Keio Astrobiology Camp 2024
慶應アストロバイオロジーキャンプ2024無事終了!
来年の開催については決定次第、当ページで掲載致します。
アストロバイオロジーって何?
アストロバイオロジー(宇宙生物学)とは地球だけではなく、宇宙における普遍的な生命を対象とした超横断的学問分野です。具体的には地球や宇宙における生命の起源、地球の極限環境や地球以外の天体における生命の存在可能性、地球生命の宇宙進出に向けた技術開発などが含まれます。アストロバイオロジーはその学際的な性質から生物学だけではなく、天文学、地球惑星科学、合成生物学、無機・有機化学、物理学、工学など、様々な分野の協働・共創を必要とします。現在では複数の異なる分野の研究グループが協力し、アストロバイオロジーに関連する研究を推し進める例も多くあります。
慶應アストロバイオロジーキャンプって何?
慶應アストロバイオロジーキャンプとは、アストロバイオロジーに興味を持つ高校生から大学院生までの学生を対象としたイベントです。様々な分野の研究者から最先端の研究に関するお話を聞き、同年代の仲間と最新のアストロバイオロジーについて議論できる、密度の濃いイベントとなっています。
詳しくはプログラム をご覧ください。
プログラムオーガナイザーより
はじめまして。慶應アストロバイオロジーキャンプ2024のオーガナイザーを務める西村です。
私は現在東京大学大学院とJAMSTECでアストロバイオロジーに(ちょっとだけ)関連した研究を進めています。高校生の時分から、なんとなく深海や宇宙に興味がありましたが、当時はただ漠然とした興味であって、深海熱水系に生命の起原を見出すような研究や、地球外生命を探すような研究に真っ向から取り組める、超魅力的な分野があることは知りませんでした。そんな折、たまたま紹介してもらった本キャンプの2017年大会に参加したことが、私がアストロバイオロジーという底なし沼にどっぷりはまり込むキッカケとなりました。アストロバイオロジー初心者だったこともあり、講演の内容は正直あまり理解できなかった気がしますが(今年も初心者大歓迎です!)、この分野でなにか大きいブレイクスルーを起こせたら研究者として何者かになれそうな気がしてワクワクしたことを覚えています。
私にとってそうだったように、皆さんにとってこのKAC2024が、ご自身の研究者生命、もしくは人生を左右するような原体験となるようにサポートすることが、私のオーガナイザーとしての一番の仕事だと思っています。
近年、アストロバイオロジーは非常に多様化しています。またJAXAの「はやぶさ2」とNASAの「OSIRIS-REx」の素晴らしい成功に代表されるように、各領域で加速度的に研究が進行している感があります。KAC2024ではアストロバイオロジーに関する幅広い分野から、各分野を代表する研究者の方々を講師としてお迎えし、教科書レベルを超えた最先端の研究内容についてご講演頂く予定です。また、KAC2024では、参加者が協力して宇宙生物学の命題である「宇宙における生命の起源、分布、未来」について自分たちの頭で考える機会を提供します。日本全国から集まった志を同じくする仲間たちと、アツい議論を繰り広げて頂ければと思います。
最後に、アストロバイオロジーに限らず研究を進める上では人との繋がりが非常に重要です。特にアストロバイオロジーのような多分野融合型の学問領域では、各分野のスペシャリストたちによる協働こそが醍醐味であり、新しい視点から現象を捉えることでイノベーションへと至ります。本大会で出会う人は互いに初対面の場合がほとんどだと思いますが、相手が誰であろうと(講師であろうと)臆せず、遠慮せず、人の輪を広げて行ってもらえたらと思います。それが将来の共同研究の端緒となれば最高です。
KAC2024をよろしくお願いいたします。一緒にアストロバイオロジーを全力で楽しみましょう。
皆さんのご参加を心よりお待ちしています。
KAC2024プログラムオーガナイザー 西村 大樹
開催概要
協力:生命の起原および進化学会、大学共同利用機関法人自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター
後援:山形県
共催:鶴岡市
日時:2024年3月18日 (月) 13:30 ~ 3月20日 (水) 12:00
場所:慶應義塾大学先端生命科学研究所 (山形県鶴岡市)詳細はこちら
対象:高校生・高専生・大学生・修士課程学生 (現時点で高校生以上の方を対象とします)
募集人数:25名
募集開始 : 2024年1月4日(木)
募集締切 : 2024年1月29日(月) 申し込みを締め切りました。
参加費:
高校生、高専生(1-3年) 30,000円(予定)(含む宿泊費、現地交通費、食費、エクスカーション費)
大学生、高専生(4年~)、大学院生 10,200円(予定)(含む現地交通費、食費、エクスカーション費)
*高校生及び高専生(1-3年)は原則として、主催者側で準備する鶴岡駅近くのスーパーホテル山形・鶴岡に宿泊いただきます。(2泊分の宿泊費が上記参加費に含まれております)(鶴岡市、酒田市からのご参加者は別途事務局へご相談ください)
*大学生、4年以上の高専生はご自身でホテルをおとりください。(主催者側では準備しません)
>鶴岡駅周辺のホテルの例はこちらをご覧ください。
*自宅から開催地までの交通費は別途自己負担となります。
*上記金額は今後変動する可能性があります。
プログラム内容 : 講師の先生によるレクチャー、グループワーク、成果発表会
全日程の出席および所定の発表要件と課題を満たすことで、本大会公認の修了証 (サーティフィケート)を発行します。
応援メッセージを頂きました!
いろいろ故あって、宇宙論、地球物理学、天体物理学、系外惑星学と専門を変え、代表を務めたGCOE「地球から地球たちへ」プロジェクトでは進化生物学やゲノム科学の人たちと一緒にやり、2022年までの10年間副所長を務めた「地球生命研究所 (ELSI)」では生化学、合成生物学、複雑系科学の人たちと一緒にやってきました。
その中で失敗しながら痛感したことは、アストロバイオロジーのような分野融合・学際分野の研究を進めるときには、「礼儀正しく領空侵犯をする」ことが重要ということです。
相手が歩み寄ってきてくれることを待っていては何も始まらないので、まずは相手側の領域に自ら踏み込むことが必要です。一方で、相手分野の様式やしきたりは尊重した上で自分独自の新規性を持ち込まないと、交流は生まれないと思いました。言うは易く行なうは難しですが。
でもまあ若い人たちは、まずは戦略なんか立てないで、自由に興味持ったことに遠慮なしに突き進んでください。少々乱暴でもいいです。同時に自分なりの唯一無二の専門性やスキルも磨いていってください。丸腰では行き詰まります。ある程度、自分の専門やスキルが確立してきたら、僕の言葉(失敗談?)を思い出してくれたらいいなと思います。
生命の起原および進化学会 副会長
日本天文学会 会長
東京工業大学地球生命研究所 教授
井田 茂
「結局、宇宙人っているの?」
天文学や、ましてはアストロバイオロジーの研究をしているとよく聞かれる質問です。「地球人も宇宙の中の生命だから、立派な『宇宙人』じゃないですか?」などと言ったりすることはありますが、「地球以外に」生命がいるかはまだ誰も答えを持っていません。個人的には、「たくさん系外惑星も見つかってるし、どこかにいるんじゃないかなー」などと楽観的に考えたりしますが、そのまま生物学の先生に言ったりすると怒られかねないセリフでもあります。
専門としている分野によって、持っている印象なども違うことが多く、他分野の先生と話していると、実は全然違うイメージを持っていたということもあります。そこに気がついてさらに一歩進んでみると、新たしい発見があることもあります。
みなさんも専門分野や、まだ決まっていなくても自分のやりたいことがあると思います。分野が違うなとか、ちょっと関係ないなと思っても、もう一歩踏み込んでみると、面白い世界が広がっているかもしれません。その中で、自分ができる研究を一つ一つ進めていくと、アストロバイオロジーの研究につながるのではと思います。
大学共同利用機関法人自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター
日下部展彦
先端アストロバイオロジープロジェクト公式X
大会に関する情報や当日の様子は #KAC2024 でお知らせします。