研究集会要項
1.研究テーマ
「子どもたちの生きぬく力の育成」 —― 座席表の活用を通して —―
5年の社会科の教科書で「米作りのさかんな地域」の最初のページに、山形県の庄内平野の写真が見開きで出てくる。その鮮やかな写真に思わず見入ってしまった。
この写真からいろいろな気付きや疑問、調べてみたいことなどが出てくるのではないだろうか。久しぶりに社会科の教科書を見て元気が出てきた。鳥海山や最上川、カントリーエレベーター等。一人一人が持つ気付きや疑問を通して、子どもたちの持つ多様な考えを生かした単元展開を考えていきたいと思った。
全体の景色として単元展開の中に子どもたちの考えたいことや調べたいことを位置付けていく。問題解決学習としての話し合い活動を通して、一人一人の考えが幅の広い確かなものになるよう集団としての高まりをめざしたい。
座席表には、授業前、考えノートなどをもとにその子の調べたことや考えたことを書き出し、子どもたちの考えをつかむ。本時の授業後には、本時で分かったことや感想などを書き込む。さらには、教師のその子にかける願いなども書きたい。その積み重ねでできた座席表を単元を通して追っていけば、その子の変容の様子をとらえることができるのではないだろうか。また、座席表を子どもたちに返し、それぞれに読み取とらせることによって相互理解や仲間作りにも生かしたいと、思いが広がった。
しかし、学校現場では、コロナ禍の元、昨年以上に不登校の子どもの数が増えている。コロナ不安が大きいとのことだ。また、PCR検査で陽性の子どもが徐々に出てきている現状もある。2学期が始まり、夏休み後に再会した子どもたちは、密にならないように、大きな声で話さないようにと注意を受け、休憩時間にはマスク姿で談笑している。子どもたちは、子どもらしさを抑えた生活を強いられているのである。
私たちは、こんなコロナ禍だからこそ、子どもたちの生きぬく力を育成していかなくてはならないと考えた。
本実践の検討においては、座席表と授業記録から子どもの様子をとらえ、座席表を通して、教師自身の子ども理解がどのように深まったのか、また、単元展開の中でその子の考えをどのように生かすことができたのかということを考え合いたい。
座席表は、授業づくり・仲間づくり・生活指導等々で活用され、子ども理解に生かされると考える。また、一枚の座席表で読み取ったこと、単元を通して書き重ねた座席表から読み取ったこと、それらが子どもたちの生きぬく力の育成にどうつながったのか等々を考える手立てともなりうるとも考えている。参加された皆さんには、皆さん自身の実践をもとに、座席表の具体的な活用例を出していただけるよう呼びかけたい。
多数の先生方の参加と積極的な発言で考え合えることを期待しています。
2.日程 2022年1月9日(日)
3.時程
13:30 (1) はじめのあいさつ
(2) テーマについて
13:45 (3) 実践検討 第3学年 社会科
「のう家のしごと」
16:50 (4) おわりのあいさつ