Enjoy Science!
細胞と進化の不思議を探求する研究室です。在籍する学生が生命科学を好きになり、研究成果が多くの研究者に役立つことを目指しています。
何を研究しているの?
形作り、細胞、進化
生き物の形は、その生き物が生き残るために最適な形に進化しています。一見、意味がないように見える形でも、その裏には生き残りのための「自然の叡智」が隠れています。では、生き物の形はどのようにして作られるのでしょうか。生き物を構成する「細胞」の性質を理解すれば、形作りの根本原理がわかるはずです。
私たちは、植物の細胞を使って、細胞の形作りや分裂のしくみを調べています。これらを理解するため、細胞の中にある細胞骨格のはたらきに注目しています。また、植物の形がどのようにして進化したかを調べるため、藻類の研究も行っています。細胞骨格のはたらきと進化については「解説」ページを見てください。
また、得意技術を生かし、藻類の環境適応のしくみの研究や、多くの研究者に必要な蛍光イメージング技術の改良も行っています。詳しい内容は研究内容のページをご覧ください。
研究者に役立つ知識と技術
研究者は、論文発表や共同研究で他の研究者とつながり、つながった仲間たちみんな(研究者コミュニティ)で科学の発展に貢献しています。研究者一人一人の小さな発見の積み重ねや、仮説の真偽を互いに検討することが、教科書を書き換える発見や、社会に直接役立つ技術開発につながります。
小さな研究室でも、独自の技術を持ち、コミュニティ全体に貢献する研究室はいくつもあります。研究室主宰者の村田は、植物を用いた顕微鏡技術で植物科学、細胞生物学、顕微鏡開発の研究者コミュニティに貢献してきました。私たちは、これからも多くの研究者の役に立つ研究を目指します。
植物の表皮の細胞はジグゾーパズルの形をしています。引っ張り力に耐えるのに適した形(推定)です。
表皮の細胞の細胞骨格(微小管)は活発に動いています(GFPで標識した微小管)。
メンバー
教授 村田 隆
地元の県立高校を卒業したあと、都立大で博士取得。国立の大学や研究所で最先端の基礎科学研究をおこない、2020年に戻ってきました。良きメンター(助言者)になれるよう、日々学生から学んでいます。
個人のサイトはこちら。経歴、研究者情報、授業で紹介した写真の解説、学生へのメッセージなどを掲載しています。
大学院生 M2 1名
卒業研究生5名
何を大切にするか
研究室のモットー 「恥ずかしい質問をしよう」「協力しよう」「自然現象に興味を持とう」
○ コミュニケーションを大事にします。現代の生物学は共同研究者とのチームプレイや競争相手との切磋琢磨によって発展します。コミュニケーション力を伸ばすことは研究に大切なことです。
○ 恥ずかしい質問を歓迎します。質問者を責めてはいけません。恥ずかしい質問の中にこそ大事な気づきが隠れているものです。
○ 大学の研究室は決められた実験の速さを競う場所ではありません。未知の問題に挑戦して失敗を繰り返し、考えながら学ぶ場です。失敗から学んで考える力を身につけてもらいます。
メンバーで協力して自主的運営を目指しています。研究室にはレクレーション係、整理整頓係などの係があり、ミーティングでは学生リーダーが司会をしています。
イベントを企画してメンバーの交流を図っています。イベント内容については「最新情報」および村田研インスタグラムをご覧ください。
毎年、ハイキングを兼ねて、近隣の田んぼや池などでミカヅキモ採集と観察を行っています。詳細は「ミカヅキモのページ」をご覧ください。
研究室旅行で念願の花火!(2023.9.3)
初冬の日差しの中、グラウンドでアルティメットを行う様子(2022.12.14)
創意工夫を大切に
近年の生物学は実験方法の標準化が進んでいますが、藻類を使った実験は未開拓の部分が多く、手作りの実験装置が活躍します。目的に応じて実験装置を組み立てることは、エンジニアの第一歩とも言えます。工作が得意な人、歓迎します。
写真は、手作りで組み立てた装置や器具の例です。
さまざまな色の光で藻類を培養する装置と、細胞の密度を測定するため、さまざまな大きさのメッシュパターンを培養容器の底に貼り付けた様子です。
3色培養装置
メッシュパターン
研究を通じた人材育成
研究室で目指しているのは「研究を通じた人材育成」です。研究室で身につけたコミュニケーション能力や、失敗から学んだ考える力は、社会に出てから必ず必要になる能力です。また、試行錯誤して実験装置を作る経験は、より大きな装置を作るときに生きてきます。
学部卒の就職で大切なのは、理系の基礎としての論理的考え方ができること、同僚などとのコミュニケーションができることです。これらは村田研の「何を大切にするか」の中で、しっかり学ぶことができます。また、研究室での文章の書き方の指導は、そのまま就活に役に立っています。