1.カルテと座席表 共同提案 (茨城大学 杉本憲子先生) 東都大学 川合春路先生
つたない子どもの発言や行動を直感で理解できるときはよいですが,何か不自然さを感じながらも対策を打てないまま時間だけが過ぎてしまうことはままあることです。教育は,長帳場な仕事です。
結果がすぐ表れず,毎日の煩雑さに追われて,記憶から薄れてしまいそうなことを書きとめるのです。
ただ,形式は自由と言われても「おやっ。」という驚きの記録にならない,授業につながっていかないという悩みもあります。
教師自身の子どもを理解するセンスを磨き,カルテを続ける力はどこに潜んでいるのか問うていきたいです。
2.多様な子どもたちが育ち合う実践に取り組もう インクルーシブ教員研究所 堀 智晴 先生
「多様な子どもたち”は,文字通り多様です。そして,似通っているように見えても一人一人異なっています。」
学級集団という言葉がありますが,その子がいるとややこしいことだけに終わってしまうのか,創造的な豊かなおもしろい共に生きる生活が生まれるのか・・・果たして,どのようなまとまりになっていくのでしょうか。
例えば,細かいカリキュラムが決められている中で他の児童と学び合いができるのか,個別指導はどのように取り組むべきことなのか等々・・・・・具体的な悩みに向き合いながら,多様性があることをどう捉えていくか,じっくり考えていきたいです。
4.「社会科教育法」への期待
~その実践とこれからを考える~ 大阪教育大学 西裏慎司先生
「社会科の初志をつらぬく会」の集会,毎回参会者の多面的な見方には驚かされ,教育の可能性・広がりを感じ,大きな心持ちになります。
ところが,「どんな会なの?」と問われると,簡潔に要約した言い方で表せられるものではありません。他の社会科研究会とどのような差異があるのか,言葉を並べられてもなかなか理解しづらいところがあるのです。
つまり,系統主義の教育で育ってきたものが,果たして発想の転換ができるのかが難しいところです。学生への講義15時間授業内容の検討から,様々な実践者の教育のあり方を知って問うことが,次世代の教育者が育っていくことになります。
そう教育者として歩む道を社会科という教科でできる魅力を感じて頂きたいです。