(7) 研究会会員の研究内容紹介


研究事例7:摩擦振動抑制のための材料技術 大塚化学㈱ 総合研究所 大門 恵美子


⼀般的なブレーキパッドにはフェノール樹脂という熱硬化樹脂が使用されている.摩擦熱により摩擦界面でタール化したフェノール樹脂は,低温領域では凝着性、高温領域では潤滑性を示し,摩擦係数の不安定化の一因となっている.一方で,摩擦調整用に添加されるチタン酸塩はフェノール樹脂に熱化学反応し,タール物質を分解することが知られている.


著者らは,慣性ダイナモメーターにて周期的に荷重が変化する実験系を確立し,荷重波形とトルク波形を比較観測した.図10はタールの残留状態を表面粗さトポグラフィおよびロータ回転角に対するブレーキ荷重とトルク波形の比較図を示す.