2026年6月4日
本日の音楽
演奏時間 約21分
◯ロシア正教の宗教曲より
ロシア革命前のロシアで数多くの宗教合唱曲を作曲したパーヴェル・チェスノコフ(Pavel Chesnokov 1877-1944) の作品。アメリカで設立されたロシア音楽の研究・教育施設PaTRAM Institute による合唱です。
1. 「我が魂よ、主を讃えよ」(『徹夜禱』作品9の18)
2. 「悪人の謀に歩まぬ者は幸なり」(『徹夜禱』作品44の2)
3. 「喜ばしい光」
4. 「主よ、あなたはこの僕(しもべ)を去らせてくださる」
5. 「主の名を讃えよ」
6. 「我が魂よ、主を讃えよ」
(Pavel Chesnokov, Teach Me Thy Statutes, Vladimir Gorbik指揮・PaTRAM Institute 男声合唱団)より
本日の一曲
「我が魂よ、主を讃えよ」
「ラウダート・シ・ミ・シニョーレ、すべての造られたものを通して、特に兄弟である太陽を通して。太陽は私たちに昼をもたらし、あなたは太陽で私たちを照らされます。太陽は美しく、光彩を放って輝き、いと高いお方よ、あなたを現しています。」(アシジの聖フランシスコ「太陽の賛歌」より)
大正時代、詩人高村光太郎とともに東京で暮らした妻智恵子は、故郷の福島阿多多羅山の空を思いながら「東京には空がない」と訴えたと言います。「空がない」と言ったのは、本当に空がなかったからなのか、それとも空を見ることができなかったからなのでしょうか。
それから100年。高いビルが立ち並んだ東京の空はさらに狭くなりました。あなたには東京の空は見えているでしょうか。今朝、家を出た時、空がどんな空だったか、覚えていますか。晴れていたのか、曇っていたのか、太陽はどんな色をしていたか、どんな風が吹いていたか、鳥がさえずっていたか・・・。
今晩は、聖堂を出たら空を見上げてみてください。星は出ているか、月は出ているか。風の音(おと)、虫の音(ね)に耳を傾け、深呼吸して夜の空気を吸い込み、匂いを嗅ぎ、風を肌で感じてみてください。
(前月までの「言葉」は、クリックすると見られます)
5月はカトリック教会では「聖母月」として特に聖母マリアに祈りを捧げる時期としています。これは 18世紀にイタリアで始まったものと言われています。アヴェ・マリア」(天使祝詞)は、中世から伝わる、聖母マリアに捧げられた祈りの言葉で、Ave Mariaは、その冒頭の言葉です。この祈りを共通の歌詞として、多くの作曲家が曲を書いています。
《4月の言葉》
「すべて重荷を負って苦労している者は、私のもとに来なさい。あなたがたを休ませてあげよう。」(マタイ11:28)
活動・行動が重視される現代社会では「無為」「何もしないこと」は無駄で無意味なことと切り捨てられてしまいます。「休日」や「休暇」も学業や仕事のための力を回復する準備のための時間と位置づけられがちです。
さらに、現在ではスマートフォンなどの携帯情報端末によって、私たちの時間は起きてから寝るまで常に自分の関心のあるもの(情報、エンターテインメント)や自分に関わりのある人々とのつながり(SNS、メールなど)で埋め尽くされています。「すき間学習」や「すき間バイト」が推奨され、まるで暇や空き時間を持つことが罪悪であるかのようです。
しかし、「休めないこと」こそ、現代生活の病理なのです。それは心や身体を消耗させてしまうというだけではありません。心に「空き」「すき間」「遊び」がないと、人は自分の心の隠れた思いに気づくことも、聞き届けられていない他者の声に耳を傾けることも、自分に与えられている世界の存在の神秘に触れることもできないでしょう。
せめて1週間に一度、仕事(occupation =心が占められていること)を離れ、心のヴァケーション(vacation=空にすること)をご一緒しませんか。