好古家ネットワークの形成と近代博物館創設に関する学際的研究【終 了】
Interdisciplinary Studies on Modern Museum Founding Antiquarians Network
基盤研究(B):2017年度~19年度
研究分野
文化財科学・博物館学
研究代表者◎・連携研究者
内川 隆志 ◎
國學院大學研究開発推進機構 教授
三浦 泰之
北海道博物館 学芸員
長谷 洋一
関西大学文学部 教授
キーワード
物産会/好古家/好古家ネットワーク/文化財保護制度/松浦武四郎/H.v.シーボルト/ライデン国立民族学博物館/大英博物館/尾張物産会/根岸武香/本山彦一/イエナ大学東洋貨幣陳列室/Antiquarians/近代博物館/文化財/ヘンリー・フォン・シーボルト/松浦武四郎生誕200年/武四郎研究の最前線/博物館/松浦武四郎記念館/静嘉堂/シーボルト父子/シーボルト
成果の概要
本研究の核となる3つの中心的研究の成果は以下のとおりである。①「物産会」研究プロジェクトでは、分担研究者の三浦泰之を中心に主に文献調査を実施し、その成果については「近世後期の尾張名古屋物産会について―近代日本の「博物館」前史の一断面」として、報告書に発表した。②「好古家蒐集古物資料の調査」研究プロジェクトでは、静嘉堂文庫や岸武香関係資料調査等を実施し、その成果を報告書に発表した。③「シーボルト父子蒐集古物調査研究プロジェクト」では、ライデン国立民族学博物館所蔵のF. f. v. シーボルト蒐集日本考古学資料、大英博物館収蔵のH. v. シーボルト蒐集日本考古関連資料調査成果を報告書として刊行した。
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本研究の詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
本研究の一環として、本学博物館において企画展 「古物を守り伝えた人々―好古家たち Antiquarians―」を開催しました。
企画展 古物を守り伝えた人々―好古家たち Antiquarians―
2020(令和2)年1月25日(土)~3月15日(日)
江戸時代中期以降、古器物に関心を寄せる人々が国学者や武家、町人など各層に広がり、彼らは総じて「好古家」と呼ばれました。
日本の文化財保護の歴史を紐解くと、そこには古代より時の権力者や時代を担った数多の文化人達によって様々なかたちで展開されてきた事実があります。特に幕末維新期においては、廃仏毀釈によって荒廃した仏教美術や廃藩置県の混乱から古器物を保護する動きが活発になりました。また、わが国初の文化財保護を謳った「集古館設立の献言」と大学南校による物産会の開催、太政官による「古器旧物保存方」の布告、ウイーン万国博覧会参加準備や文部省博覧会など幾多の事業を展開するなかで、いずれの局面においても、そこには、これらの事業を共に支える好古家達がいました。
本企画展では、近世から近代にかけて好古家と呼ばれた古物の研究、蒐集家に焦点を当て、彼らの果たした役割についてあきらかにします。
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