1979年10月1日 シングル ホーリー&ブライト 発売
この年の彼らの最後のシングルです。テレビドラマ『西遊記Ⅱ』のエンディングテーマとして、これもヒットしました。
日本語詞は『ガンダーラ』と同じく山上路夫さん。日本語詞冒頭、「遠い昔の話で」という一文は、『ガンダーラ』の英詞冒頭の"A long time ago"にも通じるもので、その世界を継承していることを示してくれています。
ドラマの続編は最初から予定があったわけではなかったようで、そんな中でも彼らはいい仕事をしています。ドラマインターバルは半年。しかも彼らは多忙を極める大ヒット中。そんな中でのこの完成度、すごいです。
ただ、『ガンダーラ』ほどの国民的ヒットをライバルと見てしまうと、そこは苦戦を強いられた感じになります。
『ホーリー&ブライト』が『ガンダーラ』『モンキーマジック』と違う点として、まず挙げたいのは、
ドラマのBGMとしてのインストバージョンがない
ことです。
もともとゴダイゴのドラマ「西遊記」への最初の関りは、このドラマのBGMを作るというところから始まったと言われています。ということもあり、『ガンダーラ』も『モンキーマジック』も、劇中でアレンジの違うBGMとしても登場しており、2曲とも最初からそれを想定して制作されたものと思われます。つまり、「アレンジを変えても活きるメロディー」を想定しても作られていたと思います。
しかし『ホーリー&ブライト』は、「Ⅱ」に於いてこうした別アレンジ劇中インスト版がありません。おそらく純然たる「エンディングテーマ」としてのオファーだったと思われます。
その上、「Ⅱ」でも、オープニングテーマは『モンキーマジック』でしたし、ドラマのBGMとして『ガンダーラ』も『モンキーマジック』もインスト版が使われています。「Ⅱ」を観ていて、聞こえてくる頻度が少なかった、ということになってしまったわけです。
また、タイトルに使われた単語の、"ホーリー"も"ブライト"も、"モンキー"や"マジック"ほど日本人になじみのある単語ではなかったかなと思うので、そこも難しかった。それと、ジャケットにデザインされた「ホーリー」と「ブライト」の間にある「&」の飾り文字、歌詞カード面とレコードレーベルで計3種類のデザインがあって、英詞タイトルでは"AND"であることもあり、まだ小学生だった自分にとって、ゴダイゴきっかけで英語に興味を持ち始めた自分にとって、どれが正式なのか、とか、書き順どうなってるんだ、とか、どうデザイン化したらこうなるんだ、とか、…けっこうもやもやしたものになった記憶があります。
サビはまるごと英語を残していて、これは前シングル『銀河鉄道999』と同じではあるのだけれども、『999』よりは難解なイメージだったかなとは思います。"ジャーニー"と比べても、やはり"ホーリー"と"ブライト"は馴染みの薄い単語、ではあったかと思います。
それと、この曲には対抗馬がいました。
孫悟空役、堺正章さんが歌った『SONGOKU』です。
堺正章『SONGOKU』 1979年11月1日発売(ビクター)
作詞:奈良橋陽子、山上路夫 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:ミッキー吉野 演奏:レコードには書いてないけど絶対ゴダイゴです。
ドラマ「西遊記Ⅱ」のエンディング、『ホーリー&ブライト』が流れる前、この堺さんの『SONGOKU』が流れ、メドレーのようにゴダイゴの『ホーリー&ブライト』に入っていきます。
この流れ、絶妙にかっこよかった。
「Ⅱ」のエンディングって、この2曲セットってなってた方、多かったんじゃないでしょうか。私、その一人です。
日本語詞もいいんです。『ホーリー&ブライト』が、小説としての「西遊記」及び、実在の玄奘三蔵の世界を表現している感じであるのに対し、『SONGOKU』は、ドラマ「西遊記Ⅱ」の世界観を、1作目より砕けた内容になった2作目の世界観を見事に昇華して表現していると感じます。いろいろ失敗を繰り返すけど、気楽に考えた方がうまくいくときもある、世の中けっこう楽しいと、明るく歌う孫悟空の、堺正章さんの歌声は、子供ながら心救われる思いで聴いていました。
歌詞に出てくる英語も"They call me Magic Monkey"と、大変分かりやすく、メロディーもすんなり心に入ってきます。
ほとんどアナウンスもなく、堺さんは俳優、タレントとしての活動が主だったこともあり、この『SONGOKU』自体はシングルにもなりましたが、オリコンには登場しなかったようです。私も当時レコードになってると知りませんでした。しかし、ゴダイゴファンにとっても隠れた(隠れてないけど)名曲のひとつです。
堺正章さんはこのほかにも、ゴダイゴの『サンキュー・ベイビー』の日本語版、『この道の果てまでも』を歌唱しており、1作目の「西遊記」で印象的に使われています。(シングルはA面を同じく西遊記挿入歌でミッキー作曲の『今では遅すぎる』として1978年10月10日コロンビアより発売。)堺正章さんの歌う、「西遊記」の世界も、とても素敵です。『ホーリー&ブライト』も、堺さんの歌声でも聞いてみたいと、思っているほどです。