画像の認識・理解シンポジウム(Meeting on Image Recognition and Understanding; MIRU)では,2004年に長尾真先生の功績を記念してMIRU長尾賞を設け,毎年,最も優秀な発表をした論文の著者等を表彰してきました.
MIRU2021のクロージングでは,2021年5月に逝去された長尾眞先生を偲ぶ時間を設けました.その記録をまとめたページをこちらに作成しておりますのでご覧下さい.
山田 陵太(東工大) , 佐藤 育郎(デンソーITラボラトリ/東工大) , 田中 正行(東工大) , 井上 中順(東工大) , 川上 玲(デンソーITラボラトリ/東工大)
授賞理由:深層学習の認識問題において,識別器をデータに基づき摂動させ,特徴抽出器を更新する手法を提案している.また,いくつかの仮定をおいてるものの,提案手法と汎化性能を向上について,理論的にも解析している.これらは,著者らの既存手法を発展させた研究であり,独創的な研究であると言える.さらに,最新の関連研究であるSAMと比較しても,性能を向上しており,その有効性が高い.
土居 健人 (東大, 産総研), 濱口 竜平 (産総研), 岩澤 有祐 (東大), 大西 正輝 (産総研), 松尾 豊 (東大), 櫻田 健 (産総研)
授賞理由:画像ペアからシーン変化の説明文を生成する変化キャプショニングのタスクにおいて,物体検出器の出力特徴量をベースとした独自のアプローチを提案し,2つのベンチマークデータセットを用いた評価実験において,従来手法を大幅に越える精度を達成している.手法の新規性と有効性の高さからMIRU優秀賞にふさわしい研究と判断した.
Atsuyuki Miyai, Qing Yu (Univ. of Tokyo), Daiki Ikami, Go Irie (NTT), Kiyoharu Aizawa (Univ. of Tokyo)
授賞理由:対照学習に基づく自己教師あり学習において回転によるデータ拡張をより適切に行う方法の提案であり,従来手法では回転を正例もしくは負例のいずれかとして扱っていたところ,提案手法では画像ごとにその意味内容が回転に依存するかしないかを判断して適切に取り扱っており,シンプルな手法ながら有効性が明確に示されている.回転以外への拡張の可能性もあり,注目を集めている自己教師あり学習に対するインパクトも大きい.新規性・有効性・発展性ともに高いと判断し,MIRU学生優秀賞にふさわしい研究と判断した.
川島 穣, 柴田 優斗(慶應大), 五十川 麻理子, 入江 豪, 木村 昭悟(日本電信電話株式会社), 青木 義満(慶應大)
授賞理由:音響情報を用いて人の三次元姿勢を推定する,すなわち,「人の三次元姿勢を“聴く” ことは可能なのか?」という課題に果敢に挑戦した研究である.基礎検討に必要なデータセットの構築,アクティブ音響センシングのための特徴量の検討,CNNを基盤とした推定手法の提案と性能評価を行い,本研究課題の可能性と将来性を見いだした.その先駆的取り組みは,フロンティア賞に相応しいものと判断した.
枡田 真奈(慶應大), 関川 雄介(Denso IT Lab.), 斎藤英雄(慶應大)
授賞理由:本研究では,NeRFによりNeuralモデリングされたシーン情報を用いたメモリーベースの位置姿勢推定手法を提案している.従来研究では,NeRFにより推定された輝度画像を用いて位置姿勢推定を行うのに対して,本研究ではイベントカメラで得られる差分画像をNeRFにより推定することで,スパースな差分画像を対象とした最適化により計算量の大幅な削減を実現している.現状では,リアルタイムでの推定は難しいものの,スパースなイベント画像での位置姿勢推定が可能なことを示したこと,またメモリーベースによる手法の将来的な実現性を示したことをフロンティア賞論文として評価した.
澁谷 辰吉 (東工大), 佐藤 育郎 (デンソーITラボ, 東工大), 川上 玲, 井上 中順 (東工大)
八馬 遼, 佐藤 文彬, 関井 大気 (コニカミノルタ)
Yusuke Kondo (NII), Yoshihiro Fukuhara (Waseda Univ.), Shin'ichi Satoh (NII)
Hideki Tsunashima, Seito Kasai, Hirokatsu Kataoka (AIST), Kosuke Arase, Antony Lam (Mercari, Inc.)
金子 直史, 丸山 楽斗, 伊東 聖矢, 鷲見 和彦 (青学大)
原口 大地 (九大), 下田 和, 山口 光太 (サイバーエージェント), 内田 誠一 (九大)
Jeonghun Baek, Yusuke Matsui, Kiyoharu Aizawa (Univ. of Tokyo)
池畑 諭 (NII)
江藤 謙 (東京電機大), 鶏内 朋也 (慶大), 小篠 裕子 (東京電機大)
佐藤 文彬, 八馬 遼, 関井 大気 (コニカミノルタ)
加藤 聡太, 堀田 一弘 (名城大)
前田 涼汰, 日浦 慎作 (兵庫県立大)
Keisuke Doman (Chukyo University)
Yuichiro Fujimoto (NAIST)
Hideaki Hayashi (Kyushu University)
Go Irie (NTT Corporation)
Hiroharu Kato (Prefered Networks)
Rei Kawakami (Tokyo Institute of Technology)
Akisato Kimura (NTT Communication Science Laboratories)
Ikuhisa Mitsugami (Hiroshima City University)
Gaku Nakano (NEC)
Hideki Nakayama (The University of Tokyo)
Masanori Suganuma (Tohoku University / RIKEN AIP)
Hiroshi Tanaka (Fujitsu)
Kenichiro Tanaka (Ritsumeikan University)
Diego Thomas (Kyushu University)
Keiji Yanai (The University of Electro-Communications)
Ryo Yonetani (OMRON SINIC X)
Ryota Yoshihashi (Yahoo Japan Corporation)
Shoma Iwai (Tohoku University)
Hiroki Kobayashi (Chukyo University)
Kazuya Nishimura (Kyushu University)
Yasunori Ozaki (CyberAgent, Inc.)
Motoharu Sonogashira (RIKEN)
Hideki Tsunashima (AIST)