア・カルフォルニカです。
アリストロキオイデスの記事でいきなりダーリングトニア?と思われるかもしれませんが、
よくネット上では、「捕虫方法が同じ」と語られているので、基本的な捕虫方法をダーリングトニアで説明しようと思います。
ウィキペディアを簡単に要約すると、
①蜜によって、下向きに開いている入り口に虫が誘われる
②天井にあるステンドグラス状の窓から光が入り、光の方向に虫が誘われる
③滑りやすい内壁で下に滑り落ち、捕虫完了
アリストロキオイデスについては、ネペンテスでは珍しく横向きに開いたピッチャー、
頭がぽこっと出ているところ、入ったら出る事が困難な仕組みが似ていますね。
では、次にアリストロキオイデスを見てみましょう。
…窓はどこにあるんでしょうか?
ダーリングトニアでははっきり認識できた、天井の窓がアリストロキオイデスにはありません。
天井付近が薄くなっているということもありません。
「これでは光のトラップはうまくいかないのではないか?」と疑ってしまいます。
ところがつい先日、いつものように写真撮影をして、なんとなく画像を超アップにして一人楽しんでいると、ピッチャーの全体、白い模様の箇所に透け感があることに気づいたのです。
ダーリングトニアのように天井から光が差し込むイメージ先入観があったのですが、袋全体が光を通していたのです。
では、実際にLED光を当ててみて、どうなっているのか確かめてみましょう。
後ろから光を当てています。
袋が全体から光を通している事がわかりますが、蓋と襟は光を通しません。
これで入り口近くに止まった虫が陰になり、光の方向に飛び立つのですね。
胴体。透け感がありますね。
天井から光が差し込むイメージだったんですが、袋は全体が光を通すようですね。
袋のどこかに当たった太陽光に飛び立つようなイメージなのでしょうか?
虫の気持ちになって入り口から撮影してみました。
おお。光が凄く通っていますね。これは引き寄せられそう。
ピッチャーの内壁の拡大写真です。
なんでしょうか?この質感。
丸いプチプチはなんの役割が…?
…
色々見ているうちに、仮説が生まれました。
「光が外側から内側にはいるときだけ透過しやすかったら、より虫を捕まえられるのではないか?もしかしたら、そういう機能があるかもしれない」
工夫して調べてみましょう。
用意したのは、
①固定したLEDライト、
②アリストロキオイデスの破片
③スマホの照度系。
明るさセンサーの上にアリストロキオイデスの破片を置いて検証していきます。
まず外側から内側に光を通します。
約656 lx程度。
次に内側から外側へ。
約656 lx程度。
結論…内側から外側へ通る光も、外側から内側に通る光も、たいして違いは無い。
まぁ仮説は外れるものですね。