Teachers

丹 秀也 (Shuya Tan)

2012-2016 大阪大学理学部

2016-2021 東京大学大学院地球惑星科学専攻

2021-現在 東京工業大学地球生命研究所 研究員

研究キーワード

惑星化学、内部海、酸化還元状態、熱水環境

現在の研究に興味を持ったきっかけ

木星の衛星エウロパを中心に、氷衛星と呼ばれる天体の化学的環境について研究をしてきました。そのきっかけとなったのは、2000年代の探査機による土星衛星に関する数々の衝撃的な発見を目にしたことでした。地球とはまるで違う、異世界のような天体の姿に引き込まれたのを覚えています。逆にそうした環境を自分の研究対象としてから、地球での既知の現象や実験室での再現をベースに理解を試みてきたのは、今考えると少し面白い話です。

参加者へひとこと!

「生命の起源や地球外における存在」は過去にはSFめいた話題でしたが、あらゆる視点からの研究の積み重ねによってようやく科学的な議論ができる時代になりつつあると感じています。そのため私自身としても専門外のテーマが多い分野ではありますが、みなさんの興味、関心の糸口となる話題を提供できれば嬉しく思います。

小池 みずほ (Mizuho Koike) 個人HP

2008-2012 東京大学 理学部地球惑星物理学科

2012-2014 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻(修士)

2014-2015  民間企業

2015-2018 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻(博士)

2018-2020 日本学術振興会特別研究員PD (JAXA宇宙科学研究所)

2020-現在 広島大学 理学部 地球惑星システム学科 助教

研究キーワード

火星、隕石、惑星の表層環境、同位体、化学分析

地球外生命がいるとしたらどこ?

かつての火星には、湖や河川などの液体表層水が存在し、生命に適した環境だったのではないか、と期待されています。一方、現在の火星の表層は冷たく、大気が薄く、ひからびて見えますが、地下には大量のH2O(氷など)が貯蔵されていることが分かってきました。さらに、この地下水の一部は液体の状態で保持されている可能性も指摘されています。個人的に、火星の地表〜地下岩石には、大昔の「火星生命」の痕跡が残っているのではと思います。もっとポジティブに考えれば、現在も「火星生命」が何らかの形で継続しているかもしれませんね。遠くない将来、隣の惑星に地球外生命が発見されるかもしれません。

参加者へひとこと!

私が子どもの頃にはまだあまり馴染みのなかった「アストロバイオロジー」という学問が、こうして多くの高校生〜大学院生のみなさんに注目されていることを嬉しく思います。どのような天体(環境・場所)に、どんな地球外生命が存在(誕生〜進化)できるのか、どうやったらその地球外生命と出会えるのか、ぜひ一緒に考えましょう。KAC2022でみなさんにお会いできることを楽しみにしています!

八木 創太 (Sota Yagi) 研究室HP Twitter

2011 東京薬科大学 生命科学部 卒業

2013 東京薬科大学大学院 生命科学研究科 博士前期課程 卒業

2016 東京薬科大学大学院 生命科学研究科 博士後期課程 卒業

2016-2018 東京薬科大学 極限環境生物学研究室(山岸明彦ラボ) 嘱託研究員

2018-2020 理化学研究所 高機能分子開発ユニット(田上俊輔ラボ) 博士研究員

2020-現在 同 基礎科学特別研究員

研究キーワード

タンパク質工学、タンパク質進化、構造生物学、RNAポリメラーゼ

お気に入りの本あるいは論文

不真面目な答え:週刊少年ジャンプ

真面目な答え:A magnetic protein biocompass. Nature Materials. volume 15, pages 217–226 (2016) 論文URL

動物が磁場を感知することは知られていたが、それがどのようなメカニズムかはわかっていなかった。そんな中でコンパスのように磁場を感知するタンパク質が同定された、という論文。アストロバイオロジーとは関係しないかもしれないが、タンパク質の可能性を感じる論文。

参加者へひとこと!

ヤル気漲る若い皆さんとお話しできること楽しみにしています。

成田 憲保 (Norio Narita)

2008年,東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程終了(理学博士).日本学術振興会特別研究員,国立天文台特任助教,東京大学大学院理学系研究科天文学専攻助教,自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター特任准教授などを経て,2020年4月より東京大学先進科学研究機構教授.

これまでに日本惑星科学会最優秀研究発表賞,日本天文学会研究奨励賞,国立天文台若手研究者奨励賞,日本地球惑星科学連合の第4回地球惑星科学振興西田賞などを受賞.

研究キーワード

系外惑星、観測、装置開発、異分野連携

現在の研究に興味を持ったきっかけ

大学3年生の時に物理学科の企画で最新の宇宙研究を調べて一般向けに紹介するグループのリーダーを務めました。その時にインタビューした佐藤勝彦先生に紹介された最新の宇宙研究の一つが系外惑星の研究でした。

参加者へひとこと!

系外惑星やアストロバイオロジーの研究はまだまだこれから広がっていく新しい分野です。この分野を担う人たちが参加者の中から出てくることを期待しています。

高橋 葵 (Aoi Takahashi)

2014  東北大学理学部宇宙地球物理学科天文学コース 卒業

2019  総合研究大学院大学物理科学研究科宇宙科学専攻5年一貫制博士課程 卒業

2019-現在 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 特任研究員

研究キーワード

惑星間塵、系外惑星、光赤外天文学、宇宙望遠鏡、観測装置開発

地球外生命がいるとしたらどこか

微生物のようなものまで含めた生命ということで言うと、宇宙の至る所に存在するのではないかと期待しています。太陽系内だけで見ても地下に水を持つことが示唆されている惑星・衛星が複数ありますし、その上近年では太陽以外の恒星の多くが様々な形態で惑星を持つことがわかってきています。そのような惑星の中には地球生命からは想像もつかない生命体が存在するものもあると思うので、いつか地球人がそれらを観察して共通点や違いを学ぶ時代が来れば面白いなと思っています。

参加者へひとこと!

アストロバイオロジーという比較的未開拓の研究分野では、誰も答えを知らないことばかりです。KACでは若い皆さんからヒントをもらうことも多いと期待しているので、ぜひ一緒に考える3日間にしましょう!

藤田 浩徳 (Hironori Fujita) 研究室HP

自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター 助教

1997年、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了(博士(理学)取得)。以降、日本学術振興会特別研究員、博士研究員(基礎生物学研究所、東京大学、新潟大学)、基礎生物学研究所助教等を経て、2019年3月よりアストロバイオロジーセンター助教に着任。 


研究キーワード

自己組織的パターン形成、数理モデル、植物形態形成

今注目しているor今後扱いたい研究対象

走化性により駆動される大腸菌細胞集団の時空間的パターン形成

牧田 寛子 (Hiroko Makita)

横浜国立大学大学院工学府システム統合工学博士課程修了後、分析機器メーカーアプリケーションケミスト、海洋研究開発機構極限環境生物圏研究センター、同機構深海・地殻内生物圏研究分野技術主任を経て、2018年10月より東京海洋大学に着任

研究キーワード

海洋性微生物、鉄、極限環境、独立栄養細菌、鉱物利用微生物

大丸 拓郎 (Takuro Daimaru) Twitter note Instagram

2008-2012 東北大学 工学部 機械知能・航空工学科

2012-2017 東北大学 工学研究科 航空宇宙工学専攻(博士)

2017-現在 NASAジェット推進研究所 サーマルエンジニア

研究キーワード

惑星探査機の熱設計(火星・エウロパなど)