MHB各種言語教育SIG

3回茶話会 2022年116

どのような集まりか

  • 名前の通り会員どうしのざっくばらんな懇談会です。お気軽にお時間の許す範囲でご参加ください。

  • 茶話会といっても話のきっかけある方がよいので、最初20―30分程度でひとつ話題提供(下記参照)を用意しています。

日時・申込方法

2022年116日17:00〜18:20(日本標準時)

オンラインで開催します。

〈終了しました〉

話題

前回にひきつづきマルチリンガルの視点をアセスメントにも取り入れることについての以下の論文の要約を用意しています。

Schissel, J. L., Leung, C., López-Gopar, M., & Davis, J. R. (2018). Multilingual learners in language assessment: Assessment design for linguistically diverse communities. Language and Education, 32(2), 167-182.

ご一緒に考えたり情報交換ができればと思います。

実施報告

第3回茶話会を行った。大変活発な議論ができ有意義な時間となった(参加者8名)。

(1)茶話会参加が初めての方もいらっしゃったので全員が簡単に自己紹介をした。

(2)まずreading当番からSchissel他(2018)の論文の要約を問題提起として提示。

〇教員就業前の教師教育対象者に2つのタスクを与えた。1つは母語であるスペイン語での資料1つと英語での資料2つ、もう1つは英語のみ。結果は、前者の方が有意によかったというもの

〇テストのアウトプットに2言語を採用しているわけではないが、テストの課題を出す際に母語を一部採用しマルチリンガル仕様にすることの有効性を示しているもの

〇研究デザイン

・p.8 参加型アクションリサーチモデルは、研究プロセスのすべての重要な側面において重要である。参加型の方法論に取り組むことは、多言語評価のアプローチを構築するために不可欠。

・p. 11 第5学期のコースシラバスに沿ったテスト資材

 学生はスペイン語を共通に使用していることを加味

・p.11 2つのリーディングとライティングのタスク。

タスク1:スペイン語1つ、英語2つ、II型糖尿病の発症を予防するためのアドバイス

タスク2:英語だけの読み物、学内のゴミ清掃プログラムについて提言(各20分)

・評価-6つの基準からなる2値のイエス・ノーチェックリスト、タスク1の評価者は4人、タスク2の評価者は4人

(3)意見交換で出た論点の主なもの:

・研究方法で使用されていたbinary rubricは、評価項目が多い時に使用すると便利

・母語使用のツールとして機械翻訳の外国語教育における意義を真剣に考える時期に来ているのではないか

・コミュニケーション自体は、お互いに機械翻訳を使って出力を相手に見せる(聞かせる)ことで成立する。しかしその出力を学習に生かせるかどうかは不明

・大学の中国語教育で、日本語でスクリプトを書いた後に中国語に訳して上演するという実践があり、多くの学生は機械翻訳を使用していたが、どうしても不自然な中国語になっていた。

・メタ言語能力と動機が育っている大学生には有益か

・identity textのように年少者でも翻訳したものを使うことはある

・機械翻訳は、継続議論課題


次回2023年3月12日17時より80分間の予定 外国学校やインターなどより話題提供者を探す。