車いす用可変車輪

研究内容

もしあなたが車椅子生活になったら

 何らかの病気・事故により、車椅子生活を余儀なくされるとしましょう。その時、今までのように自宅から学校まで、いつもの経路で通えるでしょうか?建物内は自由に移動できるでしょうか?

 おそらく段差や溝があります。スロープがあっても遠かったり、傾斜が急かもしれません。場所によっては、エレベーターがなく階段だけという建物もあります。つまり「車椅子使用者」というだけで、移動に大きな制約が付きまとってくるのです。

車椅子の行動範囲の拡大

 もしも車椅子で何にも気にせず、何処へでも行けるようになったら、車椅子使用者の生活が一変するでしょう。

 そこで本研究では「車椅子の行動範囲の拡大」の中でも、「段差を走破する」という点に注目し、機械工学の知識を生かして研究を行っています。

変形車輪

 この車輪には、足が収納された「通常状態」と、足を展開して階段を走行しやすくする「展開状態」があります。

  「通常状態」では、通常の車輪と同様に平地を走行することができます。

  「展開状態」では、車輪の軸を回転させ足を展開することで、車輪の直径を大きくなる性質と、足に内臓されているバネが階段からの抗力を減少させる性質を持たせ、高い段差を乗り越えることができます。

変形車輪の有効性の証明

 我々の研究目的は、変形車輪が通常の車輪よりも優れていることを力学的に証明することです。

 そのために、足に内臓されているバネの挙動を振動学に基づきグラフ化、3D CADによる車輪の走行シミュレーション、モーションキャプチャによる階段昇降時の車輪軌跡の測定など、様々な方法で力学分析を行っています。