工作室
わたくしは、今日まで様々な電子機器や産業用設備の据え付けや整備、それらの設計、制作、改造などを生業としてきました。
その御蔭で、何でも自分でこしらえたり直したりすることが好きで、新しいものを買う前に先ずは自分で作れないか、直せないかと考えてしまう質です。
ここでは、これまで私が手がけた面白い製作品や改造について書いてみようと思います。
ものを作る行為に関しては、この世の中には汎ゆる分野のプロが存在し、日夜素人のものづくりなど遠く及ばぬ素晴らしい製品を生みだしていますから、書いてもつまらない自慢に終わってしまうのですが、過去に手間暇かけて作ったり改善した品は個人的に深い愛着があり、自分自身のために少しはその記録を残したいと思うのです。
あるいは似たような作業を試みられている方にとっては何らかの参考になるやもしれませんが、デジタル全盛の時代に私の様なアナログ世代の人間のものづくりが如何ほどの役に立つのかははなはだ疑問なところでもあります。
製作と改造の部屋
目次
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20年以上も前に販売されていたEARTH MANの小型ボール盤。ハンドル昇降機構の200X200mmの作業台がついている。中古販売サイトの写真より
かなり以前の話になりますが小型のボール盤EARTH MAN DP-300Aを使いやすいように改善しました。改善点はおもに以下の4点です。
1.回転速度を可変にする
2.運転停止を足踏みペダルで行う
3.ワークテーブルにXYクロステーブルを取付ける
4.切り込み量をデジタル表示とする
このボール盤は垂直軸の径が60Φと太く重量は有りますが、1万円前後で買える一般的な小型ボール盤よりは剛性においてかなり勝ります。またワークテーブルも200X200mmのサイズがあって昇降ハンドルがついているため操作性も良い。さらに使用してみるとドリルチャック ( 1.5 ~13mm ) の加工精度が高く1mm前後のマイクロドリルでも殆ど芯ブレせずに穿孔できる優れものでした。
それでも使っていると不便な点も多くあるので先の4点を主に改造したものです。
改造の詳細は以下のリンクを参照してください。
まだiPodやMP4プレーヤーが世に出る遥か前の昔の話、我が国はパイオニア、トリオ、オンキョー、サンスイ、マランツ等多くのオーディオメーカーが覇を競うオーディオ大国で、私の知人にも高級オーディオのマニアが何人か存在しました。
私がよく遊びに行ったジャズ好きのⅠもそんな一人で、よく彼の部屋で自慢の音を聴かせてもらいましたが、ジャズに門外漢の私のためにひばりや渡辺貞夫など私でも知っていそうな演奏を掛けてくれたものです。
音楽脳の無い私には、正直曲の良しあしなど一向に分かりませんでしたが、彼だけでなくオーディオマニアの音再現性に対する執拗さにはよく驚かされました。
何度かそんな彼に頼まれて低周波発振器やレベル計、減衰機、帯域除去フィルター、2現象オシロなどを持ち込んで音響機材の特性測定を行ったことがありました。
当時の高級な大容量トランジスタの負帰還アンプは、よほどの大音量で駆動しない限り、可聴域30Hzから20kHzあたりまでは極めてフラットな特性を示し、スルーレートも高くて高音ハイパワーでのドライブでもない限り正弦波大振幅入力に対する波形歪もほとんど観察できないほど小さいもので測定するまでもないほどでした。
私の知識外の球を多数使った真空管式OTLアンプも所持しており、こちらの方は高電圧、低電流を特質とする真空管に低電圧、大電流駆動を行わせる無理は覆い難く、トランジスタアンプに比べると周波数特性、波形歪共に悪かった記憶があります。
彼が特に知りたかったのはスピーカーも含めた室内の音場特性でしたが、こちらの方は特性変化のなだらかなアンプに比べて室内壁や家具からの多数の反射音が重畳されるため特性のアップダウンが激しく、アンプの特性測定であれば10Hzから100kHz辺りまで20点も周波数を抑えておけばほぼ満足な特性を描けましたが、音場となるとピークの周辺で細かく特性変化を拾う必要がありなかなか大変でした。
また収音用のマイクも手持ちに広帯域のものがなく、精々100Hzから10kHzは何とかフラットに拾えるだろうと思われた(マイクの周波数特性は不明)シュアーのマイクがあるきりでしたから測定結果自身はなはだ怪しげなものでしたが、それでも可聴域の音場特性の変化のあらましを知ることができました。
機材一式を持ち込んでの音場特性の測定は、計測レベルの校正も不十分でしたが、レベル測定の要となる発振器と広帯域アテネーターは精度が良かったのでなんとか形をなしました。しかしそれなりに手間と時間は掛かりⅠを驚かせました。またその後数人の知人に頼まれて同様の測定をやりましたが、測定機材は大して変わらず手間も同じでした。
当時の記憶を思い返すと、オーディオの室内環境が異なれば特性もそれに合わせて変動し、測定結果にはそれぞれ結構な開きがあったのを覚えています。これらの経験からⅠに勧められて室内音場の特性測定を自動的に行える測定機材の構築を思い立ったのです。
最初に作ったシステムは掃引発振器と対数変換増幅器 ( Logアンプ ) 及び周波数特性表示部の独立した3つの部分からなり、前者2つはディスクリートで組みましたが、特性表示装置の方は当時電子マニアの間に普及し始めたばかりのマイクロコンピューターを流用したものでした。
この初号機はもう40年近くも前の話で、まだデジタルカメラで生活を記録する習慣もなかったため現存していませんが記憶をたどってあらましを書ことはできます。
初号機に続いて掃引発振器と対数変換増幅器をひとまとめにし、マイコンにミニフロッピー搭載のMSX機やPC9800 USを使うシステムを造りました。FM-8ではプログラムの記録がカセットテープに頼っていたため、プログラムをロードするまでに何分も掛かりましたし、何より信頼性が悪くプログラムが満足に立ち上がらないことも度々でしたから、ミニFDD搭載のPCに置き換えたものですが、こちらも30年以上も古い話でもはや機材もPCも現存していません。
このような経緯の後、最後に掃引発振器から対数変換増幅器及び特性表示器のすべてを一体化したコンパクトなシステムを組み立てました。
初号機から20年の歳月を経て組み上げた3代目特性測定装置。コンパクトに仕上げたが、完成した頃には、もはやこんなものの時代ではなくなっていた
しかしこの時代にはDOS V パソコンとwindowsの登場によってもはやマイコン ( 今の言葉で言えばPC ) の性能が大きく進歩し、PC上で走る掃引発振器や特性表示器が開発されフリーソフトとして公開される時期にかかっていましたから、制作に手間ばかりかかり大した精度も出ない私の大げさなシステムは直ぐ陳腐化しあまり意味をなさなくなってしまいました。
時代は最早、私の得手としたアナログの時代から完全にデジタルの時代へと移行していた訳ですが、たとえ時代遅れとなっても、嘗てそれなりに苦労も努力もして組み上げたシステムには愛着がありその経過を記録してみたいと思ったわけです。
製作の詳細は以下のリンクを参照してください。
次は簡単な作業用台車です。家には大型の運搬台車や高荷重用の昇降台車もありますし、今日では用途に応じて様々なタイプの台車が国内各メーカーから安価に市販されていますから今更作るまでもないのですが、私のように主に鋼材を使った金属加工を良くする者にとっては、低床で軽量、耐荷重が高く、手押しハンドルの丈夫な製品は案外少ないので自分で作ってしまいます。
台車3種。左は高荷重用、中は低床中荷重、左は高荷重長尺用の作業台車
台車のフレームはすべて鋼材製で強度を持たせています。左の2台は共に通常の運搬に用いるものですが、荷重を考慮してキャスターには車軸及びキャスター回転軸にすべてベアリングを装置したものを使っています。
左の高荷重用は手押しハンドルを3軸にしてハンドル部の強度を上げ、100kg以上の荷でもハンドルを軸にして方向をt変えられるようにしています。
左の台車はホイストやレバーブロックでないと吊れない重量物を乗せるため後部には強力なズリ防止のストッパーを取り付けてある。右の低床はキャスターのストッパーのみ
隣の低床台車は手作業の搬送を楽にするためのもので台車全体に軽量化しています。手押しハンドルのパイプはステン引きの軽量鋼管であまり軸強度が取れないため、下の取付部には筋交いの補強を入れています。
最後の長尺用の台車は運搬物の片方に噛まし、アーム部分と台車部分で荷を固定して、もう一方の側を手で釣り上げて運ぶためのもので、台車を入れる位置を適当に選べば、大した力を使わずに鋼材等の長尺重量物を楽に移動させることができます。
軸受台はステンの蝶番で開閉する。筋交いは蝶ナットで台座荷固定し、収納時も台座に止めて車輪が浮き上がらないようにする
以前はマリンスポーツで使う大型のボートをビーチまで運ぶのに使っていたため、車載すると形状がかさばるのを避けて高さのある車輪は折りたたんで収納できるようにしています。この状態でアームを釣り上げ縦に移動させることもできます。
手作業では困難な重量物を釣り上げて移動させるためにはホイストを利用しますが、一般のホイストはトロリーが建築構造材のレールを移動するため、トロリーの走る特定の場所以外では使用できません。このため工作機械など荷重が局所に集中している品物を安易に数人で吊り上げて移動させたりすると、作業には大きな危険が伴います。
私は土間で使用していた工作機械を室内に移す際、作業の危険性を感じて、荷の吊り下げと移動を楽に行う必要に迫られレバーブロックを用いた可搬型のホイストを作りました。
上写真左・建物の構造材に取り付けたホイストはトロリーの移動範囲であれば極めて安全・確実に重量物を吊り下げて移動できるが、トロリーの移動範囲外では使用できない。この困難を解消するために組んだのが写真右の可搬型トロリーレールを持った簡易ホイスト
作業小屋のように鉄骨むき出しの建屋であればレバーブロックやチェーンブロックを適時取り付けての吊り下げも可能ですが室内では不可能なため上部に2mX50mmX50mmX3t の角パイプ ( 構造用角形鋼板 ) を渡した門型の釣り柱を作り、角パイプにトロリーをかけて1.5m程の距離を吊り荷した状態で移動を可能にしたものです。
製作の詳細は以下のリンクを参照してください。
作業小屋の採光壁にしていたガラス戸の木枠が腐朽して枠とガラスのはめ替えが必要になりました。ガラス戸はその昔、親父が土建の解体を請け負っていた頃、四日市の某百貨店改装の際に一階入口の扉を撤去して持ち帰り、家の小屋へはめ込んだものです。
素人作業で扉の下部をコンクリートで固めるという馬鹿げたことをやったため、扉の取り外しが不可能になり、枠下部の腐朽が進むとともにガラスの下部にも割れが生じてガラス扉すべての作り変えが必要となりました。
作業は、6.8mm厚のガラスを下部150mmで切断、ガラス上部を枠ごと取り外してガラスを新たに作った木枠に収め、脱着可能な状態で再度組み込む厄介な仕事です。
この木枠作りの作業のため小型の丸鋸盤を買い込んで木枠を作ることになったのですが、その過程で丸鋸盤に治具の製作が必要となり丸鋸盤の周辺を改善する必要が生じました。
藤原産業 SK11 木工用テーブルソー 最大幅1000×奥行570mm STS-255ET 刃径255mm チップソー付き スーパーメガホームセンターejoyで24.200円、ポイントが結構付いたので実質22.500円程か。
興味のある方のために載せておきますが、枠に嵌ったままのガラスは簡単にガラスきりで切る様なことはできません。ガラス切りはガラスに傷を入れておいて、その傷の箇所でガラスを瞬間的に折るようにして割る作業ですから、枠に嵌ったままのガラスを折り切ることができませんし、このガラスは補強のため縦方向にステンレス線が入っていて折り切る邪魔をします。
何より7mm近い厚みのガラス板は、ガラス切りで少々傷つけたくらいでは簡単に割れてくれません。このため石材切断ディスクを用いて、ステンレス線共々ガラスを直線状に切断して行きます。
石材切断ディスク。中華通販のサイトを検索すれば様々なタイプの安価な切断用ディスクが売られている。私は国内で中華通販が利用できるようになった頃から様々な中華製品を使っているが安い割に品質であまり不満を感じたことはない
私は日頃、石の薄片標本をよく作るので石材の切断については慣れていますが、ガラスに加えるストレスをなるべく減らして切断するためには写真・右端にあるような細粒のダイヤモンドディスクを用います。
しかし上写真の様にディスクグラインダーに取付ける1mm以上の厚みを持ったディスクを使うより、ドレメル等の小型研磨器に装備する薄く小型のダイヤモンドディスクを用いるほうが時間は掛かっても切断の信頼性と確実性が高いと言えます。
7枚の扉のガラスは小型のダイヤモンドデイスクを用いて、油浸しながらすべて切断した。ただし2枚も切るとディスクの粒子が摩耗剥離して切断効率が下がるのでデイスクを逐次新しいものと交換しながら切断する
Aliexpressで送料込みでも400円前後で手に入ったドレメル用ダイヤモンドディスク。1枚で7mmガラス板数mは切断できるが徐々に砥粒が剥離して効率が落ちる
このようにして切断したガラス板を新たな枠を作ってはめ込み、壁に新たな敷居を設けて再び取付けた訳ですが、買い込んだ丸鋸盤はガラスを嵌める建具を作る作業で活躍します。
枠材は安価なツーバイフォー材で縦横の切断は丸鋸盤の標準装備で問題なしにこなせますが、厄介なのは枠端、噛み合い部分の凹凸加工で2m近い材を垂直にした状態で丸鋸の刃に噛まします。垂直補助板でガイドしますが垂直が狂っても補助板の位置がズレても嵌め合いが阻害されます。
垂直に立てたツーバイフォー材に凹凸切りを行うため、棚板にアングル材を噛ませて垂直を出すが作業効率・精度とも悪い
当初は仮設の垂直ガイド板を取付けて縦材の溝切りをやりましたが、垂直が直ぐ狂うし加工精度も悪い。このため丸鋸盤に付随する治工具のいくつかに改善を加えました。改善の内容は主に次の二点です。
1・垂直材加工治具の製作
2・トリマーの丸鋸テーブルへの取付け
この結果丸鋸盤の作業環境が大幅に改善されて枠作りの作業の大きな助けとなり、壁の一部はガラスで無しに盲壁に替えてしまいましたが、雨の少ない冬場に一気に作業を進めて小屋のガラス壁更新作業は満足に終了しました。
ガラス枠は鉄骨で敷居と柱を立ててその上に並べた。枠の一部はガラスの破損が大きくて盲壁に取り替えた。
ガラス切断に始まって扉の取り外し、枠製作、鉄骨加工、枠壁取付け、内装、外壁サイディング取付けとすべての作業を1人でこなしたので段取りが大変でしたが普段はまず行わない様々な建築作業に手をつけて認識を新たにし、苦しくしんどいが楽しいことも多い作業でした。
作業を通して、結構いろいろな面白いこともあるのですが、ガラス枠の交換ができて初めて成立する作業でしたから、丸鋸盤の活躍が最も大きかったと言えます。
サイデイングの加工は、切断面の防水と見場の確保が難しい。処理の仕方はすべて我流で考えたが、この部分はサイディングメーカーも苦労しているようだ
まるで壁取り替えの様な記事になってしまいましたがあくまで主体は丸鋸盤の改善です。製作の詳細は以下のリンクを参照してください。
私の趣味の一つに岩石薄片の製作があるのですが、薄片を観察するには、薄片資料を挟み込むように2枚の偏光板を置いて、薄片とその上下にある偏光板を通過した光を顕微鏡で観察します。
このため専用に作られた顕微鏡を偏光顕微鏡と呼びますが、その用途が特殊で販路が限られることから一般的な2眼、3眼の顕微鏡に比べると大変高価な物になり、とても素人が興味本位で覗いて楽しむためだけに買い入れる程の価値がある品とは思えません。
しかし市販されている通常の2眼・3眼の顕微鏡に偏光板を取付けてやれば簡単に偏光顕微鏡を作ることが出来ます。細かいことを言うと、生物顕微鏡のレンズと比べ偏光顕微鏡のレンズでは資料の偏光特性に影響を与えないレンズが使われているのですが、偏光顕微鏡の観察そのものにかなり職人的で非科学的な要素があって、素人が楽しむ範囲にはなんの支障も生じません。
アマゾンを検索すれば中華製の顕微鏡なら3眼のものでも数万円で、デジタル顕微鏡であれば1万円前後でも実用的な商品が手に入ります。
今回はオリンパス製の中古実体顕微鏡を改造してみました。改造の内容はおもに以下の2点です。
1.上部偏光板の取付け
2.下部偏光板・透過照明装置の制作
照明装置は室内で外光に左右されずに観察するためには不可欠のもので、光源が視野全体で均質になるケラー照明を使用します。製作の詳細は以下のリンクを参照してください。
私の大人の玩具の一つに鉄道模型があります。1/150縮尺のNゲージ模型で、国鉄時代、近くに貨車の振分けを行う亀山操車場があったことから、国鉄の貨車に親しみがあり、模型の大半は国鉄時代の貨車と客車です。
模型や線路は様々な市販品が出回っているので模型メーカーの製品を買い揃えれば手っ取り早く楽しめるのですが、模型を動かす電源装置となるとなかなか意に適うものが存在しません。レールには多数のポイントが存在し必要に応じで切り替えて動力車の進路を変更しますがこれらを手軽に制御できるシステムがなかなか見当たらないのです。
このために制作したのが下の鉄道模型制御装置です。21世紀初頭の製作ですが今でも時折引き出しては楽しむことがありまだまだ実用性は十分です。
製作の詳細は以下のリンクを参照してください。
以前、岩石薄片の製作工程 ( 岩石薄片の製作 ) のことを書いたのですが、その中にある薄片切断研磨器について少し詳しく知りたいとの方が見えたので、自作の切断研磨装置について書いてみました。
素人の薄片製作において最も厄介な工程が、岩石を切り出してその表面を平滑にする岩石の切り出し研磨工程で、私の場合標本は45mmX35mmのガラス板に貼り付けますから、標本とする石もほぼこれに近い大きさで切り出す必要があります。
これらの工程をある程度機械化した工具類で置き換え、薄片製作の手間を軽減するための工具が岩石切断研磨機で、以下にこれまで私が制作した4種類の工具について書いてみます。
丸鋸盤タイプの切断機
最初は丸鋸盤タイプの切断機で、上の写真の機種は2代目ですが、自作を考える場合このタイプが最も簡単ではないかと思います。
両頭グラインダーによる切断機
次のタイプは両頭グラインダーを用いたもので、この機種は標本を吸引保持するカセットを備え、ディスクと平行にネジ軸で微動するテーブルによってかなり正確に標本を切り出せます。
またディスクの保護カバー下部に注水して切断面の水切りができましたから、切断時のディスクと標本の摩擦による標本の破損や剥離をある程度は抑えることが出来たようです。
ただし制作するにはX・Yの直行する2方向に微動するテーブルが必要となるためそれなりの技術を必要とします。またカセットの移動に筐体が干渉してあまり奥切り進めないのが難点でした。
ベルト駆動による切断研磨機
こちらは過去の装置の問題点を改める意図で拵えた両頭の切断研磨機です。15Φの軸端に180mmの切断ディスクと125mmの研磨ディスク装置したものでテーブル下部にトレイを置き、ディスクにカバーを装置すると水切りもできる仕様で作ったものです。
刃研ぎ機による研磨機
最後は最近拵えたもので、今ひとつ満足な動作までは実現していないものです。これまでノミと包丁の研磨くらいしか用途がなかった刃研ぎ機を用いて研磨を自動化したいとの意図で作り始めたものです。
上は刃研ぎ機専用の砥石、下は中華製200mm#180のダイヤモンドディスクを取り付けたもの。砥石の粒度と材質に依って研磨の効率、面仕上げの精度が決まる。
何種類かこのタイプのものを試行錯誤で試して入るのですが、なかなか研磨面を平均して平滑にするのが難しく、未だ試行状態のものです。
これらの装置の制作の詳細については以下のリンクを参照してください。