Keio Astrobiology Camp 2023

慶應アストロバイオロジーキャンプ2023終了
今年も皆様のおかげで無事に開催することができました。ありがとうございました。来年度については更新をお待ちください。

アストロバイオロジーって何?

アストロバイオロジー(宇宙生物学)とは地球だけではなく、宇宙における生命を対象とした超横断的学問分野です。具体的には地球や宇宙における生命の起源、地球の極限環境や地球以外の惑星における生命の存在可能性、地球生命体の宇宙進出に向けた技術開発などが含まれます。アストロバイオロジーはその学際的な性質から生物学だけではなく、天文学、地球惑星科学、合成生物科学、無機・有機化学、物理学、工学など、様々な分野の知識を必要とします。現在では複数の異なる分野の研究グループが協力し、アストロバイオロジーに関連する研究を推し進める例も多くあります。

慶應アストロバイオロジーキャンプって何?

慶應アストロバイオロジーキャンプとは、アストロバイオロジーに興味を持つ高校生から大学院生までの学生を対象としたイベントです。様々な分野の研究者から最先端の研究に関するお話を聞き、同年代の仲間と最新のアストロバイオロジーについて議論できる、密度の濃いイベントとなっています。

詳しくはプログラム をご覧ください。

プログラムオーガナイザーより

こんにちは。この度、慶應アストロバイオロジーキャンプ2023のプログラムオーガナイザーを務めることとなった瀬尾海渡と申します。

 

大学1年だった私が「宇宙生物学(アストロバイオロジー)」という言葉に惹かれ、当時行われてきた宇宙生物学勉強会に飛び込んだのが8年前。その後、同2015年に慶應義塾大学先端生命科学研究所先端アストロバイオロジー研究グループが発足、広い分野を横断する宇宙生物学を日本全国の高校生と大学生に学び体験してもらうため、慶應アストロバイオロジーキャンプ (Keio Astrobiology Camp : KAC)を過去6回にわたり実施してきました。そしてとうとうオーガナイザーという立場を務めることとなり、時の流れを実感しております。

KACは、高校生や大学生が宇宙生物学に関する最先端の研究に触れ、研究者らと交流し、宇宙生物学の命題である「宇宙における生命の起源、分布、未来」について自分たちの頭で考える機会を提供したいという思いを持っています。国内外の研究者らの力をお借りし、様々な研究分野の講演、そして学生によるグループワークを主に行ってきました。

 

おかげさまで2016年から2022年にかけて述べ300名以上の高校生・高専生・大学生・大学院生にご参加頂きました。 昨年は社会情勢のため引き続きオンラインにて開催し、コロナ禍で培った経験を活かして無事成功を収めることができました。また、次こそはオンサイトでお会いしましょうという締めくくりの言葉もありました。

刻一刻と変化する情勢の中ではありますが、慶應義塾大学先端生命科学研究所では対面イベントの開催に踏み切っており、新たな環境においてもスムーズな運営が可能なノウハウを積み重ねてきております。

 

そのおかげで慶應アストロバイオロジーキャンプ2023とうとう対面開催とする予定です!

感染対策をしっかりとしながらも、しかし全く新たな3日間となるよう準備を進めております。


本大会は人とアストロバイオロジーを繋ぐだけではなく、人と人とをつなげる場所であると考えております。興味を同じくする同志や、多分野の研究者・講師の方と最先端の研究について学び存分に語り合うことで持った交流は、大会後も貴重なつながりになると思います。そういった繋がりが研究と結びつくことで、アストロバイオロジー研究が更に盛り上がっていくことを期待しております。


慶應アストロバイオロジーキャンプ2023をよろしくお願いいたします。

皆さんのご参加をお待ちしております。

KAC2023プログラムオーガナイザー 瀬尾海渡

開催概要

主催:慶應義塾大学先端生命科学研究所

後援:山形県、鶴岡市

日時:2023年3月19日 () 13:00 ~ 3月21日 () 12:00 

場所:慶應義塾大学先端生命科学研究所 (山形県鶴岡市)詳細はこちら

対象:高校生・高専生・大学生・修士課程学生 (現時点で高校生以上の方を対象とします)

募集人数:36

申込締切 : 20231月31日() 2月6日(月)17:00                

参加費:無料(但し、交通費宿泊費及び食事に係る費用は参加者負担)

内容 : 講師の先生によるレクチャー、グループワーク、成果発表会 

    全日程の出席および所定の発表要件と課題を満たすことで、本大会公認の修了証 (サーティフィケート)を発行します


海洋研究開発機構

生物地球化学センター

自然科学研究開発機構

アストロバイオロジーセンター

東京大学

工学系研究科

国立天文台

関西学院大学

理工学部

宇宙航空研究開発機構

宇宙科学研究所

一般社団法人SPACE FOODSPHERE

リアルテックホールディングス株式会社

応援のメッセージを頂きました!

20年前、大学院生だった私は、日本が世界で初めて小惑星サンプルリターン(初代「はやぶさ」)を計画しているという話を指導教員から聞きました。それ以来、いつの日か自分も小惑星探査に関わりたいと夢見て、隕石などの地球外物質の研究を続けてきました。

20年経ち、私の実験室には、探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの微粒子がいました。リュウグウと私の“ふたりだけ“の空間にいると、なぜか不思議と心が落ち着くのです。46億年の時間を超えて自分のご先祖と対面を果たしていることに、じわじわとこみ上げる感動をかみしめながら、試料分析を通してリュウグウと対話しつづけた1年間は、かけがえのないものになりました。

高校生、大学生、大学院生の皆さんが、アストロバイオロジーキャンプでビビッと来るものがあったら、もしかしたらそれは皆さんの人生を賭けた出逢いかもしれません。皆さんの夢はきっと叶いますよ。地球人として、一緒に宇宙に飛び出しましょう!


生命の起原および進化学会  会長

広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授

薮田ひかる

ハッブル宇宙望遠鏡の後継機とも言われるJWSTが打ち上がり、次々と新しい宇宙の姿を地上に届けてくれています。宇宙の地平を広げるであろうこの望遠鏡は太陽系外惑星探査にも力を発揮し、まだ直接は見えない地球型系外惑星のあらたな情報を私たちに届けてくれる可能性があります。JWSTだけでなく、地上のさまざまな望遠鏡からも、系外惑星探査は世界中で進められています。

地球のような惑星に酸素があれば?液体の水があれば・・・?その先の問いには天文学だけでは辿り着けません。「この宇宙で私たちは孤独な存在なのか?」という古くからある命題に、様々な分野の研究者が協力しながら研究を進めています。しかし、アストロバイオロジーの分野はまだ若く、直接的な研究は難しいのが現状です。

そのため、天文学や生物学など、まずは自分の研究の軸を持った上で、その延長線上にある 「宇宙における生命」の糸口を手繰り寄せることが重要です。

皆さんの一本一本の糸を紡ぎ、「宇宙における生命」につながる大きなロープを作ってみませんか?

大学共同利用機関法人自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター

日下部展彦

先端アストロバイオロジープロジェクト公式Twitter

大会に関する情報や当日の様子は #KAC2023 でお知らせします。