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浦井 暖史 (Atsushi Urai) 個人HPResearchmap
2008-2012 信州大学理学部物質循環学科(学士)

2012-2014 信州大学大学院理工学系研究科(修士)

2014-2017 株式会社エスコ

2017-2021 海洋研究開発機構生物地球化学分野   (RA, 研究生)

2018-2021 信州大学大学院総合医理工学研究科(博士)

2021-現在 海洋研究開発機構生物地球化学センター(JSPS特別研究員)

2021-現在 慶應義塾大学教職課程センター(非常勤講師)

研究キーワード

メタン、メタン生成菌/メタン酸化菌、放射性炭素、化合物レベル安定同位体比分析、諏訪湖

初期生命の特徴を持つメタン酸化菌を研究する
これまでの研究では、メタンを作り出す微生物(メタン生成菌)をメインに扱ってきましたが、逆にメタンを消費する微生物(メタン酸化菌)も存在します。これらの微生物は、地球上のメタン放出プロセスに深く関わっているだけでなく、地球の初期生命に通じる生物でもあります。今後はメタン酸化菌についても深く理解すべく、研究を進めているところです。

参加者へひとこと!
はじめまして。海洋研究開発機構の浦井です。私はこれまで、地球表層水圏や深部地下水圏に生息する (微)生物を対象とした研究に取り組んでいて、現在は地下深部に生息するメタン生成菌やメタン酸化 菌に注目した研究を行っています。私が所属するラボでは、「はやぶさ 2」が持ち帰った「りゅうぐう」のサンプルを分析するなど、アストロバイオロジー関係の研究者が多くいる環境ですが、私自身は これまでアストロバイオロジーに関連した仕事はしていませんでした。今回、共同研究者からの招待を 受けての参加となりますが、アストロバイオロジーに直接関係しない研究や、私自身の研究者としての歩み、なども紹介させて頂き、未来ある若者に少しでも多くの選択肢を提示できればと思います。

上妻 馨梨 (Kaori Kohzuma)
2008年 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科(博士)
その後、Washington State University、 Michigan State University  、広島大学、東北大学、東京大学を経て、2022年より自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターに勤務。

研究キーワード
植物、光合成、反射分光、リモートセンシング、レッドエッジ、環境応答、ストレス応答、スマート農業

植物の環境応答研究を通して宇宙農業実現を目指す
日差しが強く暑い夏。寒い冬。移動することができない植物はさまざまな生理応答を調節しながら環境に適応しています。それらの挙動は目で視ることは困難ですが、ハイパースペクトルカメラを用いて特定の波長を観察することでいろいろな現象を捉えることができます。私は植物の光合成応答を可視化する研究を行っています。この技術はハビタブルプラネットの調査にも活用できると期待しています。植物の環境応答の研究をはじめたのは、子供の頃に農作物を完全管理する宇宙農業に興味を持ったことがきっかけでした。

参加者へひとこと!
長年植物の研究をしていたら天文分野と繋がりました。学問に決まった形や無駄はありません。自由に自分の興味の方に向かって下さい。

小正 瑞季 (Mizuki Komasa)
SPACE FOODSPHEREウェブサイト インタビュー

一般社団法人SPACE FOODSPHERE 代表理事
リアルテックホールディングス株式会社 グロースマネージャー 

2008年に慶應義塾大学大学院(バイオインフォマティクス専攻)修了後、三井住友銀行、SMBC日興証券を経て、2015年にリアルテックファンドへ参画。月面輸送船、小型レーダー衛星、超小型衛星、アバターロボット、食料生産技術、資源再生技術など人類の宇宙への生存圏及び経済圏の拡大に必要となる技術を持つベンチャーを幅広く支援する。2019年にJAXAやシグマクシスら30以上の企業等と共に世界初の宇宙食料マーケット共創プログラムSpace Food Xを創設。2020年には地球と宇宙の食の課題解決を目指す一般社団法人SPACE FOODSPHEREを創設し代表理事に就任。2021年より内閣府が主導するスターダストプログラムの「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」戦略プロジェクト(農林水産省主管)の研究開発責任者を務める。月面から娘と地球を眺めることと、火星を拠点に友と生命探査を行うことが目標。

研究キーワード
食料生産技術、資源再生技術、QOL向上技術、宇宙工学

有人宇宙探査を目指したインフラを構築する
大学〜大学院時代の生命科学の研究を経て、宇宙生命探査への関心が高まり、無人及び有人の宇宙生命探査を高頻度に行うためのインフラを構築したいと思うようになった。現職のリアルテックファンドでは、小型探査機の開発を行うベンチャーなど宇宙関連ベンチャーを幅広く支援し、もう一つの現職のSPACE FOODSPHEREでは有人探査を加速するための有人滞在技術の開発を行っている。

参加者へひとこと!
夢を持たねば実現せず。その言葉を胸に走り続けた15年間でした。皆さんにも、自分の心のコンパスの方向を敏感に感じ取って、突き進んで欲しいと思います。当日は参加者の皆さんの想いを聞けるのも楽しみにしています。

古林 太郎 (Taro Furubayashi) 日本語総説
2011-2013 東京大学 理学部 生物情報科学科
2013-2018 大阪大学 生命機能研究科
2017-2019 日本学術振興会 特別研究員DC2 (大阪大学 生命機能研究科)
2019-2020 フランス国立科学研究センター 研究員
2020-2021 東京大学 工学系研究科 特任研究員
2021-現在 日本学術振興会 特別研究員PD(東京大学 工学系研究科)

研究キーワード

人工細胞、進化工学、無細胞バイオテク、普遍生物学、生命の起源

お気に入りの本:生命とは何か―複雑系生命科学へ (金子邦彦)
学部時代の自分に全く新しい世界観を提示し、この世界に導いてくれた一冊です。

参加者へひとこと!
アストロバイオロジーは物理・化学・生物学が見事に交差する、楽しく夢のある研究領域だと思います。皆さんが意欲ある同世代の仲間と共に、このキャンプをめいっぱい楽しまれますよう願います。

奥谷 彩香 (Ayaka Okuya)
2013-2017 慶應義塾大学 理工学部物理学科
2017-2019 東京工業大学 地球惑星科学系 (修士課程)
2019-2022 東京工業大学 地球惑星科学系 (博士課程)
2022-現在 国立天文台 日本学術振興会特別研究員(PD)

研究キーワード

系外惑星、惑星組成、惑星形成・進化、白色矮星の重元素汚染

太陽系外の固体惑星の性質・起源を解き明かす
小学生のときに科学図鑑を読み、ブラックホールという想像をはるかに超えた天体を知ったことをきっかけに、宇宙の様々な謎に興味を持ちました。特に、「この宇宙に地球と似た惑星はあるのだろうか?」という疑問を強く抱き続け、大学の講義で初めて太陽系外惑星の存在を知りました。講義では、自身が既に知っている物理を駆使して太陽系内の惑星たちの特徴が説明されると同時に、その予想が未知の系外惑星までに適用されうることを学んだことがとても印象的でした。現在は、当初抱いた問いに答えるべく、数値シミュレーションに基づいて太陽系外の固体惑星の性質・起源を解き明かす理論研究に取り組んでいます。

参加者へひとこと!
アストロバイオロジーは生命科学、化学、惑星科学、天文学などの幅広い分野にまたがる非常に新しい学問です。私自身まだまだ学ぶことがいっぱいありますが、分野の垣根を超えて、私の研究が皆さんの興味・関心の糸口になることを、そして皆さんからの柔軟なアイデアに刺激をもらえることを楽しみにしています!

尾崎 直哉 (Naoya Ozaki)
Twitter: naoya_ozakiFacebook: naoya.ozaki
博士(工学,東京大学,2018年)。JAXA宇宙科学研究所・テニュアトラック特任助教 / 宇宙ミッションデザイナー。世界初の超小型深宇宙探査機PROCYON(プロキオン)の開発や深宇宙探査技術実証機DESTINY+等の多くの深宇宙探査ミッションに携わる。ESA・NASA・JAXAの3機関にて修行を積んだ軌道設計のスペシャリスト。

研究キーワード

軌道設計、ミッション設計、宇宙機システム、超小型衛星、機械学習

はやぶさ計画をきっかけに軌道設計の道へ
はやぶさ初号機が地球帰還のときに学部生だったのですが,プロジェクトマネージャの川口先生が軌道設計を専門にしていたことから関心を持ち,物理・数学が好きだったので,軌道設計の研究の道を志しました.


お気に入りの本あるいは論文:
Yuval Noah Harari , Sapiens: A Brief History of Humankind
Ashlee Vance , Elon Musk: Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future
的川 泰宣 ,月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡
Steven W. Ruff, Jack D. Farmer, “Silica Deposits on Mars with Features Resembling Hot Spring Biosignatures at El Taito in Chile,” Nature Communication, 2016

参加者へひとこと!
いま世界の宇宙開発は急速に発展しています.10年先には,いま見えている世界とは全く違うものが見えていることでしょう.そんな世界を想像しながら心を躍らせつつも,そんな世界の中で自分たちの爪痕を残すために,どういうアクションが取れるだろうかということを一緒に考えていきましょう!

菅野 菜々子 (Nanako Kanno)
2014 首都大学東京大学院理工学研究科博士後期課程修了(理学)

2011-2014 日本学術振興会 特別研究員(DC1)

2014-2015 首都大学東京大学院理工学研究科生命科学専攻 客員研究員(環境微生物学研究室)

2015-2018 首都大学東京大学院理工学研究科生命科学専攻 特任研究員(光合成複合微生物研究室)

2018-2019 水産研究教育機構中央水産研究所水産生命情報研究センター 研究支援職員(環境ゲノムグループ)

 首都大学東京大学院理工学研究科生命科学専攻 客員研究員(光合成複合微生物研究室)兼任

2020-2022 関西学院大学理工学部 博士研究員

2022年-現在 関西学院大学理工学部 研究特別任期制助教

研究キーワード

顕微ラマン分光、シングルセル解析、原核生物の光合成、環境ストレス応答

お気に入りの本:光合成細菌-酸素を出さない光合成-(嶋田敬三・高市真一 編)
光合成は生物が持つ太陽光エネルギー変換システムです。微生物の行う光合成には多様な型があり、光合成細菌はその能力を使って私たちに身近な環境から極限環境まで広く分布しています。当書は酸素非発生型光合成細菌の光合成分子機構から生態、進化に至るまで網羅した名著です。

参加者へひとこと!
初めましてこんにちは。私は現在、細菌やアーキアについて「ラマン顕微鏡」という装置を使った分析研究を行っています。私は学生の頃からずっと微生物を扱ってきたのですが、微生物をもっとよく観察したい!という興味からラマン顕微鏡にたどり着きました。みなさんはアストロバイオロジーのどのようなところに惹かれますか?興味は研究の大きな原動力です。みなさんの興味の赴くまま、このキャンプを思いっきり楽しんでください。