母語・継承語・バイリンガル教育学会各種言語教育部会
日時:2023年7月30日18:00〜20:00(日本標準時)
実施方法:Zoomによるオンライン開催、参加費無料
どなたでも参加可能ですが、事前の参加申し込みをお願いします。参加人数に上限があります。
(終了しました)
日本における英語教育を主とした外国語教育が、実際に生徒の現在と将来のニーズを見据えた運用能力を育てるためのバイ(マルチ)リンガルに育てる教育となっているとは言えない中、先駆的な外国語教育および日本語以外の言語を継承語として持っている生徒の言語資源を生かす教育を実践されている高等学校3校から、その理念、生徒や学校の背景、教育の方法、成果についてお話を伺い、聴衆が関わるそれぞれの現場に生かしたい。
当日の実施報告書(PDF)
(敬称略)
18:00-18:10 ご挨拶および趣旨説明および講師紹介……湯川笑子(立命館大学)
以下各発表15分討論10分(司会:湯川笑子)
18:10-18:35 【発表1】「国際交流を含むサイエンス・フェアを軸に育てる日英バイリンガル高校生の育て方」……武田菜々子 (立命館大学付属立命館高等学校)
立命館高校では毎年11月に世界20カ国から100名を超える高校生が集うJapan Super Science Fair(JSSF)という国際科学行事を主催している。生徒たちの「課題研究の口頭発表」「その後の質疑応答」「サイエンスを通した国際交流」という状況や場面の中での活躍を目的に、高校3年間の授業の中で段階的に指導を行っている。日本の高校生が国際舞台でリーダーシップをとれるようになるために必要な力は何なのか、皆さんと一緒に考える時間とさせていただきたいと思っています。
18:40-19:05 【発表2】「高校における多様な外国語教育と高大接続の可能性について」……黒澤眞爾 関東国際学園理事(関東国際高等学校副校長)/一般社団法人高校韓国語検定協会代表理事/一般社団法人日本外国語教育推進機構(JACTFL)理事
文部科学省の資料によると、令和3年度現在、全国の高等学校で英語以外の外国語を授業で学んでいる生徒は述べ42,324名である。これは、高校生全体の2%以下に過ぎず、日本の中等教育における多様な外国語教育の普及と推進をはかっていくためには、順次このパーセンテージを引き上げていく必要があると考えている。本職は、多くの中学校・高校で多様な外国語教育が展開されることを心より願っているが、その際、常に障壁となるのが、英語以外の外国語と入試との関係である。本発表では、本職が勤務する関東国際高等学校と複数の大学が実施している多様な外国語を通じての高大接続の取り組みを事例に挙げつつ、高校における多様な外国語教育と高大接続の可能性について考えてみたいと思う。
19:10-19:35 【発表3】 「門真なみはや高校における母語・継承語教育-中国ルーツの生徒を対象にした授業実践」……王雁・ 栁素子(大阪府立門真なみはや高等学校)
本発表では、2001年から始まった門真なみはや高校における母語・継承語教育の理念、中国語母語クラスに在籍する生徒のニーズ、カリキュラム、授業内容、成果、課題などについて述べる。また、中国語初級クラスに在籍する中国ルーツ生徒の中国語の能力や言語環境についても言及し、現在実践を行っているデジタル教材を使用した「個別最適な学び(指導の個別化)」について紹介する。
19:35-19:55 全体討論
19:55-20:00 閉会挨拶……小澤伊久美(国際基督教大学)
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