植物進化の不思議を顕微鏡を駆使して探求する研究室です。学生が生命科学を好きになり、研究成果が多くの研究者に役立つことを目指しています。
植物は根、茎、葉の構造を作り、陸上の環境に適応しています。植物の祖先の緑藻が上陸して根、茎、葉を作るためには、細胞のしくみを変化させる必要がありました。ミカヅキモは水の中に暮らしていますが、細胞のしくみは陸上植物と似た性質を持っています。ミカヅキモの細胞のしくみを知ることで、植物の上陸のときに細胞のしくみがどのように進化したのか推測することが可能になります。
ミカヅキモの仲間(接合藻)は、単細胞生物ですが、さまざまな形に進化して環境に適応しています。1つの細胞が精巧なマイクロマシンのようです。独自の形が、どのようなメリットがあり、どのような進化の結果生まれたのかを解き明かしたいと考えています。
ミカヅキモは植物の進化の鍵となる生物
アワセオオギはミカヅキモの仲間
研究室のモットー
「恥ずかしい質問をしよう」「協力しよう」「自然現象に興味を持とう」
○ コミュニケーションを大事にします。現代の生物学は共同研究者とのチームプレイや競争相手との切磋琢磨によって発展します。コミュニケーション力を伸ばすことは研究に大切なことです。
○ 恥ずかしい質問を歓迎します。質問者を責めてはいけません。恥ずかしい質問の中にこそ大事な気づきが隠れているものです。
○ 大学の研究室は決められた実験の速さを競う場所ではありません。未知の問題に挑戦して失敗を繰り返し、考えながら学ぶ場です。失敗から学んで考える力を身につけてもらいます。
メンバーで協力して自主的運営を目指しています。レクレーション係、整理整頓係などの係があり、ミーティングでは学生リーダーが司会をしています。
イベントを企画してメンバーの交流を図っています。イベント内容については「最新情報」および村田研インスタグラムをご覧ください。
毎年、ハイキングを兼ねて、近隣の田んぼや池などでミカヅキモ採集と観察を行っています。詳細は「ミカヅキモのページ」をご覧ください。
研究室旅行で念願の花火!(2023.9.3)
初冬の日差しの中、グラウンドでアルティメットを行う様子(2022.12.14)
研究室で目指しているのは「研究を通じた人材育成」です。研究室で身につけたコミュニケーション能力や、失敗から学んだ考える力は、社会に出てから必ず必要になる能力です。また、試行錯誤して実験装置を作る経験は、より大きな装置を作るときに生きてきます。
学部卒の就職で大切なのは、理系の基礎としての論理的考え方ができること、同僚などとのコミュニケーションができることです。これらは村田研の「何を大切にするか」の中で、しっかり学ぶことができます。また、研究室での文章の書き方の指導は、そのまま就活に役に立っています。
近年の生物学は実験方法の標準化が進んでいますが、藻類を使った実験は未開拓の部分が多く、手作りの実験装置が活躍します。目的に応じて実験装置を組み立てることは、エンジニアの第一歩とも言えます。工作が得意な人、歓迎します。
写真は、手作りで組み立てた装置や器具の例です。
さまざまな色の光で藻類を培養する装置と、細胞の密度を測定するため、さまざまな大きさのメッシュパターンを培養容器の底に貼り付けた様子です。
3色培養装置
メッシュパターン