聖心女子大学キリスト教文化研究所の「教養ゼミナール」は、学生・卒業生・一般社会人を対象として1971年にスタートし、大学による生涯学習提供の一翼を担って参りました。
本年は、聖心会・聖心女学院の創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラ(1779-1865)が聖人に列せられてからちょうど100周年になります。また、本学にゆかりの深いカトリック司祭・哲学者・社会事業家の岩下壮一(1889-1940)が司祭に叙階されたのもちょうど100年前のことでした。
今年度の教養ゼミナールはこの二つ《時(カイロス)》に焦点を合わせた講座として「トーチライトセミナー2025」他、数多くの講座をご用意しました。また、聖堂での音楽体験を交えた講座としてご好評頂いている「宗教音楽と典礼音楽の世界」も3年目を迎えます。
通常講座も筑波大学名誉教授桑原直己先生をお迎えして対面の2授業を追加しました。これまでの講座と合わせてますます魅力のアップした講座になりました。大勢の皆様の受講をお待ちしております。
授業形式:対面
日時:第1回 5月31日(土)14:00~15:40
第2回 7月5日 (土)14:00~15:40
開催場所:聖心女子大学聖堂
講師:日本グレゴリオ聖歌学会理事・日本合唱指揮者協会会員 渡辺 宏子
受講料:全2回 4,000円
申込方法 ①:以下の申込みフォームに必要事項を記入して送信してください。
申込方法 ②:本研究所のメールアドレス(kiriken@u-sacred-heart.ac.jp)まで「郵便番号・住所・氏名・氏名ふりがな・年齢・電話番号・受講希望回・合計金額」を明記の上、メールでお申込ください。
授業形式:配信
配信日時:未定
講師: 浪波利奈(美学) 民藝100年―造語「民藝」の誕生をめぐって―
山内由賀(西洋史) 聖マグダレナ・ソフィア・バラ列聖100年 ―21世紀初頭における聖心女子学院の発展―
押見まり(哲学) フランス近現代思想100年の歩み―ドゥルーズ生誕100年によせて―
服部紀子(国語学) 100年前の国語政策と日本語研究
受講料:全4回 4,000円
申込方法 ①:以下の申込みフォームに必要事項を記入して送信してください。
申込方法 ②:本研究所のメールアドレス(kiriken@u-sacred-heart.ac.jp)まで「郵便番号・住所・氏名・氏名ふりがな・年齢・電話番号・受講希望回・合計金額」を明記の上、メールでお申込ください。
火曜13:30-15:10
通年6回:5/20、6/17、10/21、11/18、12/16、1/20
まずモテットが13世紀パリのノートルダム大聖堂で歌われていたオルガヌムから派生して成立した過程を辿る。その後モテットが中世、ルネサンス、バロックを経てどのように変化して現代に至ったかを、代表的な実例を取り上げながら分析する。
使用テキスト:毎回必要なテキストを配布する。
火曜 15:20-17:00
通年12回: 4/22, 5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/1, 10/7, 10/21, 11/4, 11/18, 12/2, 12/16
「橋姫」より読み始め、「手習」中盤を過ぎ、浮舟出家へと読み進んだ「」宇治十帖」(光源氏子孫世代の物語)も、続く「夢浮橋」で終わりを迎えます。「夢浮橋」は、『源氏物語』の最終巻です。今年度は、「手習」後半から「夢浮橋」へ、物語の終焉へと向かう中で、浮舟の生の意味、そして仏道、救済の命題の行方等の課題に取り組むことになります。出家を遂げた浮舟に、横川の僧都は、還俗を勧めたのかどうか、大きな見解の揺れも残るところですが、最終局面に向かって、各回にトピックを用意し、共に考えながら読みときます。
使用テキスト:玉上琢彌 訳注『源氏物語』第十巻(浮舟から夢浮橋)角川ソフィア文庫
(昨年度使用テキストと同じ。今年度よりご参加の方は、開始前にご購入ください)
木曜 10:50-12:30
通年4回: 5/22, 7/24, 10/23, 12/18
大正時代から戦前まで日本のカトリック教会を代表する人物であり、司祭、哲学者、教育者、社会事業家、出版事業家として多大な業績を成し遂げた岩下壮一(1889-1940)は、1919年に哲学研究のために欧州に留学し、1925年に司祭として帰国します。岩下壮一の叙階(1925年6月6日)から100周年にあたり、留学時代の日記を元に、若き岩下の生涯についてご紹介します。
なお、本年5月から12月(予定)には、本学で岩下壮一の特別展「岩下壮一という多面体〜20世紀のフランシスコ・ザビエル〜」の開催も予定されていますので、合わせてご覧いただければ幸いです。
使用テキスト:特にありません。資料等は授業で配布します。
木曜 10:50-12:30
通年6回: 5/15, 6/19, 7/17, 10/16, 11/20,12/18
文学に凝結している人間の知恵を学び、それを私たちの日常にいかに活かすべきかを、キリスト教精神に基づいて、皆で一緒に考えていきたいと思います。
使用テキスト: 毎回配布資料を用意します。
木曜 13:30-15:10
通年6回: 5/8, 6/12, 7/10, 10/9, 11/13, 12/11
日本近代文学の小説において、女性たちはどのように描かれてきたのでしょうか。明治の急速な近代化の波に洗われ、旧弊な女性観や家意識と新しい時代の価値観とのせめぎ合いの中で、女性たちは苛酷な生を生きざるを得ませんでした。登場人物たちの姿は時代の相を映しながら、現代を生きる私たちとどこかで繋がっているかもしれません。明治から大正へ時代を追って、作品を丁寧に読み解いていきます。
第一回 樋口一葉「われから」―― 一葉・最後の小説
第二回 徳冨蘆花「不如帰」―― 婦女子の紅涙を絞る
第三回 伊藤左千夫「野菊の墓」―― 農村の恋
第四回 森鷗外「半日」―― 嫁と姑と
第五回 有島武郎「或る女」―― 新しい女の生きづらさ
第六回 芥川龍之介「秋」―― 結婚の悲哀
使用テキスト:その都度資料を配布します
(各作品は書籍のほか、「青空文庫」でも無料でお読みいただけます)
木曜 15:20-17:00
前期6回: 5/8,5/22,6/5,6/19,7/3,7/17
① 教育史において修道会が有してきた意義を確認する。
② 特に近代以降の修道会がカトリック的な学校教育の成立に与えてきた方向性を、イエズス会、聖心会の活動を中心に明らかにする。
③ ①②で明らかになった視点が、改めて現代の世界および日本におけるカトリック学校教育に対して有する意義を明らかにする。
使用テキスト: 特になし
木曜 15:20-17:00
後期6回:10/2、10/16、10/30、11/13、11/27、12/11
① トマス・アクィナスの背景となった中世の知的世界について見通しを与える
② トマス・アクィナスの哲学を概観する。
③ トマス・アクィナスの哲学が、現代において有する意義を改めて明らかにする。
使用テキスト: 特になし
木曜 13:30-15:10
前期10回: 5/8, 5/15, 5/22, 5/29, 6/12, 6/19, 6/26, 7/3, 7/10, 7/17
継続中の聖書ヘブライ語の中級のクラスです。中級は士師記8章以降を継続して原文で読みます。前年度受講していなくても自習して途中参加していただいて構いません。
使用テキスト: 中級:Biblia Hebraica Stuttgartensia、または Biblia Hebraica Quita分冊の”JUDICES”
辞書等はクラスで提示します。
木曜 15:20-17:00
前期10回: 5/8, 5/15, 5/22, 5/29, 6/12, 6/19, 6/26, 7/3, 7/10, 7/17
山田恵子『ニューエクスプレス+古典ヘブライ語』L.14(p.90)から続けて文法を学びます。
ます. 前年度受講していなくても自習して途中参加していただいて構いません。
使用テキスト:山田恵子『ニューエクスプレス+古典ヘブライ語』白水社, 2019.
辞書等はクラスで提示します。
水曜配信 通年8回: 4/23, 5/21, 6/18, 7/16, 10/8, 11/19, 12/17, 1/14
2000年近い歴史をもつキリスト教の教えが、いわゆる「名画」の中にどのようにちりばめられているのか。必ずしもキリスト教美術の枠内に収まらない世界的名画の世界に、中世美術の視点から大胆に分け入ってみよう。教科書として用いるのは、2024年10月に92歳で逝去された高階秀爾先生の著書『名画を見る眼』のカラー新装版である。50年以上も人々に読み継がれてきた名著をひも読みながら、キリスト教美術の意外な広がりに出会うに相違ない。取り上げる名画は、ファン・アイク、レオナルド、ラファエルロ、プーサン、フェルメールなど。加えてイギリスやフランスの聖堂建築、ステンドグラス、写本画、エマーユ工芸など「中世の名作」にも話題を広げてゆく。( 同時期に開催されている展覧会案内も併せて行います)
使用テキスト: 高階秀爾『カラー版 名画を見る眼Ⅰ ―油彩画誕生からマネまでー』 岩波新書、(株)岩波書店、2024年、1240円
参考資料: 浅野和生 『ヨーロッパの中世美術』中公新書、2014年、柳宗玄 『キリスト 美術にみる生涯』八坂書房、2012年
※使用テキストは各自ご購入下さい。 第一回目の授業から使用します。
金曜配信 3回: 5/23, 6/20, 7/25
イベリア半島スペインでは、10世紀から13世紀にかけて、とりわけ北部各地の修道院でキリスト教写本が盛んに制作され、そこに描き込まれた挿絵美術が開花し、さまざまに受け継がれ展開されてゆきました。この講座では、現場となった修道院の歴史的環境、写本制作にあたった修道士たち(技術を身に着けた写字生や挿絵師)の敬虔な真情などにも触れながら、その創造性に富む挿絵の「祈りの美」について解説します。
使用テキスト: とくにありません。毎回パワーポイントを使用します。適宜資料を配付します。
金曜配信
通年12回:5/16、5/30、6/13、6/27、7/11、7/25、10/3、10/17、10/31、11/14、11/28、12/12
古代地中海世界を舞台に、一神教は周囲の人々にどのようなインパクトを与えたのか。この視点に立ってみると、古代ローマ宗教史やイスラム教成立史の研究成果が気になってくる。それらを見ると、ある共通理解があることがわかる。一神教と見なされているのは、ユダヤ・キリスト教なのだ。周囲の人たちには、この二つの共同体は違っているというより、とても似ていて見分けがつかない。しかし、一神教徒の側では、二つの勢力が異邦人キリスト教とラビ・ユダヤ教という形で、互いを意識しつつ自己認識を明確にしていったことが見えてくる。ではどういう歴史が見えてくるだろうか。
使用テキスト: 毎回、レジュメを準備する。
火曜 10:50-12:30
通年12回:5/13, 5/27, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22, 10/14, 10/28, 11/11, 11/25, 12/9, 1/13
Shakespeareでは、ロミオやポーシャが知られていますが、いずれも少女です。それで、東の楊貴妃と並び称されるクレオパトラはどう描かれたか、という関心から出発しました。そのまえに Julius Caesar を読み、アントニーのその後の成り行きを知りたい。
使用テキスト: Antony and Cleopatra
月曜 13:30‐15:10
通年6回:5/26,6/23,7/28,9/29,10/27, 12/22
今年度は使用テキストの10章から開始いたします。新しくご参加くださる方も大歓迎でございます。
聖心会修道院創立者 聖マグダレナ・ソフィアについて、どのようなカトリック女子修道会(聖心会)をたて、それがどのような歴史的、教育史的、女性史的な役割をもっていたのかについて、学び、考え、意見交換をしたい。下記テキストを分担して読んだり、史資料を見たり、通読したりしながら、学んでいきたい。
仏革命を背景にカトリック女子修道会を創立したM. ソフィ―バラがどのような人間関係や、政治的影響、歴史の変転の中でその目的を実現していったのか。基本文献は多くの史料を駆使し、多数の創立者の書簡を利用して完成されている。更にそのテキストは、勝れた日本語訳本として世に紹介されている。ここから女性史的、教育史的、宗教史的な知識の流れをどれだけつかめるか、ゼミ生皆様の関心の高まりに期待しているところです。
使用テキスト:フィル・キルロイ、安達真美・冨原眞弓訳『マドレーヌ・ソフィー・バラーキリスト教女子教育に捧げられた燃ゆる心』2008年、みすず書房