当ページで公開しているBVE阪急線(共通)の各標識の解説です。
過去にブログで書いた記事をアレンジして掲載します。運転解説、および同梱のReadMeと合わせてご覧ください。
※独自調査に基づく解説ですので、実際と異なる場合があります。
【ATS表示器】
運転台に設置されており、速度照査などを受けると変化します。原則としてここに表示されている速度を1km/hでも超えると、常用最大ブレーキがかかります。
<ATS表示器の内容>
F:115km/h(宝塚本線は100km/h)
80:80km/h
70:70km/h(目安速度65km/h)
50:50km/h(目安速度45km/h)
30:30km/h(目安速度25km/h)
20:20km/h(目安速度15km/h)
P:低速パターン
(注1) 駅停車時などに表示される「N」は、ATS信号電流が流れていないことを意味します。
(注2) N表示以外で、表示の色が赤色に変化すると、高速パターンに入ったことを示します。
(注3) 京都線・神戸線のツーハンドル車両は「F」表示でも110km/hが最高速度です。
【信号機】
信号機本体にも制限速度がありますが、それに付随して信号手前の特定の標識で速度照査がかかる場合があります(下の「A点」「S点」参照)。
<信号の制限速度>
減速信号(青+黄):70km/h照査 → 手前での照査なし
注意信号(黄):50km/h照査 → 手前のA点で70km/h照査あり
警戒信号(黄+黄):30km/h照査 → 手前での照査なし
停止信号(赤):信号機手前で停止 → 手前のA点で30km/h照査・S点で20km/h照査あり
【沿線の標識】
一部のみ紹介します。各標識の名称は当データ・サイト内で使用しているもので、実際とは異なります。
※内容は、当データのシナリオでの運転方向に合わせたもののみ記載しており、路線上下線の標識全てを解説したものではありません。
<ATS照査関係>
ATS表示が変化する可能性のある標識類で、守らない場合、照査が作動します。
【A点】
◆前方の信号が注意信号のときに70km/h照査がかかります。
◆前方の信号が停止信号(または終点)のときに30km/h照査がかかります。
◆前方の信号が進行・減速・警戒の場合は何もかかりません。
◇出発信号が停止定位の駅では、信号内方の分岐器が自列車方向に開通している場合のみ、照査はかかりません。つまり、場内注意(50km/h照査)で入駅した場合、出発信号機手前のA点では照査はかかりません。
◇例外として、宝塚本線庄内(待避線)・神戸本線六甲(待避線)は冒進防止のために、構内のA点にて必ず30km/h照査がかかります。
◇京都本線正雀(待避線)・京都本線相川(待避線)も30km/h照査がかかる場所がありますが、この標識は立っていません(下の方、ループコイルの解説参照)。
【S点】
◆前方の信号が停止信号(または終点)のときに20km/h照査がかかります。
◆前方の信号が進行・減速・注意・警戒の場合は何もかかりません。
◇出発信号が停止定位の駅では、信号内方の分岐器が自列車方向に開通している場合のみ、照査はかかりません。つまり、場内注意(50km/h照査)で入駅した場合、出発信号機手前のS点では照査はかかりません。
【赤○A点】
◆特定の条件にて速度照査を与えます。
①京都本線南方~十三間、千里線千里山~関大前間、宝塚本線池田~石橋阪大前間にあるもの。
…カーブのための速度照査で、「すべての列車」に対して70km/h照査をかけます。
②宝塚本線曽根~服部天神間にあるもの。
…カーブのための速度照査で、「すべての列車」に対して80km/h照査をかけます。
③京都本線長岡天神・高槻市・茨木市・正雀・相川、神戸本線園田、宝塚本線曽根の各駅手前にあるもの。
…分岐器のための速度照査で、「副本線に入る」列車に対して80km/h照査をかけます。
④京都本線淡路の手前にあるもの(2箇所)。
…分岐器のための速度照査で、「4号線を通過する」列車に対し、それぞれ80km/h照査・50km/h照査をかけます。5号線を通過する列車や、駅停車列車には照査はありません。
⑤京都本線大阪梅田の場内信号手前にあるもの。
…分岐器のための速度照査で、「2号線・3号線に入る」列車に対して50km/h照査をかけます。
⑥神戸本線六甲・西宮北口の各駅手前にあるもの。
…分岐器のための速度照査ですが、高速パターンを使用する営業列車に対しては照査は発生しません。
⑦箕面線石橋阪大前場内手前にあるもの。
…通常の運転では照査は発生しません。
【HP点】
◆基本的に駅の600mほど手前に設置されており、駅に停車する際、ここでチャイムがなり、これ以後停車まで高速パターン域になります。
◇京都本線淡路駅5号線では、場内信号機が警戒現示のときは作動せず、その場合は低速パターン(後述)となります。
◇回送車は停車駅が近づいても作動しません。ただし回送でも、スタフが回送以外の営業種別の場合(途中駅から営業運転する列車)は作動します。
◇営業種別で本来通過の駅に臨時停車する場合(スタフに停車の記載がある場合)は、通常通り高速パターンが作動します。
【赤HP点】
◆神戸本線六甲と西宮北口にあるHP標識です。
◆通常のものと同じく、チャイム音が鳴って高速パターン域になります。
【LP点】
◆終点駅や、冒進が許されない途中駅の停止位置手前数十mの位置にあります。
◆この標識を過ぎると低速パターン域になり、パターンを超える速度が出ているとブレーキがかかって停止まで解除できません。
◇この標識は絶対停止区間が控えている場合のみ有効で、標識を通過するまでにA点やS点によって15km/h以下に落とされていることが前提です。
◇京都本線淡路駅5号線では、場内信号機が警戒現示のときのみ作動します。
◇冒進距離に余裕のある、一部の終点駅には有りません。
【ループコイル】
◆特定の条件で動作する起動回路です。
阪急では昔から標識の無いのにATS照査がかかる起動回路が存在しています。実物のそれは見れば何となくわかるレベルのループコイルですが、BVEでは細かい描写が難しいため、このストラクチャを置いて目立つようにしています。
◆基本的に高速パターン標識の場所に設置し、高速パターン開始位置を画面上でわかりやすくしています。それ以外にもポツポツありますが、特定条件で高速パターンをキャンセルしたり、昔に別の用途で起動回路があった場所なので、Ver3.5では以下の箇所だけ注意してもらえればと思います。
①京都本線正雀5号線・相川駅4号線手前にあるもの。
…その号線に入る列車に30km/hのATS照査を行うための回路です。機能的にはA点と同じですが、標識が無いのでご注意ください。
【入換信号機】
◆灯火が黄色になると、入換運転(25km/h以下)が出来ることを示します。
◇入換運転の仕方は車両データ等の解説を確認してください。
◇一部駅では黄色ではなく青色灯火になります。
【入換15標識】
◆先の入換信号が停止または入換区間終了のとき(=絶対停止区間が前方に控えているとき)、ここで15km/h制限がかかります。
◇S点と共存していることもあり、効用としては一緒です。
【パターン基準】
◆神戸本線の高速パターンの駅にある、ホーム先端を基準にしたパターンの動作の参考位置です。
◆手前から順に白:40km/h・黄:30km/h・赤:20km/h・緑:10km/hの照査基準を示します。あくまでも基準です。
◇この表示は阪急で高速パターンが初めて神戸線に導入された際、(恐らく)運転士向けへの基準として枕木に塗られた印をモデルにしています。なので、後から導入された他線にはありません。
◇神戸本線でも一部の駅にはありません。高速パターンが当たり前になってからは再塗装されていないので、実物はほぼ消えかかっていますが、BVEでは変わらず遺しています…。
【可動式ホーム柵状態表示灯】
◆可動式ホーム柵のある駅に設けられている表示灯です。
◆停止範囲(±1m)に入ると、左側の青色が点灯します。さらに可動式ホーム柵が開くと、右側の赤色が点灯します。赤色点灯中はATS表示は「N」表示になります。
◆可動式ホーム柵が閉まると、右側の赤色が緑色に変化し、発車できるようになります。
◆発車すると左右とも消灯します。
◆車掌向きの表示灯もあり、黄色に点灯したりしますが、運転士は確認できないので再現していません。
◇停車時に停止範囲(±1m)を超えると、正常通りの動きをしなくなりますので、オーバーランにご注意ください。退行しても同じです。
【時機表示機】
◆高速パターンのある停車場の本線において、乗務員に出発の時機を知らせるものです。
◆レピーターとともに点灯すると発車合図とみなし、車掌がドア閉を行います。
◆この表示が消灯している間は、出発信号が青でもATS表示は「N」となります。
◇後述するレピーターと違い、通過駅の場合は消灯しています。あくまでも「発車の合図」です。
◇回送車が発車する際は出発開通に合わせて点灯します。
<ATS関係以外の標識>
主に停車や制限の標識です。ATS動作とは直接関連がありませんが、運転操作に関わるものがある重要な標識です。
【速度制限】
◆全列車に対して数字の速度制限がかかります。ATS照査はありません。
【制限解除】
◆上記制限区間が終わったことを示します。ただし実際の解除位置は、この標識の位置から編成全部が抜けきった地点になります。
【分岐器速度制限】
◆分岐器の分岐側にかかる速度制限を表します。直進側には制限はありません。解除標識もありません。
【15km/h速度制限】
◆主に終着駅構内にあります。S点と共存していることが多く、必ず20km/h照査(15km/h制限)がかかります。
【臨時信号機 徐行予告】
◆この先に徐行区間があることを示します。下の数字は徐行速度ですが、予告標識なのでこの時点では効果はありません。
【臨時信号機 徐行開始】
◆徐行区間を示します。下の数字は徐行速度です。
【臨時信号機 徐行解除】
◆徐行区間終了の標識です。
◇実質的には速度制限解除と同じなので、解除位置も編成が抜けた場所になります。
【編成抜け位置】
◆制限区間から最後尾が脱出した位置にある標識です。
◆逆三角形の中に数字が書いてあり、その数字の両数が制限区間から抜けたことを示します。
◇補助標識として、特定の状況からの抜け位置標識もあり、その場合は標識の下に番線や説明が記載されています。
【エアセクション】
◆き電区間の区分セクションを示し、手前から赤:開始・緑:終了・黄:解除(両数毎に複数あり)を示します。一部これと違う形状の標識もあります。
◆エアセクション内では停車できません。加速・減速はできます。(データ上は標識を置いているだけなので、停車しても何も起きません)
◆本線では解除の標識は架線柱ごとに10両分が抜けきるまで設置されています(再現の関係上、特に等間隔に置いているわけではありません)。
◆本線では8両編成がセクションから抜けた位置に、上記の【編成抜け】標識があります。
【停止位置】
◆停止位置を表します。運転列車の両数が書かれている位置か、もしくは白無地の停止位置に停めます。
◆千里線天神橋筋六丁目駅と、神戸高速線内は標識が異なります。
◇駅構外にあるものは、本線上折り返し用の停止位置です。
◇一部の駅には、下記のような特殊な条件の停止位置があります。
①京都線系統
堺準:高槻市にあり、平日朝の堺筋準急(天下茶屋行き準急)の専用停止位置です。
分散:駅での分散留置(夜間滞泊)列車用の停止位置です。
②宝塚線系統
豊:豊中にあり、当駅始発列車の専用停止位置です。
③神戸線系統
8通急:武庫之荘にあり、通勤急行の専用停止位置です。
【停止位置 撤去状態】
◆停止位置の「土台」だけの状態で、停止位置ではありません(ここに白い看板を挿して停止位置表示にするものです)。なので基本的に無視してください。
◇主に二通りの事象に伴い残っている物です。
一つ目は京都本線・宝塚本線にて2022年12月ダイヤ改正まで10両編成停止位置があった駅、二つ目は神戸本線にて2011年7月~9月に節電ダイヤに伴い6両編成が運転されていた当時、一部の駅に設置されていたものです。
◇現時点では土台ごと撤去されたものもありますが、BVEでは2022年12月当時の状況に基づき再現しています。
【残距離表示】
◆停止位置表示と同じタイプの標識ですが、こちらは駅に近づくにつれ7→6→5→・・・と減っていきます。これは停止位置までの距離を100m単位で示したものです。
◆駅によっては、一部の標識が存在しない駅もあります。また、1.5のように50m単位の標識がある駅もあります。
◆距離はその駅の一番手前の停止位置から換算した距離です(特定の駅を除く)。
◆最初の残距離表示は、上下に赤線の印が入っています。
【信号待停止位置】
◆場内信号のある一部の駅の、場内信号手前に設けられており、信号待ちをする場合に停止する場所を表します。
◇京都本線以外の大阪梅田駅場内信号にはこの標識はありませんので、スピーカー(トークバック)の立っているあたりで停車して下さい。
【進路予告】
◆副本線がある駅において、自車の進路を予告するもので、信号機に付属しています。
◆両方点灯していれば本線に、片側のみの点灯ならば点灯している側の副本線に、それぞれ進路が開通しています(行先が3線ある場合は、両方点灯が真ん中を示します)。
◇地下駅では形状が異なります。
【進路表示器】
◆複数の進路がある駅の場内信号機や入換信号機に付属しており、開通した進路を数字やアルファベットで表示します。
◇ここで表示する文字は「運転番線」であり、駅ホームの乗り場番号とは必ずしも関連はありません。
<その他の標識>
乗務員が確認し、状況によって判断する標識です。一部ATSと連動するものもあります。
【レピーター】
◆出発信号が開通したことを車掌やホーム係員に知らせる発車合図灯です。出発信号機と連動しています。
【踏切反応灯・障検灯】
◆1灯式の白いもの(画像下)は踏切が閉まっていることを示します(実際は点滅していますが、BVEではギミックの都合上、一部を除き常時点灯しています)。
◆2灯式の赤いもの(画像上)は、障害物検知装置や踏切非常ボタンが作動したときに点滅します(いわゆる特殊信号発光器)。
◇障検が作動した場合、該当踏切を含む閉塞が絶対停止回路になり、それに応じて手前の閉塞の照査状態が決定します。従って該当踏切に近づいているほど、ATSブレーキが長めにかかります。
◇少しだけ作動したのであれば、該当踏切が問題なければ通常運行に戻ってください。
◇障検灯の周りに白い枠が塗られているものがありますが、これは近隣の車止めに付属するセンサーと連動し、車両がオーバーランして車止めのセンサーに接触すると点灯するようです。
◇障検灯に対して、踏切反応灯はたとえ滅灯していてもATSブレーキはかかりません。
【非常停止ランプ】
◆駅ホームにある非常ボタンが押された場合に点灯します。
【可動式ホーム柵用停止位置表示】
◆可動式ホーム柵の動作範囲を運転士向けに示した図ですが、BVEでは仕様上、置いてあるだけですので、これに頼らずBVE側の停止位置アイコンに合わせて停車してください。
【車両停止標識】(画像は一例)
◆構内の終端を表し、入換運転や防護区間の限界地点等を示すものです。
【列車種別確認ほか】(画像は一例)
◆一部の駅手前に設けられています。色々バリエーションがあります。
【作業中区間】
◆その駅の先で、保線作業を行っています。警笛を鳴らして喚起してください。
◇この標識は一部のダイヤでランダムに出現します。