シアノバクテリアの研究

シアノバクテリア(Cyanobacteria)は、植物と同じように、水を分解して酸素を発生する「酸素発生型」の光合成を行います。別名:ラン藻とも呼ばれますが、英語名にある通り、原核生物であるバクテリアの1系統です。光合成の基本的な仕組みが植物と非常に似ており、植物の葉緑体の起源に深くかかわると考えられています。葉緑体を知りたいのならそのルーツのカギを握るシアノバクテリアのことも知る必要がる、ということで、シアノバクテリアの研究も行っています。

研究発表:光合成と細胞増殖が窒素を欠乏したラン藻の光捕集アンテナの分解量を決める

ラン藻(シアノバクテリア)は,植物とともに地球上での光合成を担う重要な一次生産者です.窒素固定を行わないタイプのシアノバクテリアは,必須の栄養素である窒素を欠乏すると「フィコビリソーム」とよばれる巨大な色素タンパク質複合体を分解します.本研究では,ラン藻の一種であるシネコシスティスを用いて,窒素欠乏時のフィコビリソームの分解と光合成,細胞増殖との関係について調べました.その結果,窒素欠乏時に細胞が光合成や増殖を行うことで,フィコビリソームの分解が引き起こされることを突き止めました.また,光合成と細胞増殖は互いに密接に関連しあい,フィコビリソームの分解量を決めていることを明らかにしました.→全文はこちら