巻き結び

芯糸に対し、巻き糸をくるりと2回巻いたような立体感のある結び方です。

目を並べて模様を作っていきます。

応用が利くので、この結び方をマスターすればデザインの幅が大きく広がります。

手順図だけご覧になりたい方はこちら
赤=芯糸 緑=巻き糸 黄色=結び目

芯糸に対してほぼ垂直に巻き糸を結んで反対側に抜ける結び方です。芯の進行方向は編み進める方向。巻き糸の進行方向は編み目の列が増える方向です。

巻き糸が模様を作ります。2回巻いて1目になります。芯糸は基本的には表に出ません。巻き糸が2本並んで芯を巻いているような目が出来ます。結び目は裏側です。

A 図解 結ぶ手順

必ず芯糸が上!

A-① 赤が芯糸です。巻き糸が下。芯糸を上に交差させます。

この説明では巻き糸が右から左へ進行します。芯糸は右手で持ち、しっかり張ります。巻き糸は左手で扱います。


巻き糸を左から右に進行させたい場合は、左右反転です。

A-② 芯糸を持つ手の人差し指で巻き糸を引っ掛け、左に進んでいた巻き糸の先を通す空間(ピンクのところ)を作ります。

巻き糸を芯糸の上に回してピンクの隙間の上から下へ。

A-③ そのまま芯の下を通して再び進行方向に進ませます。

文で説明するとややこしいですが、①の糸の重ね方と②の動作を間違えなければ、糸の進行は自然に出来ます。

ここまでが1巻きめです。

A-④ 糸を引いて引き締めます。巻き糸が結び目を作る位置はここで決まります。

巻き糸が芯糸を巻く形になります。

A-⑤ は2巻きめの②です。

左に進んでいた巻き糸を右手で引っ掛けるという同じ動作です。

実際やると全く同じ動作を2回繰り返すよう感じると思います。

A-⑥ はA-③と同じようにピンクの空間に巻き糸を上から下に通し、芯の下から進行方向へ。

巻き糸の黄色の部分を引き締めるよう引っ張ります。

A-⑦ 芯糸の張りを保ったまま巻き糸をしっかり引きます。黄色の部分を見ていると、くるりと左側に回るように見えます。

これで2巻き出来ました。

A-⑧ しっかり引き締めて1目が完成です。

芯糸は目の中を通っている感じなので、引くと動きます。巻き糸は結んでいるのでもう動きません。④でしっかり結び目の出来る位置を決めてください。

芯が上同じ巻き方。X2=1目


B 参考。巻き糸の動きから見た手順

巻き糸の動きだけで説明している図です。本屋さんで見掛けるテキストなどにはこちらが載っていることがあります。

分かりやすいのですが、1巻きめと2巻きめの糸の動きが違うように感じませんか。

実践すると1巻きめも2巻きめも同じ手の動きなのになぜでしょうか。

B-①1巻きの巻き糸の動き

B-②1巻きめの引き締め

B-③2巻きめの糸の動き

B-④引き締めて出来上がり。

同じ結び目が出来ました。

AとBが違う?と感じた方へ。

実はB-③の図の説明では、先の手順⑥で右にあった黄色の部分が⑦で左に移動する過程がないので違って感じるんです。

出来る結び目は同じです。

巻き結び応用

①結び方を覚えたら、巻き糸の数を増やして列を作りましょう。

①巻き糸を何本かセットして(右から左へ)

②順番に寄せて結んでいきます。

芯糸の周りに巻き糸の目が並んで、

1列の模様が出来ていきます。

②列が出来たら、段を作ります。

芯が逆行。巻き方は左右反転します。

①芯糸を折り返します。

今度は1段めの最後に結んだ巻き糸から結んでいきます。2段めも結び方は同じですが、芯糸の進行方向と巻き糸の進行方向が逆(左から右へ)になりました。

図はA-②を左右反転して使い回ししてみました。

②芯糸(青)を左手で持ち、最初の巻き糸(ピンク)に人差し指を引っ掛け空間を作ります。右手でこの空間にピンクの先端を上から下へ通します。

③巻き糸を芯糸の下から進行方向へ

これで1巻きです。


④2段めの最初の1巻きめを引き締めます。この時、1段めの目との間に不要な隙間が出来ないように気をつけてください。1巻きめで結ぶ位置をちゃんと決めるのがコツです。

⑤2巻めです。芯糸と巻き糸をクロスします。左手の人差し指で巻き糸を下から左に引っ張り出して空間を作ります。

⑥そこに巻き糸の先端を上から投入。下へ通す。見かけは違っても動作は同じです。

⑦同じ手順で2巻きめを引き締めたら1目が出来上がり。

⑤芯糸を引くと折り返し部分が目立たなくなります。

⑥同じように何段も作っていけます。

こんな感じ

段が作れるだけでこんな事も出来ます。4本の糸を3組、交差するように巻き結び。各面で芯と巻きを交代させます。
6面編んだらサイコロ状に。アイデア次第で色々出来ますね。

③斜め巻き結びをやってみましょう。

実は、芯糸が折り返さないので、とってもラクなんです。

芯糸が段毎に入れ替わります。

①1段目が出来たら、1番端の巻き糸が2段めの芯糸になります。

赤を上に交差させ、隣の黄色から巻き、最後に1段めでは芯糸だった青を巻きます。

②芯糸が次々変わる事で、何段編んでも芯糸の進行方向は同じです。

③続けると巻き結びの立体感が斜めの地模様を作ります。

④斜め巻き結びを組み合わせたり、アレンジしたりしましょう。


芯糸を折り返して方向を変えると、カーブした巻き糸が模様を作ります。糸の本数で出来上がり幅が変わります。

斜め巻き結びを左右対称に2組併走しました。芯糸が中心で折り返す時に結んで繋げます。

双方の巻き糸を中央でクロスさせて入れ替えるとこんな感じに。糸の色が映える編み方です。

中央に流れる巻き糸にビーズを通しました。

両側で折り返す芯糸にも小さめのビーズを通しています。

斜め巻き結びを回す

斜め巻き結びに慣れたらトライしてみてね。

①斜め巻き結びで、1段毎に目を減らしていきます。

1番端の巻き糸を残して、2番目の糸を次の段の芯糸にします。

②目が1つになったら折り返します。

③復路ではさっき放ってきた巻き糸を拾いながら帰ります。今度は段毎に目が増えていきます。

④糸を拾うイメージはこんな感じ

⑤実際にはもっと往路の目と復路の目を寄せて編むのでほぼ菱形になります。

⑥折り返して繰り返します。5回繰り返すと程良く一周して星型っぽくなります。

この編み方を使っています。

慣れてきたら自由に組み合わせてオリジナルのデザインに。格段楽しくなりますよ。
やってしまいそうなミス

目のリズムが崩れていたら、ミスしたかもしれません。ほどくのは大変ですし楽しくないので、時々チェックして早めに直しましょう。

  • 途中、芯糸の色が表に出ている。これは引き締める時に巻き糸の方を強く引いたため。巻き糸が張って芯糸が巻く感じになってしまったんですね。芯糸を強く引っ張れば元に戻りますが同じ色の糸で編んでいると気付かない事もあります。本来結び目の中を通っているはずの芯糸が、結び目に巻き込まれているので動かなくなります。

  • 途中、目が凹んでいるように見える。これは芯糸と巻き糸をクロスさせる時、上下を間違えたのかもしれません。芯糸を巻き糸の下にすると「裏巻き結び」になってしまうためです。

何か作りに行く。
平結びと斜め巻き結びで出来るブレスレットにぽんっと挑戦。